第五話 日本での大学生活 一日目
カレンが来て数日が過ぎた。
注文していた家具やポールが届いてきたので、カレンは和室から二階の部屋に移っていた。
最初にポールが来たので部屋に設置したので少し彼女がポールダンスをみんなに見せてくれた。
とても妖艶で、動きも躍動的で素晴らしかった。ホント常見が見つけられてのが奇蹟だ。
その後、茉莉ちゃん、楓ちゃん、綾瀬君の三人が挑戦させてもらっていたが、結果は散々なものであった。
「~~!体の使っていない筋肉が伸びる~!」
顔を真っ赤にしてしがみついてポーズを取ろうとするがどうやら使っていない筋肉が伸びているようでプルプルしている茉莉ちゃん。明日は筋肉痛に苦しみそうだった。
「・・・・・・。」
どす・・・。
楓ちゃんはバランスを取れずポールからずり落ちていた。
そう言えば楓ちゃんは昔から運動が不得意だったよな。
「うーん。大木さん。どう?」
綾瀬君はカレンに教えてもらったポーズをなんなく決めている。外国系の血が為させているのだろうか。
しかし、カレンのような妖艶さ、美しさは全く感じられなかった。
「みんな最初はそう。私だって直ぐにできたわけじゃないから。時間があったらまた教えてあげるわ。」
「カレンさん、またお願い。最近運動不足だったし。」
「・・・。私は見る専門。」
「大木さんの悲しい目を驚きの目にしてやる~!」
そんなことがありつつ、カレンは日中PCを開いて新規展開する事業の計画を立てていた。
俺も日本の法律や商慣例などについて聞かれたことを応えたりして手伝う日が続いていた。
そしてようやく親父さんと明美ちゃんから、大学と保険、病院の準備が整ったの連絡があり、カレンを連れて事務所に出向いて保険証の受け取りを行った。
翌日は茉莉ちゃんが大学が午前の日だったので、茉莉ちゃんと一緒に大学に行きカレンの聴講手続きと附属病院での検査を行うことにした。
朝、車で行こうとするとカレンが茉莉ちゃんに運転を替わってくれと言ってきた。
「茉莉、運転を替わってくれる?これから通うところだし道を知っておきたいから。」
「え、でもカレンさん車の免許は?」
「大丈夫よ、国際ライセンスを持っているわ。もちろん日本国内の運転は十八の時からしているから問題ないわよ?なんならMTの方でもいいわよ?」
「カレンさんMTも運転できるの?私なんてエンストばかりでやっとのことで試験を通してもらたの。」
「日本のおじいちゃんがMTの軽トラに乗っていたからね。大丈夫。」
そんなことを言ってライセンスを俺に見せてくる。間違いなく俺と同じ国際ライセンスだ。
俺も世界一周クルーズに行くときに亜咲と一緒に国際免許にしている。
カレンは車に乗り込んで道案内の茉莉ちゃんを助手席に、俺を後部座席に乗せ軽快に走り出す。
茉莉ちゃんは車の流れが比較的少なくて大きな道を選んで学校に行っているようだった。
カレンの軽快な運転で大学に着いて、茉莉ちゃんは講義が終わったら合流することにして俺たちは学生課に向かうことにした。
一応、俺が関係者としてある程度顔が利くので案内しろと親父さんから言われていた。
学生課でエール大と欧女大学部の規定の書類に目を通しサインをして、学内生活の規定などを説明してもらってから学生証を発行してもらう。
あとは留学希望者に関する件に関しての説明を担当者から聞いて、毎週一回は午前か午後に相談会を開くことで決まった。
その後、時間があったのでここの図書館に行きたいと言ってきたので案内した。
「日本の大学はアメリカの大学と違って小さいわ。寮があったりしてとても大きかったから。
図書館もこんなサイズが何個も入るわよ?」
そりゃ、寮生活が普通の海外の大学、しかも天下の有名私立大と比べられたらそうだよね。
でも、そんなことを言いつつ気に入ったのか早速、経済、経営関係の英語の本と日本語の本を貸し出し限界まで借りていた。
茉莉ちゃんとの約束の時間に近づいてきたのでベンチで読書をしていたカレンに声を掛けて待ち合わせの場所に向かう。
「あ!和にい!!」
「大木さん、こんにちは。」
待ち合わせの場所には茉莉ちゃんと百合子君がいた。
講義が少し早く終わったようだ。
「こんにちは。茉莉の友達の経済学部の山本 百合子と言います。」
「特別聴講生のカレン・最上・ダニエルよ。私も経営が専攻なの。いろいろと講義の話も聞かせて欲しいわ。よろしく百合子。」
百合子君と握手を交わす。
それから学食で食事をしようということで学食に向かう。ここでも日本の学食に驚いていた。
なんでもビュッフェ形式が多かったので、定食を頼んで食べる形式が珍しいらしい。
カレンは百合子君に講義の話を聞くなどして意気投合していたようだった。
茉莉ちゃんは文学部なので経営経済関係の講義の話が詳しく聞けなかったので詳しく聞いている。
食事の後は、茉莉ちゃんも合流して附属病院で検査を受けに行くことになっている。
「で、なんで百合子君もついてきているんだ?」
「私も部活の怪我のリハビリで附属病院の外科に行っているんですよ。
カレンさんも靭帯なら、多分同じ先生だと思います。」
そうであるなら、いいカレンの相談相手に茉莉ちゃんと一緒になってくれるだろう。
茉莉ちゃんが俺に耳打ちして教えてくれる。
「百合子ちゃんも同じ奨学生って言っていたでしょ。私は学業と学校推薦の奨学生で、百合子ちゃんは陸上のスポーツ推薦の奨学生なの。去年、最後のインターハイで結果を残して推薦と奨学生を決めたんだけど、その時に無理がたたって靭帯を損傷していたの。補助杖無しで歩けるようになったのはつい最近なの。」
何かスポーツをしていたのは見て感じていたが、そんなことがあったのか。
猶更カレンのことが放っておけないのだろう。
カレンの検査が終わるまで茉莉ちゃんと百合子君のリハビリを見せてもらう。
これからカレンもこれに長い期間立ち向かわなければならない。
周りのリハビリしている人を見ていると皆、相当の苦労をしているようだ。
カレンが結果を聞きに行くと呼びに来たので、茉莉ちゃんと百合子君を待合室に待たせて俺も同行する。
親父さんが紹介してくれた先生から結果を聞く。
内容はこうだった。
靭帯の損傷がひどく、現在無理をしなければ日常生活は出来る。
だが、競技を続けていくには修復手術を受け、長いリハビリが必要。しかも完全に回復する保証はない。
凡その見込みで一年前後は掛かる。
顔色を一つも変えずに二つ返事で即答したカレンは最短で手術が出来る日を確認していた。
手術自体は直ぐに終わり、入院も数日で済む。ただし、それからのリハビリが重要で、これがとにかく苦難の道だと聞いていたが彼女は乗り越えてみせると意気込んでいた。
戻った俺たちは茉莉ちゃんと合流し、トレーニングがある百合子君と別れて帰りもカレンの運転で帰路に就いた。
カレンは何一つ顔色を変えずにいたので、俺は大丈夫だろうと思っていた。
だが、すぐにそれは思い違いだったと思い知ることになった。
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