035●幸せのためにあるべき姿とは & 036●目玉焼き
035●幸せのためにあるべき姿とは
子どもを大切にしない社会に、未来などあるはずがない
老人を敬わない社会に、誇るべき伝統など生まれるはずがない
社会で働く人々を支えない社会に、本当の繁栄など訪れるはずがない
理想の社会は、誰かが作ってくれるものではなくて
それぞれが自分事として 築き上げるものではないの?
くどいけどね。
036●目玉焼き
へえっ、今日の授業は多様性について。多様性って何?
「はい、みんな。今日はね、みんなちがって、みんないい、という話をします。」
先生がそう言って、質問を始めた。
「それじゃあね、みんなは目玉焼きに、何をかけて食べる?アレルギーの人は、おうちの人たちが、って考えてね。はい、君!」
「えっ、オレ?うーんと、そんなの醤油に決まってるよ。よく味があうもん。」
彼の答えにザワつきがある!手があがる。
「いや、待った!ソースでしょう!目玉焼きは絶対にソースだ!」
「伝統的醤油文化を大切にしよう。醤油は大豆から作られるんだぞ!」
「ソースは文明開化の象徴だ!近代日本の食文化には欠かせん!」
先生はニコニコと彼らの論争を見守っている。
ヒートアップしてきたねえ。でも、わたしは・・・
「はい、手が上がった。あなたはどう?」
「あの、わたしのうちでは、塩コショウです。」
いっちゃったあ!あれ、賛同者があるね。また、手があがる。
「うちでは、ケチャップです。」
「いや、マヨネーズもわすれちゃだめだよ!」
「なあんだと!醤油じゃなくて、マヨネーズ?!わからん!」
しばらく、とめどない議論となる。
「はい、はい、みんなありがとう。それじゃあ、ちょっと視点を変えてみるよ。目玉焼きはどこから食べてるの?」
「はあ〜い!もちろん、黄身からです!」
あれっ?違うな、うちと。また、ザワつきがある。
「いや、白身からだろ。黄身は残しておいて、食べるのがいいぞ!」
「そうだ、そうだ!残しておいて、ご飯にのせるんだ!」
「えっ、ご飯にのせる?そのまま、黄身をたべずに?」
「あれっ?うちだけ?」
「いやいや、ご飯にのせるに賛成!」
「同じ校区に住んで、同じ小学校を卒業したみんなでも、目玉焼き1つで違うんですよね。」
う〜ん、こんなに奥が深いのか、目玉焼きって。
「異なった文化をもつ人同士が接触すると、どうなるか。ある文化人類学者は70パーセントの確率で、争いになるって言ってます。」
えっ〜、それって高確率よね。
う〜ん、これは大変だ。目玉焼きだけでも、こんなに多様性があるんだね。
ましてや、文化が違えば、食生活や価値観、常識だって違う。
相手を尊重する気持ちがないと、たいへんなことになりそうよね。
「先生、あの、うちの食事が普通かどうか、みんなに聞いてみてもいいですか?」
「もちろん、どうぞ。」
ええっ!!ご飯に牛乳をかけてるの?今日一番のザワつきだあ!




