第二話 カレンとデート~車を買いました~
俺は雑誌に出ていた車を買おうと決意をした。
もちろんお金のことは何の心配もないので、決めたら即行動。
今、この家で免許を持っていて自分で使う車がないのがカレンだ。
ちょうど、今回はアメリカ車を買おうと思っているのでカレンに現地の流行とかを聞きつつ買ってみてもいいだろう。
そう思い、夜、ガレージで飲みながらリハビリをしていたカレンに聞いてみる。
「なあ、カレン。」
「どうしたの和樹。こんな時間にここに来るなんて。私はいたって元気よ?」
「今日はそっちじゃない。近いうちに時間が空いている時はあるか?」
「急にどうしたの?何か問題でもあった?」
「いや、ちょっと二人で出掛けたいと思ってさ。」
「!! いいわよ。・・・そうね。明後日の午後からなら空いているわ。」
「なら、付き合ってくれ。カレンの意見も聞きたいんだ。」
「一体どうしたのよ。」
「アメ車を買おうと思ってな。一応、カレンだけ自由に使える車がないだろ?
だったら丁度欲しいのがあったから買おうと思って。」
「別にいいのよ。ここは日本で公共交通がここは発達しているんだから。維持費だってバカにはならないでしょ。」
「お金は関係ないさ。もちろん交通機関を使うのが一番だけど、カレンは忙しいからね。タイムイズマネー。」
「ふふっ。なら、ウンと高いのを選ばせてもらうんだから!」
「まかせなさい!!」
最近気が付いたんだが、結構二人でいるとカレンは子供っぽいところがあると思う。
普段はクールビューティーなのに、ここではちょっとしたことで一喜一憂して、喜んだりむくれたりしている。
そうして、明後日のお昼。
午前で講義が終わった茉莉ちゃんとカレンが帰宅をして、茉莉ちゃんとカレンが作ってくれたタラモサンドを食べてコーヒーを飲んでいる。
カレンは何やら準備があるって、二階へ行っている。
「ねえ、和にい。今日はお昼からカレンさんとどこか行くの?」
「ああ、ちょっと二人で必要な買い物にな。」
「そうなんだ。今日はやけに朝からカレンさんが上機嫌で、お化粧も結構気合が入っていたから。」
「そうなの? 全然気が付かなかったよ。」
「・・・。和にいのバカ。」
「? え。」
「ばかばかばか!」
「どうしたんだい茉莉ちゃん!?」
「いいの!!むー!」
いきなりむくれて怒りだし、ポカポカと俺の胸板を叩き出す。
昔からヘソを曲げた茉莉ちゃんはこうだった。
「どうしたんだい、茉莉ちゃん。」
「知らない!!」
「ごめん!!本当にわからない!教えて欲しい!」
「和にいは知らなくていいの!
