051●まだ、まだ奥の手
しまったあ!毎回、同じことを言っているようだが、それは、きっと気のせいだ。
4人とも、こんなろころに閉じ込められるとは!
「フッフッフ!あなたたちも、もうお終いね!その部屋は、徐々に真空状態になるの。みんな息ができなくなる。いえ、その前に、体液が沸騰してあの世行きね。さようなら、みなさん。せめて天国に行けるように祈ってあげる。」
くそっ!まだ、空気があるってことか、スピーカーから聞こえる、高笑い。
だが、もう、息が苦しくなってきた。
鼓膜が変だ、痛い。
体中の血液がざわつく感覚に襲われる。
「エイミー、ココア、まだ、聞こえるか!3人であの扉にアタックするぞ!」
だめだ!特殊合金か?!
俺たちのパワーでも、ビクともしない。
ジン、なんだ?手振り身振りしてる。どけって?指弾術?
いや、小石も水も、空気さえ十分じゃないんだぞ。
うっ、苦しい。酸素消費量が少ないエイミーも、膝をついている。
ココア、すまん、何とか脱出して、俺たちの最期を局長に伝えてくれ!
ドゴーン!!ドバー!
何だ?扉が粉々になってる?すごい風だ!膨大な空気が流れ込んでくる!
「それで、ジン、今度も何をやらかしたんだ?」
「指弾術ですよ。いつものパターンでしたね。」
「いや、弾くもの、何にもなかっただろう?空気弾さえ、無理な状態だったぞ。」
ジンが、いつもの穏やかな笑みを浮かべる。
「弾いたのは、空気ではありません。’気’です。気功弾ですよ。いつもうまくいくとは限らないんですが。いやあ、ついてる、運がよかったですね。最近、体調がいいのかな?」
「’気’って、あの、あれか?」
気は、生命や宇宙を構成する根源的なエネルギーだ。
古代から続く、伝統的な概念である。
この気を体内で巡らせることで、
心身の健康を増進させ、病気を予防・改善するとされる。
また、武術では、気の流れを意識することで、
より大きな力を生み出すことができると信じられている。
(Ming-Mei press 「気の正体」)
「ジン、戦力の出し惜しみはするな、って何度も言ってるじゃないか。」
「いえ、出し惜しみはしていません。あの状態になるまで、使う機会がなかっただけです。全然、出し惜しんでいません。絶対です。」
あんた、本当に頑固だよな。
「一応、念の為に聞いておくぞ。・・・奥の手って、まだまだ、あるのか?」
「まあ、それはそのうちに、ね。」
・・・やっぱり、まだ、あるんだな。うーん。




