第十二話 風邪の予防に、どう?
瞬間風速的ですがブクマ100超えしていました。
皆様の応援のお陰です。
ありがとうございました。
これで第七章は終わりです。
次章は学園祭、温泉編がメインになります。
いのり君にオイルを塗ってあげているところに茉莉ちゃんとカレンが帰って来て、俺といのり君は二人に詰め寄られてしまった。
しかもいのり君はオイルがこぼれてもいいようにと敷いておいたブランケットを前を隠すものだから傍から見たら怪しいことをしていた図にしかならない。
そのため二人は鬼気迫る表情で俺達に詰問してくる。
「いのりちゃん、これは一体?」
「そうね。さすがに直接的すぎないかしら?」
「あはは~。そうではなくてですね・・・。」
「じゃあ、なんなの。」
「そうよ。」
おぉ、二人が物凄い剣幕でいのり君を睨んでいる。
「あの、二人と・・・。」
「和にいは黙って!!」
「和樹は黙ってなさい!!」
「!! ・・・はい。」
事情を説明しようとしたら二人に物凄い形相で睨まれ、言葉を遮られてしまった。
「ほんと、なぁんにもないって。お母さんからもらったオイルが体の保温にいいって聞いていたから、大木さんに楓ちゃんに塗ってもらって、ついでにわたしも塗っていてもらったんだよ。ほら。」
いのり君は前を隠していたブランケットを放り落して、立ち上がりくるんと後ろを向いて二人にアピールした。
「あ・・・。」
「ほんとね、いい香りのするオイルね。」
「でしょ。まさか二人が帰って来るとは思わなかったヨ。まあ、後で二人にも大木さんに塗ってもらったらって言おうと思ってたんだよ。」
「ごめん、いのりちゃん。」
「早とちりだったわ。」
「いいって、いいって。わたしだって同じ場面に遭遇したらそうなると思うもん。おあいこだよ。」
「うん。」
「そうね。なら、私達も出発までの間に塗ってもらいましょう茉莉。」
「そうだね。和にい、次お願い。」
二人はあっけらかんとして嬉々として二階で水着に着替えてくると言って、二階に上がっていってしまった。
マジギレする二人を初めてみたが、もの凄く恐ろしかった。
「あの二人には逆らわないでおこう。」
「なんで、心の声がっ!」
「ふふ、大木さんの顔に書いてあるよ?。ちなみにわたしや楓ちゃんもキレたら同じようになるから、大木さんは気を付けてネ!!」
「はぁ。」
いのり君は俺の心の声を代弁して自分たちもそうなると言う。
もし四人が俺に対してあのキレ具合と形相で睨んできた日には俺は生きていられるのだろうか・・・。
背中に寒い物が走る。
「さあ、気を取り直して続きをお願いしていいかな?
