表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/331

昔、私も同じ突っ込みをした

おはようございます。第83話投稿させて頂きます。

評価ポイント・ブックマークありがとうございます。励みになります。

楽しんで頂けたら幸いです。

「なあ?コユキ、此処ってダンジョンの最深部だよな?」


 カルルカを出てから約4時間が経ち私達は現在フルニカ王国のダンジョン最深部に居る。

 4人でさっくりとボス部屋の魔物を倒し、そこから一つ進んだ小さな小部屋がこのダンジョンの最深部だ。

 ダンジョンは女神の御業によって作られたと言われていて各国にいくつか確認されている。一度走破しても少し経てば中の魔物やボス、宝物などが復活する事から冒険者の貴重な収入源になっているらしい。

 何で魔物や宝物が復活するのかは未だに不明らしい。要はその辺の分からない所も含めて女神を崇める理由にしているらしい。

 まぁ、私は崇めないんだけどね。

 さて、話を戻そう数あるダンジョンの中でも小さくあまり危険でないこのダンジョンの最深部には血の様に赤い菱形の宝石が浮かんでいる。ダンジョンコアと呼ばれるその石はその名の通りダンジョンの中核で俗に言うダンジョンは生きているという言葉の元凶だ。その石は、破壊すれば豊富な経験値等が得られると言われているがそれと同時にダンジョンが消滅する事が確認されてから国やギルドの間で破壊禁止の法律が制定されたらしい。

 まぁ、私達が生まれるウン百年も前の事なので詳しくは知らないけどね。


「うん、そうだよ」


 狗神君の質問に答えながら私はダンジョンコアに触れ魔力を流してやる。すると鮮やかな赤色で床に魔法陣が浮かび上がる。狗神君の肩の上でいち早く危険を察知した月夜がすごい形相で両前足で彼の肩を連打で叩く。

 フッ、もう遅い・・・

 月夜を見ながら魔力の充填が完了する。すると、パカッっと音がしたかと思うと私達が立っていた床が開き底の見えない穴が開く。


「「「え゛?」」」


 いきなりの事に驚く三人と一緒に落下していく。


「「きゃああああああああああ‼‼‼‼」」

「転移じゃなくて床が開いて落ちるのかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」


 リルとマカさんの悲鳴と狗神君の突っ込みが響くのと同時に開いた床がパタンと戻り、あたりが暗くなる。


「《オクタ・グラビティオペレイト》」


 落下中に魔法を使い重力を操作し、落下のスピードを穏やかな物にし、地面に降り立つ。

 実はこの隠しダンジョン最初のこのトラップでの死亡率が一番高いんだよね・・・


「し、死ぬかと思った・・・」


 床にぺたんと座りながらリルが呟く。

 ・・・いや、まぁ、死ぬかと思ったというか何もしなければ死んでいたんだけどね。


「落ちるなら事前に言って欲しかった・・・マジで肝が冷えた・・・」


 恨みがましく言う狗神君に私は笑いながら口を開く。


「いや~、本当は私が何も行動せずに不測の事態にどう対応するかを見ようと思ったんだけど確実に死ぬからやめたんだよね。てか、月夜が警告してたよ~」


 私がサラッとそんな事を言うと狗神君は「ハードモードにも程がある」っと項垂れた。

 私はまだ優しい方だと思うけどなぁ・・・


「さて、じゃあ、これからする事を改めて説明しようか。まず、このダンジョンは前にも言った様に構造自体はさっきまで通っていた『表』と一緒で地下三階まである。魔物の強さは『表』と比べると遥かに強くなっている。ボスを倒してダンジョンコアのある部屋にある宝箱からある素材を入手出来たら試験はクリアー。2日休息した後で黄昏の国に戻るよ」


 私の再度の説明に三人が頷く。


「あと、今回は、私は同行しないでネージュが同行するよ。ネージュが危険と判断して介入したらその時点で試験は終了、皆にはフェルシア王国に残ってもらうね。それと三人には一人三枚ずつこの守りの呪符を配っておくよ。一枚につき一回攻撃を弾いてくれる特性が有るからね。使い切らない様に気を付けてね。期間は2週間、2週間以上掛かっても失格になるから気を付けてね」


 私がそう言って懐に手を入れるのと同時にネージュが翼を広げて飛びリルの肩に停まる。

 それを見ながら8年で改良を重ねた呪符を三人に配る。

 さて、質問等は無さそうだし、最後に脱出の説明だけして私はそろそろ行こうかな?

 懐からさらに紙を取り出し、口を開くこちらは毎度お馴染みの転移陣だ。まぁ、これは少し細工のしてある使い捨てようだけど


「じゃあ、私はそろそろ行くけど帰りは私の使ったこの転移魔法陣を使うと良いよ。最後の宝箱部屋に地上へ戻るための隠し階段が有るんだけど階段が長すぎるうえに出る場所がダンジョンコアの部屋という面倒くさい仕様になっているからこれを使えばリコリス商会フェルシア支店の隠し部屋に行くことが出来るからお店で落ち合おう」


 そう言いながら魔法陣の描かれた紙を地面に置くとマカさんが疑問に思ったのか顔を顰めながら口を開く。


「でも、コユキさん。私達が使った後、この転移魔法陣が置き去りになってしまいますけどそれはあまり喜ばしい事ではないのではないですか?」

「うん、出来るなら転移魔法陣は残しておきたくないね。この転移魔法陣にはちょっとした細工がしてあるんだ。これは2回使うと自動で消滅する様に作って有るから今から私が使って一回、皆がここから出るのに使って2回でここには何も残らなくなるよ。あと、お店に出たらこれで私に連絡してくれるかな?」

「あ、はい、わかりました」


 マカさんの質問に答えながら連絡用の魔道具を渡し使い方を教える。二週間分の食料等は渡してあるし、もう大丈夫かな?


「じゃあ、私はそろそろ行くけど何か聞きたい事は有る?」


 私の言葉に三人は首を振る。うん、大丈夫そうだね。


「それじゃあ、2週間後にまた会おう。ネージュ、皆を頼んだよ」

「あい、主‼」


 ネージュの元気の良い返事を聞き私は転移陣を発動させる。


「じゃあ、みんな頑張ってね」


 その言葉を最後に私はリコリス商会フェルシア支店に転移をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