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第六話 バイト視察、そして・・・。

山田さんを採用してからカレンは山田さんとトレーニングをしたりレクチャーの順番などを本格的に打ち合わせるようになっていた。

もちろん、明美ちゃんから山田さんの事情を聞いて、帰ったらすぐにみんなに事情を話して防犯グッズを渡した。

一般的な物に加えて、少々電圧をいじったスタンスティックも念のため渡しておいた。

何もなくても万が一のことを考えてのお守り代わりにでもなればそれでいいと思う。

使わないのが一番の物だからね。


そんな中、茉莉ちゃんも開店するお店のアルバイトに入るということで、それまでに研修ということで最近はルイジに研修というか里奈の抜けた穴を埋める代打要員としてアルバイトに入っている。

そんな訳でちょっと気になったので、茉莉ちゃんがシフトを入れている平日のお昼にこっそりお店に顔を出してみることにした。

綾瀬君も学校の授業がない日で一日シフトを入れている日に合わせて綾瀬君にこっそりお膳立てしてもらうようお願いしていた。

お昼前くらい、まだ飛び込みのお客さんが入りやすい時間を狙ってルイジに向かい入店する。


「いらっしゃいませ!! おひとり様で・・・って、和にい!」

「シー! 今日はただのお客さんとしてきているんだ。案内お願いできるかな?」

「・・・。はい、お客様、失礼いたしました。では、こちらのお席にご案内させていただきます。」


そう言って、驚いた茉莉ちゃんは恙なく席まで案内している。

少しにやけた顔をしていた俺を見て、少し恥ずかしがりながらもむくれていた。


「こちらがメニューになります。」


そう言ってお水とメニューを持って来てくれる。

心なしか怒っているように見える。まあ、そりゃ突然やってきたらそうなるよね。

でも、こっそりドッキリみたくやってみたかったんだ。

普段の茉莉ちゃんではない働いている姿を見てみたかったから。

しばらくメニューを眺めていると綾瀬君がやって来た。

最近はウエイトレスの服装ではなくコックの服装をしていることが多い。

啓介が言っていた通り、最近は厨房の方がメインになっているようだ。


「茉莉ちゃん、バックヤードで顔を真っ赤にしていたヨ。和にいのバカ~って。」

「まあ、驚かせちゃったね。で、どうかな、茉莉ちゃんは。」

「そりゃあ、茉莉ちゃんは要領がいいからそつなくこなしてくれているよ。

まあ、最初の方は慣れない接客に笑顔になれなくて緊張した顔でカチコチだったけどね。」

「普通はそんなもんだろ。俺だって初めては緊張したぞ?」

「そうなの? なんだかそっちの方が驚き。なんだかんだ言って大木さんは顔色一つ変えずにやってそうだから。」

「そうかな?」

「うん、そう思う。で、ご注文はいかがいたしましょうか?」


綾瀬君が話しがてら、注文を取ってくれる。

よく見てみると茉莉ちゃんは来店客がまとまって入ってきたのでそちらの対応でこちらに来れないようだった。


「じゃあ、ナスとトマトのカプリッチオで。」

「わかったヨ。いのりちゃんサービスしちゃうからね!」


そう言って厨房に戻っていた。

しばらく茉莉ちゃんを眺めていると、しっかり接客できているようだった。

だけど、他の男に笑顔で接客しているのをしているのを見ているとなんだか心の底で沸々と湧き上がるものがある。

綾瀬君はいつも笑顔であの調子なので他の男に対して接客している時にはそう思わな・・・。いや、思うぞ。今、接客したオッサンが色目を使っていたんじゃないか? 許せん。

最近はなんだかみんなに対して保護欲というか独占欲が強くなってきているような気がする。

だとしたら、原因はあの時だ、みんなに慰めてもらった時だ。

あれ以来、自分の中で何かが変わったのか、自分でも掴みかねる気持ちが鎌首をもたげている。

・・・どうしたものかな。

そんなことを思案していると、茉莉ちゃんが頼んでいたメニューを持って来てくれた。


「お待たせしました。ナスとトマトのカプリッチオです。」


そう言って俺が頼んでいたナスとトマトを使ったお任せ料理が出てきた。

今回はパスタだ。確か前はドリアだったっけな。


「お、ありがとう。茉莉ちゃん。しっかりできているようでよかったよ。

こっそり見に来ちゃってごめんね。」

「ううん、そんなことないよ。和にいが心配して見に来てくれたんだっていのりちゃんから聞いて、とっても嬉しかった。ちょっとむくれちゃってごめんね。」

「いいんだよ。気にしないで。」

「えへ。そうする。で、今日のカプリッチオはいのりちゃん特製パスタ大盛を私が盛り付けた特製品だよ!」

「そうなのかい! じゃあ、おいしさがさらに増えるね。」

「そうだよ!私といのりちゃんの愛情がたくさん詰まっているよ。さあ、召し上がれ。」


そう言って、茉莉ちゃんは仕事に戻っていった。

料理を堪能した後、食後のコーヒーを淹れてもらっていると、綾瀬君がスマホを片手に慌てて俺の所にやって来た。


「大木さん、大木さん! 大変だよ!!」

「一体どうしたんだい、綾瀬君。」


周囲の目も気にせず一目散にやって来る。


「この間の刑事さんから連絡があってね。今、東京に来ているから時間が取れないかって。」

「それは・・・。ちょっと中の事務所に行こうか。」


ちょっと警察が絡む話を店の中でするのはよろしくないので、一足先に綾瀬君に事務所に行ってもらい、啓介たちに事情を話してから店の事務所に行くことにした。

茉莉ちゃんと啓介が厨房から心配そうに見ているので、綾瀬君を行かせてから二人と話す。


「よう、和樹。なんだかいのり君の件で動きがあったみたいだな。」

「そうみたいだね。事務所使わせてもらうぞ。」

「ああ、もし急ぎだったら今日はもう上がってもらってもいいって伝えてくれ。

今日は仕込みをいのり君が早く終えてくれていたから俺だけで回せると思うし。」

「和にい、いのりちゃんの方を優先させてあげて。お店の方は手が足りなかったら私も残って手伝うし。」

「ああ、わかった。」


そう言って俺も事務所に入った。


先にソファに座っていた綾瀬君が信じられないといった顔でスマホを握りしめていた。


「で、この間の刑事さん、藤堂さんから連絡があったんだよね。」

「うん、それで今日東京の警視庁と裁判所とかに来ていて、出来ればすぐに会いたいって連絡をくれたんだ。なんでも重要なことが分かったらしくてね。出来れば最優先でとにかく来てもらいたいって。」

「それって!」

「そこまではわからないけど、そういう事じゃないかナ? 期待しちゃいけないってわかっているけど。」

「そうだけど、でも連絡をくれて、最優先で来てくれって言うのは何かあるよね。」

「そう思う。」

「じゃあ、善は急げだ。どこで待ち合わせなのかい?」

「警視庁だって。さすがに一人ではただでさえ怖いのにいきなりそこに行くのは怖くてね。」

「なら一緒に行くよ。啓介も今日はいいって言っているし。早速連絡を取って向かおう。」

「うん!!」


そうして、俺と綾瀬君は霞が関の警視庁に向かった。



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