ボランティア
意図的な悪、無意識な悪。
どこか気分が悪い話です。
~車内~
杉田「同じ班になりました、杉田といいます。宜しくお願いします。」
萩本「荻本です。こちらこそ宜しくね。杉田くんは学生さん?」
杉田「はい、大学3回生です。」
萩本「へぇ~、若いのに偉いねぇ。ボランティアなんて。」
杉田「いえ、そんなことないですよ。」
萩本「うちは大雨が降ると、すぐ河川が氾濫して浸水被害を受けるんだよ。去年も同じ時分に浸水してるしね。困ったもんだよ。杉田くんは他にもボランティア経験ある?」
杉田「いえ、今回が初めてです。ただ、テレビでこの地域の被害状況を見て、いても立ってもいられなくなって・・・何か自分自身やれることがあるはずだと思って、今回参加することにしました。」
萩本「 ・・いや~、うちとしてはありがたいよ。去年も大勢の人がボランティアとしてきてくれたけど、それでも人手不足だったからね。学生さんも被害のたびに入れ替わって、結構来てくれるし、感心感心。ははっ。杉田くんはどこ出身なの?」
杉田「大阪です。」
萩本「 へぇ~、じゃあ大学も関西の大学?」
杉田「はい、そうです。」
萩本「あまり訛りが無くて分からなかったなぁ。じゃあ今日は泊りがけで?」
杉田「はい。近くのホテルを予約してます。」
萩本「 旅費も結構するでしょ。関西からだもんね。」
杉田「そこそこしました。でもまあ、仕方ないことですよ。」
萩本「 一人で来たの?」
杉田「いえ、大学の友達と3人で来ました。こういうのは、多ければ多いほど良いですよね。」
萩本「 ・・うん、うちとしては助かるよ。 そう言えば、去年は大阪の方でも台風の影響で大きな被害があったみたいだね。台風がうちに流れてきた時はだいぶ小さくなってたけど、それでも浸水家屋が結構多かったんだ。そっちも大変だったでしょうに。」
杉田「う~ん、隣町なんかは被害大きかったみたいですけど、僕が住んでる地域は高台にあるので大丈夫でしたね。」
萩本「・・隣町はどんな状態だった?今のうちみたいな感じ?」
杉田「いや~、僕は現地に行ってないのでどんな状態だったのか分からないんですよ。たぶん、同じような状態だったと思いますけど。」
萩本「・・そっかぁ。・・まあでも、杉田君ところは無事で何よりだったね。杉田君、大学3回生だったよね。あと1年で卒業じゃない?早いもんでしょ。」
杉田「そうですね。暇を弄んでたらいつの間にかって感じです。」
萩本「 今は就活とかで大変でしょ?ほら、不景気も相まって。」
杉田「そうなんですよ。僕なんか、大学でだらけてたし、特に取り柄もなくて、正直困ってますね。」
萩本「 そんなことないでしょ。こうやってボランティアにも参加してるし。偉いじゃない?アピール出来るじゃない?」
杉田「そう思います?」
萩本「 うん。あ、そろそろ目的地に着く頃だね。先ずは、瓦礫の撤去からはいるけど、杉田くん、せっかくの良い服が汚れるよ。靴も。作業用の服余分に持ってきてるから貸してあげるし、着いたら着替えるといい。」
杉田「ありがとうございます。」
終わり




