装備の説明
本日もよろしくお願いします!!
新しい装備開発という名のデスマーチが終えた翌日。
俺は創華の店の作業場にて新装備の説明を受けることとなった。
一応、装備の開発の助手を務めたものの、俺には創華が何を作っているかなんてわからなかった。それだけ高度なことを彼女はしていた証拠である。
「まずは、この子とこの子」
そう言って創華が手に取ったのは俺たちのメイン武器であるD.arm'sアサルトだった。
それともう一つ。拳銃型のD.arm'sだ。
「この子の名前はD.arm'sアサルトMarkⅡ。こっちはD.arm'sピストル」
D.arm'sMarkⅡはD.arm'sアサルトを進化させたものだ。
銃身の素材はダンジョン産であるダンジョンチタンと希少鉱石の一つであるミスリルの合金を使用している。
始めはダンジョン鋼の上位素材であるダンジョンチタンのみで作製したのだが、【魔力回路Lv.1】が【魔力回路Lv.2】にレベルアップしたことにより、回路に流れる魔力が増加した為か脆くなってしまいボツとなった。だが、創華さんはすぐにそれを見抜き、ダンジョンチタンに魔力と相性の良いミスリルを混ぜることによって、この問題をクリア。
性能は言うまでもなく向上した。
回路に流れる魔力が多くなったことにより、銃弾に使用するマジックパウダーに使用する魔石がDランク級で事足りるようになり銃弾にかかるコストが激減。だがそれだけでは終わらない。これまで同様のCランク級の魔石を使用した場合、威力が約5倍にまで向上したのだ。そして、弾丸に使用する素材もダンジョンチタンに変更し、貫通力が増した。
コスパの面を考え普段はDランク級魔石のマジックパウダーを使用した弾を使うことになるだろう。
もし、これが通用しない魔物が現れればCランク級魔石の弾丸で対処すればいいだけの話だ。
素材の変更により強度の面も向上しているのは言うまでもないな。
そして、D.arm'sピストル。
これは、D.arm'sアサルト同じ原理を利用した、拳銃型のD.arm'sだ。
原理は同じであるため連射速度は変わらないが、装弾数も八発と少なく、弾も小さいため威力もD.arm'sアサルトより低い。
これは、メイン武器を失ったときの弱体化防止への対策という面が大きいため、そこは問題ではない。
狭いところでは案外活躍するかもしれない。
「次にこの子」
D.arm'sアサルトMarkⅡとD.arm'sピストルの説明の次に手に取ったのは球状のD.arm's。
見た目は黒い球で中心には白い四角のマークがついている。野球ボールほどの大きさだ。
「名前はD.arm'sボム」
名前を聞いただけでそれが何かる。爆弾だ。
だが、導火線のようなものは見当たらない。
「この白い四角のマークをカチッとなるまで押すと安全装置が外れる。あとは強い衝撃を当てるだけ。安全装置も並の力では押せないようにしてある」
「なるほど、よくできてる」
どうやら落としたくらいでは爆発しないらしい。
そりゃそうだ。簡単に爆発されたら持ち歩くことすらできない。
そして、D.arm'sボムの構造は凄いシンプルだ。
ダンジョンチタンとミスリル合金でできた球体にスイッチが付いていて、中身にはCランク級魔石一つ分のマジックパウダーが詰まっている。
スイッチを押した状態で強い衝撃を加えると【魔力回路Lv.2】の命令により、内部のマジックパウダーに火の魔力が通り爆発するというものだ。
ただ、これ一つでかかる費用はは5万円を超える。ミスリルのグラム単価が1万2000円で3グラムも使用しているのだから仕方がない。
威力は認可をとる際に検証する予定で今のところは未知数だ。。
……あまりいい話ではないが、ダンジョンが現れた当初に氾濫に対抗するすべが無い小国では【火魔法】のスキル持ちによる魔石を持っての特攻などが行われていた。火の魔力を魔石に込めながら魔物への捨て身。魔石の爆発を利用した人間爆弾だ。
記録によるとCランクの魔石ではCランクの魔物を一撃で屠り、Bランクの魔物にある程度のダメージが期待できたそうだ。
今では世界中の冒険者の質もあがり、隣国同士での助け合いも増えたことにより、命を懸けた攻撃を使わずとも氾濫に対処できている。
この記録からわかる通り威力には相当期待していいだろう。
「武器は以上。続いて防具」
創華はそう言って大きめのアタッシュケースを取り出す。
「今回の開発過程で【鍛冶Lv.1】も【鍛冶Lv.3】にでは成長した。それによって扱える素材が大幅に増えた。機能も前回のものより向上し、デザインも一新した」
そして、アタッシュケースを開く。
「おおお!!かっけぇええ!!!!」
「ふふん」
中に入っていたのは軍服だった。
見た目はポーランドの軍服に近く、色は黒。左肩にかかる外套がこれまたかっこいい。
男心をくすぐる良い品だ。
「見た目だけじゃない」
自慢げにいい、D.arm'sピストルを同じ素材でできているであろう布に向ける。
そして、発砲。
「貫通していない!?」
「そう。もともとの素材の強度もつよい。そして、それ以上にある仕掛けが施されてる」
素材はキラースパイダーの糸を使用している。
Cランクの蜘蛛型のキラースパイダーという魔物から低確率でドロップする糸であり、頑丈で物理攻撃耐性中と魔法攻撃耐性小の効果がある。
C~Bランク冒険者の装備の大半にはこの素材が使われていたりする優秀な素材だ。
その優秀な素材で作った生地をふんだんに使用した軍服なわけだが、いくらなんでも創華の撃った銃弾が貫通しないというのはありえないことだ。
そう。この布に施したある仕掛けというものが、頑丈さの秘訣なのだ。
「布には衝撃をうけると【魔力回路Lv.2】による『動かす』という命令が施してある。この時に『動く』のは衝撃を与えることになった攻撃。攻撃による衝撃が逆の方向に『動く』そんな命令」
頑丈さの秘訣の説明どうも。
まぁ、これだけを聞くと、衝撃が逆の方向に動くのなら一切のダメージは受けないのでは?と思うかもしれない。現に俺も思った。
だがそんなことはないらしい。
創華曰く、この『動かす』という命令も絶対ではない。動かす力より、それを遮る力が強いと押し負てしまうそうだ。
だが、威力をだいぶ削ぐことができるらしい。
もともと頑丈で物理攻撃力耐性がついているうえに、威力が伝わる前にその威力をだいぶ削いでしまう布。
いやはや、とんでもないものを作ってしまったのではないだろうか?
しかも、軍服の下に着るワイシャツなどにも同じ生地を使用している為、更に衝撃をそいでしまう。
今なら赤毛のボスオークの攻撃も耐えれる可能性があるのではないだろうか?
加えて、外套には赤い色のファーがついているのだが、これはあの赤毛のオークが落とした毛皮である。これにより軍服事態に再生能力が付与された。これにより、バラバラに引き裂かれない限りは破れても元の状態に直るという完璧な防具となった。
これで新装備の説明は以上。
武器防具ともに大幅強化されたことに満足し、創華を信じてよかったといえる結果となった。
「ありがとう、創華。これからも一緒に頑張ろう」
「うん」
照れながらそっぽを向く創華に苦笑いし、今回の装備開発は無事に成功で終わったのだった。
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