015●出会いと気づきで変わること
オレは荒れている。中学にあがる前に父さんを亡くした。
家の空気が変わった。
母さんは慣れない仕事に出るようになり、弟は泣き止まない。
今までと違う。心がささくれる。
中学生になって、環境も変わった。いままで6年生で最上級生だったのに、
また、一からやり直すのか。
2、3年生がエラそうにする。ああ、イヤだ、イヤだ。
おはよう、という代わりに誰かを殴る。
ちっともスッキリしないが、そうしないと居てもたってもいられない。
担任が何度も家庭訪問をする。大きなお世話だ。
でも、こいつ、武道の遣い手だ。筋力も強い。
春の体力測定で、コイツは懸垂の係だった。
途中で動きを止めながら、アゴはここまで出す、
とかいろいろストップモーションで説明するのに、息も上がらないなんて。
これで教科は英語って、ちがうだろ。体育やれよ。
怖えー!生徒指導室で叱られる。オレは常連だな。
担任が机を叩くと、割れたぞ!生徒用の机だ。分厚いぞ。
でも、なんでお互いに泣いてるんだ・・・。
3年がたつ。明日は卒業式だ。
体育大会、燃えたな。
クラスでの勉強会、仲間がいろいろ教えてくれた。女子には頭があがらん。
入学してくる小学生への学校紹介ビデオにも出た。
オレがごみ箱を焼却炉にもっていくときの、
照れた表情がよかった、とみんなが言う。
嫌だけど、嫌じゃない。
こいつらがいなければ、オレはどうなっていただろう。
・・・先生、ありがとう。がんばるよ。
オレはもう、ひとりじゃない。




