008●体力勝負
洞窟を抜けた先に広がっていたのは、白い丘だった。
見晴らしがいい。目の前には、空へと伸びる階段が見える。
段差は不規則で、光が差し込むたびに色を変える。
「眩しいね、光の階段?」
さやちゃんが目を細める。階段は、まるで生きているかのように、ゆらゆらと揺れて見えた。
「なんか、簡単には登れない気がする。」
さやちゃんが足元を見つめる。階段の一段目に、風の結晶の光が当たる。
すると、階段が淡く光り、最初の段が安定した。
「やっぱり、これが鍵だったんだね」
「でも、次の段はまだ、動いてるよ。」
階段は、一定のリズムで上下に動いていた。
しかも、光によって色が変わる。やっぱり石碑がある。
赤:静止
緑:上昇
黄:下降
「タイミングを見て、踏むしかないね」
「ふたりで同時に踏まないと、次の段が出ないのよね。」
互いの呼吸を合わせながら、光の色を見てタイミングを計る。
緑になった瞬間、一歩を踏み出す。
「せーのっ!」
「今!」
段を踏むたびに、階段が新たな形に変化する。
時には螺旋状に、時には浮遊する足場に。
風の結晶が、ふたりの足元を守るように輝いていた。体力勝負だ。
うわっ、強い光が差し込み、視界が白く染まる。
「なっちゃん、何も見えない!」
「手、離さないで、さやちゃん!」
互いに手を握り返す。
光の中で、ふたりの影が重なり、階段が再び姿を現す。
最後の段をクリアし、たどり着いた。
空に浮かぶような広場だ。
真ん中に誰かいる。
「わたしはレオナルド、光の精霊だ。よくぞ、試練を越えた。光は、ふたりの絆を映す鏡。恐れず、信じ合う心が道を開いた。」
精霊は、ふたりに「光の羽根」をくれた。
それは、風の結晶と共鳴し、次なる世界線への鍵となるものだった。
「これで・・・次に進めるんだね。」
「うん。まだまだ冒険は続くってことよね。」
ふたりで、光の広場を後にした。
空の階段は、静かに消えていった。




