048●抜刀
ルシファーが、トウケツキの首都中心部に到着した時、
大王ザーリフは、演説をしている最中であった。
ートウケツキ言語の翻訳機能、作動開始。
ルシファーは無数の聴衆の中で、それを聴く。
「ついに来たのだ!
伝説の敵、我等の始祖を追い出した、運命の惑星に報復する時が!
我等の前衛艦隊は、全滅した!なぜだ!
その命と引き換えに、
我々に崇高なる戦争目的を、今一度思い起こさせるためである!
我々はこの悲しみも痛みも、乗り越えなくてはならない!
彼ら彼女らの犠牲は、我等の宿願である報復の糧となるのだ!
失われた魂を無駄にはできない。
魂を受け継ぐもの、我が国民よ、立て!立てよ、国民!
我、ザーリフは、君たちの力を欲しているのだ!」
万雷の拍手が起きる中、ルシファーはその能力を発現させた。
・・・まるで、拍手がなかったかのように、静まり返る。
その場にいたものも、中継を見ていたものも、
誰もが信じられない威圧と脅威のオーラを感じている。
壇上のザーリフまでも、文字通り凍りついている。
ルシファーが剣を抜く。
アークエンジェルにのみ、所持が許されている、ロードと同質の’聖者の剣’、
その銘は「冥界」。
ルシファーは思う。
来たのだ、ついに。わたしの役目を果たす時。
命を奪わなければならない時。
これで解き放たれる訳ではない。むしろ、また一つ、背負う罪が増える。
だが、それはわたしでいい。他の誰でもない、わたしだ。
今日が、約束の日になるのだ。
突如、その場に多数の転移がある。
「・・・なぜ、来たのだ?見るだけということだったろうが。」
ルシファーが静かに問うた。
「だから、見るためだけに来た。あなたの勇姿を目に焼き付けるためにな。」
「手出しはせん。だが、わたしたちの感情は抑えさせてもらうぞ。」
「いいだろう。制限なしで暴発されては、かなわんからな。」
最小限の犠牲で制圧する。
それには相手のトップを倒すこと。
それが、ロードとルシファーの作戦の基本的戦術である。
アークエンジェルズと共に転送された別働隊の一員のエンジェル、
ALICE・FINE 1821は見た。
12人のアークエンジェルズが一斉に抜刀した!しかも、13人目のあの方まで!
’賢者の剣’とは、意味合いが違う!
力を増幅させるのではない!
制限しているのだ!
感情に、怒りに任せると、とんでもないことになると分かっておられるからだ!
だが、制限して、この威力なのか?!
無茶苦茶だ!
一体、これは!こんなことが!こんなことが!
うわぁ!!!!!!!!!!!!!




