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第33話 7国最強の軍師「李牧」

秦王政(しんおうせい)が王位について9年が過ぎた。

呂不韋(りょふい)失脚の後、秦王政は独裁を強めた。

そろそろ、中華統一に乗り出すため、(ちょう)(こく)攻めから始めることにした。

(しん)の大将軍になった王翦(おうせん)は、兵20万。

趙国出身の楊端和(ようたんわ)羌瘣(きょうかい)にそれぞれ兵10万を率いて趙国へ攻め入った。

まず楊端和が首都、邯鄲(かんたん)近くの関所を落とし、そこに籠城して邯鄲から主力兵を呼び込み、そして空になった邯鄲に羌瘣が攻め込み、それを知った趙国兵が邯鄲に戻ろうとしたところを王翦の主力が追撃する計画だった。

だが、楊端和の関所落としまではうまくいったが、趙国兵は一兵も攻めてこなかった。

当然のことながら羌瘣が攻め込める状態ではない。

王翦率いる40万の兵は邯鄲を前にひと月も対峙することになった。

趙国の将軍、()(ぼく)はすべてを読んでいた。

李牧の存在を知った王翦は、食料を節約するため、30万の兵を秦へ帰した。

そして、趙国の重臣、(かく)(かい)と接触した。

「郭開殿。まずはこの財宝を受け取って下され、3代先まで食うに困らないはずだ。さらに重要な情報をお伝えしよう。あなた方の将軍李牧殿であるが、謀反の疑いがありますぞ。北の国境付近に20万の匈奴(きょうど)が集結しているのをご存じか? 我らが調べたところ、我が(しん)(こく)が撤退した頃合いをみて李牧殿が呼び寄せるつもりでいるのじゃ。そのことを(ちょう)(おう)にお伝えなされ。万一李牧殿に知られたら、秦国へ来なされ。重臣に向かえようぞ」

郭開はこの嘘を信じた。

さらに郭開の進言を受けた趙王も…… 李牧は処刑されてしまった。

李牧のいない趙軍は弱かった。

楊端和の誘いに乗って山岳地帯へ攻め込み全滅。

手薄にになった邯鄲に羌瘣が攻め込み、三日で落とした。

郭開は大手を振って王翦の前に現れたが、その場で切り捨てられた。

簡単に見方を裏切る奴は信用ならんと言うことらしい。


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