第五話 人材確保
昨日は多忙につき更新できず申し訳ないです!
里奈からみんながベスパを貰ってから、免許がある三人はそれに乗ることが増えていた。
もちろん今まで原付に乗っていた綾瀬君が一番乗っていたのだが、茉莉ちゃんとカレンも乗りたがり俺と綾瀬君の指導で原付の練習をして乗れるようになった。
楓ちゃんは学校の校則で免許を取得できないので羨ましそうに眺めていた。
「学校を卒業したらすぐに乗ってやる・・・。」
そんな変化がありつつ、日々は過ぎていく。
今日は明美ちゃんが事務所で俺とカレンに合わせたい人物がいるということで二人で向かっている。
「明美ちゃんからの要件は聞いているかい?」
「いいえ、何も。まあ、私達を呼ぶということは重要な話なんでしょう。」
そんな話を俺が運転するEV車の中でしながら雑談をしていた。
「そういえば店の進捗はどうなんだい?」
「そうね、八割方内装は完成。スタッフは明美が中心にセレクトしてとりあえずはルイジで基本的な動きの習熟中ね。広告も修造さんの所で出して、受講生の数もそこそこ集まってきているわ。
まあ、今日の話もその関連でしょう。」
「だろうね。で、インストラクターのスタッフはどうかな?」
「ヨガとかピラティスは見つかったわ。ただ、ポールダンスの方は芳しくないわね。恒常的なスタッフが私のみ、ピンポイントで入ってくれる人が一人。あと一人経験者でいいから欲しいところね。」
「やっぱり、なかなか難しいもんだね。」
「ええ、わかってはいたことだから仕方がないわ。そうね、和樹がいっそ練習して取ってみるのはどうかしら?」
「やめてくれよ。俺は体が硬いんだよ。」
「ふふっ。冗談よ。
さ、駐車場に着いたことだし、事務所に入りましょう。」
そうして事務所に到着した。
「待っていたわ、二人とも。今日はごめんね。
ちょうど紹介したい人材がいてね。会ってみてあげて欲しいのよ。」
そう言って、明美ちゃんが出迎えてくれる。
そのまま応接室に通される。
そこには髪を明るい金髪に染め、日サロで焼いているだろう肌をした女性がいた。
「どうも。」
「この子は山田 由紀恵ちゃん。私が前にいたお店でお世話になっていた人の娘さんでね。
歌舞伎町のウチのお店のキャストにとお願いされたんだけどね。
適正的にはこっちの方があっているかなって思って。」
そういって俺たちのことを軽く紹介した後に彼女のことを紹介してくる。
「山田 由紀恵です。源氏名はユキで通ってます。
前はストリップ劇場で働いていたわ。」
「で、ポールダンスも齧っているのよ。もちろん素人の私が判断できないけど、それなりの評判だったみたいね。
いまスタッフが足りていないからどうかなって思って。」
「そう、なら話は早いわ。実際に見てみましょう。それで問題なければ採用ね。」
「え? いきなりかい?」
「何か問題でも? 人材は不足しているの。使える人材は使わないともったいないわ。」
「でしょ。まあ、少々他にも立て込んだ話があるけど、そっちは和樹くんに後で話すわ。」
・・・俺付きでっていうことは、やっぱり問題付きか。
普通、こういう面接系はカレン一人だってもんな。
早速、建設中の店舗に移動して実演してもらうことにした。
一応、店舗部分のフィットネスルームはすでに完成しているので自由に使えるようにしていた。
「さ、見せてもらうわ。基本的な動作を見せてもらった後は演目とかあれば見せてちょうだい。」
「ええ。お願いします。」
そうして山田さんは上に来ていた服を脱いで下に着こんでいたトレーニングウェアになる。
カレンが指示する基本的な動作をこなし、劇場で踊っていたという演目を踊ってくれた。
もちろん脱ぎは無しだ。
だが、煽情的な演目だった。これ以上は言うことが出来ない・・・。
明美ちゃんは笑っていたが、真剣な目で山田さんを見ていたカレンが横目で俺を睨んでいたので・・・。
演技が終わって山田さんがポールから戻ってきた。
「で、どうかな?」
「ええ、採用よ。細かいところとか、独学な部分を直しさえすれば問題ないわ。
正社員で雇用で構わないかしら?」
「ええ、私もそのつもりだったし問題ないわ。和樹くんは?」
「ああ、問題ない。」
「え、いいの? 私、足洗っちゃって。」
「当たり前でしょ。ようやく借金を返し終わって、お母さんの治療費を稼ぎたいんでしょ?