次の二人が待っているからね。
ゆっくりしているとわたしが更に疑われそうだから、手早くお願い。」
「ああ、わかった。」
その後、手早くいのり君に塗ってあげていると、二階から二人が降りて来て並んで待っている。
なんだか物欲しそうな目で見られると、何とも言えない気になってくる。
「よし、塗り終わったよ。」
「ありがとう、大木さん。じゃあ、私はバイトの準備があるから二人によろしくね。
茉莉ちゃん、カレン後で使ってみた感想を教えて! お母さんにみんなの感想も教えてって言われているんだ。」
「うん、わかったよ。いのりちゃん。」
「ええ、しっかりとレポートしあいましょう。」
「うぐ! まだ疑われている・・・。とほほ。」
「さ、どっちからするかい?」
俺が順番を聞くと二人は顔を向き合わせて、どうしようと言い始めた。
なんでも俺に塗ってもらえることで頭がいっぱいでそこまで頭が回らなかったとのことだ。
「じゃあ、いっそ私達二人同時でいいじゃない。」
「そうだね。そうしたら時間が浮くね。」
カレンは棚からモーニングルーティーンのヨガに使っているヨガマットを敷き横になりながら提案し、同じくヨガマットを敷いている茉莉ちゃんが賛同する。
「じゃあ、二人同時に頑張るよ。」
「お願い。」
「期待しているわ。」
こうして俺は二人にオイルを塗り始める。
「あ、いのりちゃんの言っていたとおりだね。温かい。」
「ほんとね。体の冷えが消えるわね。芯から温まりそう。」
「だろ? 俺も楓ちゃんの体に塗ってあげた時にそう思ったよ。
それからずっとオイルに手を付けているから手が熱いくらいだ。」
「そうなの?」
「へえ、みのりさんもやるわね。
まあ、これをいのりだけにっていうわけじゃないから、私達が見透かされているのがアレだけど。」
「?」
「和樹には関係ないことよ。
ま、これから寒くなって乾燥もしてくるし定期的に一緒に寝る時に位は塗ってもらいたいものね。
もちろん、私達も塗ってあげるわよ?」
「ちょ、カレンさん!」
「いいじゃない。互いにメリットしかないんだから。
どう? 和樹。」
「まあ、オイルが手に入って、塗ってくれって言うんだったら塗るけれども、なんで俺まで?」
「そ、それは・・・。」
なんだか顔を赤くしてカレンが口ごもるが、茉莉ちゃんがそれを引き継いでくる。
「和にい、和にいだっていい大人なんだからお肌のお手入れをしなきゃってことだよね? カレンさん。」
「そ、そうね。これから冬になって乾燥してくるんですもの乾燥対策と、茉莉の言う通りお肌のケアね。
流石に和樹から加齢臭が漂ってきたら嫌ね。」
「え? 俺に臭う?」
俺は腕の匂いを嗅いでみる。臭くはないはずだ。
「あはは、和にい、気にしてるの?
今はまだ臭わないよ。でも、油断していると臭ってくるかもしれないってことだよ。
だから、絶対塗っておいた方がいいって。私達もキレイなお肌の和にいがいいんだよ。
隣で寝ている和にいから臭ってくるのや、お肌がザラザラなのはちょっと嫌かな・・・。」
「ああ、そうだね。加齢臭やお肌がザラザラしていたなんて嫌だな。俺だってまだ若いつもりなんだよ?」
「ふふ、意外に気にしているのね。可愛いところがあるじゃない。
そうね、早速今日の夜にでも私達が塗ってあげるわ。
どうかしら茉莉?」
「いいね。いのりちゃんにも伝えておいて三人で塗っちゃおう。
楓ちゃんは元気になったら三回くらい特別に塗らせてあげて。」
「おいおい・・・。いきなりかい?」
「そうだよ。和にいが風邪を引いたら大変だもの、いまから体を温めておいて損はないよ。」
「そうね、だから和樹の分も残しておいて。」
「ああ。わかったよ。」
そんな話をしているとほぼ塗り終わってきた。
俺は二人が帰ってきたことについて聞いてみる。
「今日は遅いんじゃなかったのかい?」
「楓ちゃんが心配になってね。レポート課題の勉強は本を借りて家でしようってことにしたの。
またこれからお店に行くんだけどね。」
「そうよ。まあ、帰って来てよかったわ。あのままだといのりが何をするかわかったものじゃないわ。」
「それはひどい!!カレン、いのりちゃん悲しい・・・。」
いのり君が二階から準備を終えて降りてきたようだ。
しかも泣き真似をしながら。
「ふふ、冗談よ。
茉莉、話していたことを教えてあげて。」
「うん。あのね、いのりちゃん・・・。」
こうしていのり君も満面の笑みで賛成し、その夜、俺は三人に揉みくちゃにされながらオイルマッサージされてしまった。
確かに体の芯から温まって気持ちがいい。
これなら楓ちゃんの風邪も早く治ってくれるかな?
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