・・・なら、私ともお買い物に付き合ってくれたら許してあげる。」
「? お安い御用だよ?何でも買ってあげるよ。」
「ただし!!私と二人っきりだよ!」
「うん。わかった。」
「なら、許してあげる。約束だよ!今度、私の時間が空いている時にいっぱい楽しませてもらうもん!」
「そうしようね。」
「うん、楽しみにしているんだから!」
昔からこんな感じだったな。
亜咲と二人で遊びに街に行くって言ったら茉莉ちゃんがむくれて俺に次は私もってせがんで、亜咲には楽しんできてねって言っていたな。
結局、茉莉ちゃんと楓ちゃんを連れて亜咲と遊びにつれて行かされてたっけ。
そうこうしているとカレンが二階から降りてきた。
いつもはシンプルにおしゃれだが、さらに今回はおしゃれをしている。
「お待たせ。和樹、行きましょう。
茉莉、ごめんね。今度、和樹とのデートの時は代返とか手伝うから、一日中楽しんできて。」
「!! う~。カレンさん、それはズルいよ~。
じゃあ、お願い。今日はうんと楽しんできてね!」
「ええ、そうさせてもらうわ。」
「夕ごはんも二人で食べてきたらいいよ。」
「・・・また、ハードルをあげてくるわね。茉莉。」
「えへっ。だから、今度はいっぱい楽しませてもらいます!!」
「二人とも、どうしたの?」
「和にいは気にしないで!女の子の秘密のお話だから。」
「そうよ、和樹。野暮なこと言わないの。
さっ、行きましょう。」
俺とカレンは上機嫌の茉莉ちゃんに送り出され、オープンカーにしたセダンで都心にあるディーラーに向かう。
高速で向かっている途中の車内でカレンが聞いてくる。
「そう言えば、和樹。みんなに車を買うってちゃんと話しているの?」
「いや、全然。問題ないでしょ。」
カレンが頭を抱える。
「あなた・・・。車を買うって、普通は同居している女の子にはちゃんと伝えておくべきよ。」
「なんで?別に俺からしたら、はした金だよ。」
「・・・。和樹、あなた意外と金銭感覚が趣味に関してはマヒしているわね。」
「・・・。自覚は、ある。」
「亜咲さんが思いやられるわ。この車だって、私とおんなじ顔をしていたんじゃない?」
「そう言えば、そうかも。」
「・・・・・・。もう毒を食らわば皿までの気持ちよ・・・。
女の子はいろいろとお金を気にするものなのよ。」
「? ごめん。」
「いいの。その代わりちゃんと今日は最後までエスコートして。」
「ああ、夕飯もお気に入りのレストランに連れて行ってやるよ。」
ディーラーに到着した俺たちは店員に迎え入れられる。
「大木様ですね。お待ちしておりました。」
店員に迎え入れられ、車などを案内される。
今回、俺が購入を決めた車は話題のアメリカの電気自動車だ。
カレンは俺がこのブランドのディーラーに着いて、納得顔をしていた。
そうして、店員を交えて商談を始める。
「奥様でいらっしゃいますでしょうか?」
「いえ、下宿人なんです。」
カレンはそう尋ねられると、顔を真っ赤にして答えていた。
まあ、下宿人は恥ずかしいよね。
そんなこんなで、やけに上機嫌のカレンが説明を聞きながら車種を絞っていく。
あちらの売れ筋とカラー、装備は大学とかベガスで見ているので店員が質問して勉強しているくらいだった。
そして、カレンはカラーと装備を決めながら、オープンカーとガルウイングタイプのセダンタイプに絞った。
「あとは和樹が決めてくれたらいいわ。私の意見はここまでよ。」
「ありがとう。カレン。」
「いま、見積もりをもってきます。」
「いいわ。即金で今決めるから。待っていてちょうだい。
さ、和樹。」
カレンの言葉に押された店員を待たせて俺は決めた。
「・・・。セダンで。支払いは小切手か振込一括で。」
そうして、店長やら役員が来て歓待されながら小切手で支払いをして、納車日も急いでくれるとのことだった。
記念に割と高いシャンパンをもらってしまった。
良く考えると、ほぼフル装備フルサポートだもんね。しかも現地の人間の評判とかをみっちり聞けたからね。
店員総出で見送られ俺たちは店を後にした。
「すまんな。いろいろとサポートしてもらって。」
「いいの。私は楽しい買い物が出来て満足よ。
一つ聞かせて、セダンにした理由。」
「ああ、ガルウイングがカッコよかったから。」
「・・・。でしょうね。
で、ホントのところは?」
「綾瀬君の火事の時にオープンカーで飛ばして風邪をひいた。だから、風邪を引いてほしくなくて。」
「・・・。私のことを考えてってことにしておくわ。ありがとう。」
そうして、俺たちは俺のお気に入りの銀座の寿司を食べて帰宅した。
まさか、その後に茉莉ちゃんと楓ちゃん、綾瀬君の大目玉を食らってみんなそれぞれとデートをすることになるとは思いもよらなかった。
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