なら、地に足を付けた、身に着けたスキルで身を立て直す方がいいわ。
もう二度と変な男に引っかかって貢いだりしちゃだめよ。
住む場所はウチの寮を用意しているからそこでしっかりと生活しなさい。」
「うん、明美さんの言う通りにするよ。もうあんなのは懲り懲りよ。」
なんだか昔からの知り合いのようでフランクな口調で明美ちゃんが話している。
「なら、これから時間があるかしら由紀恵。早速、動きの修正をしたいのと、私がリハビリ中でできない動作のフォローのすり合わせをしたいの。」
「いいですよ。」
「決まりね。明美、和樹と話があるんでしょ? 下の事務所で話をしてきたら?
終わったら声を掛けてちょうだい。」
「ごめんなさいね、カレン。」
「あとでな。」
俺と明美ちゃんは下の事務所・・・といっても、現在は様々な物の物置であとは簡単なテーブルしかない部屋で話を始める。
「ごめんなさいね。ちょっと厄介な話かもしれなくてね。」
「まあ、話は聞くし、出来ることはするよ。
最初は、この子も俺の家でなんて言われるのかと思ったよ。」
「まさか、そんなことできるわけないわ。
下手したら獅子身中の虫になってそれこそ取り返しがつかないわ。」
「?」
「いいの、あの子たちの中に由紀恵ちゃんは入れないってことよ。
で、問題なのがね・・・。」
明美ちゃんの話をまとめるとこうだ。
山田さん明美ちゃんが昔働いていた店の先輩の娘さんで、お母さんに憧れてクラブに就職したが悪い男に惚れこんで、というか騙されて借金まみれになってストリップ劇場に身を墜としていた。
そこでは学生時代に習っていたダンスを活かしてポールダンスも身に着けて借金を最近返し終わった。
だけど、お母さんがガンになって高額の治療費が必要になって、安心して働ける場所がないかって昔から付き合いのあった明美ちゃんに相談してきたという事らしい。
ここまではわかる。だけど、ここから先の話が問題だった。
彼女をだまして貢がせていた悪い男だ。
こいつは歌舞伎町でも相当名の知れた悪で、背後には九州の方にある大きな危ない組織があると言われている、という公然の秘密だと明美ちゃんが言っていたが、そういう事らしい。
うちもこういう商売柄、この手の話が関わることがあったが、すべて親父さんの権力で防いでもらったり握りつぶしてもらっていたから関係がなかった。
だが、今回はそうもいかないらしい。
その男自体、警察にマークされていて自由に身動きが出来る状態ではないらしいが未だ山田さんに未練というか利用価値を見出しているようなので、念のため警戒しておいた方がいい。
特に彼女との付き合いのある人間はという事らしい。
明美ちゃんと山田さんは親父さん選りすぐりの屈強な管理人のいる会社の借り上げマンションに住んでいるので問題がないが、カレンと俺、そして一緒に住んでいるみんなはそうはいかない。
警察は事後でしか動けないのでここは自警するしかない。
「・・・。今回は私の私情で問題に巻き込んで本当にごめんなさい。」
「いいって。みんなお互い様だよ。
まあ、ウチもそれなりの警備は敷いているから問題ないとは思うけどみんなには注意してもらうように伝えておくし、それなりの防犯グッズを渡しておくよ。事務所の電磁スティックも何本かもらっておくよ。」
気を付けることに越したことはないからね。
その後、これは大当たりした。
そして、様々な物事を巻き込んだ話になっていくとは思いもよらなかった・・・。
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頑張れる気がします。
新連載をはじめました。
こっちがメインなので更新は遅いですが見ていただけると幸いです。
リンクの貼り方がわからないので作者ページから見ていただけるとありがたいです涙




