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失われた断片 ― 風の環 ―  作者: 半々月光
ビグトラス島編

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第82話――上へ続く風路――遥かなる熔城

>第82話ですーー!


今回は、


灰霧の上昇路から右上の補助通路へ入った

ハロ、マイノノ、ジパのお話です


目の前の異変から離れ、


さらに上へ向かう二人と一匹


けれど、


ここまでほとんど休むことなく進み続けてきた身体にも、


少しずつ疲れが現れ始めています


だから今回は、


戦いや追跡だけではなく、


ほんの少し立ち止まる時間も描きました


危険な場所にいるからこそ、


ずっと危険の話だけをしているわけではない


遠く離れた土地のこと


まだ見たことのない街のこと


そして、


普段ならなかなか聞くことのない

相手の昔のこと


そんな会話の中から、


これまでとは少し違う

ハロとマイノノの一面も見えてきます


第82話


「上へ続く風路――遥かなる熔城」


灰霧の先から少しずつ変わり始める風と共に、


二人と一匹の短い休息も

楽しんでもらえたら嬉しいですーー!


(人´∀`)。゜+

時刻:3670シヴン年12月25日 AM 08:06

場所:ビグトラス島・地下導風路上層・右上補助通路



 人の声を発する中型異獣から離れたあと、ハロ、マイノノ、ジパは一度も振り返らなかった。


 右上へ裂けた補助通路は、それまで進んでいた上昇路よりもさらに狭く、両側の岩壁が肩に触れそうなほど迫っていた。古い導風管が岩層から斜めに突き出し、途中で折れたものもあれば、崩れた風石に押し潰されて歪んだものもある。奥へ進むほど傾斜は強くなり、場所によっては、もはや道と呼べるものすら残っていなかった。


 あるのは傾いた岩肌と、砕けた石の間に半ば埋もれた古い整備階段だけだった。


 灰霧はまだ足元を這っている。


 だが、先ほどまでとは違った。


 膝下まで沈むほど濃くはなく、さらに上方から落ちてくる何らかの気流によって、絶えず薄く押し流されている。


 ハロは細い岩の裂け目の前で、ふと足を止めた。


 上方から冷たい風が吹き込み、湿った匂いが混じっている。長く閉ざされた地下に残る岩塵の匂いでもなければ、灰霧の中に漂っていた、あの不快な冷たさを伴う匂いでもない。


 雨に似ていた。


 ハロが顔を上げる。


「外の風か?」


 マイノノも足を止め、上から流れ落ちてくる気流へ手を伸ばした。


「まだ分からない。でも、さっきまでの流れとは違う」


 ハロは小さく舌打ちする。


「たまには『そうだ、外だ』って言い切れないのかよ」


「見えてから言う」


「お前、本当に話しにくいな」


 マイノノは答えず、そのまま再び上へ歩き始めた。


 ハロはその背中を一度見てから、結局あとを追った。


 肩の上では、ジパの晶羽が時折細かく震えている。先ほどまでのように何度も首を伸ばして辺りを窺うこともなく、今は静かに伏せていた。


 ここまで続いた戦闘と逃走で、ジパも相当に疲れているらしい。


 二人はさらに急な通路を上っていった。


 ハロは最初こそ無理に速度を保っていたが、しばらくすると歩調が目に見えて遅くなった。雷槍の石突きが何度か地面を擦り、低い音を響かせる。槍を握る右手には痺れが残り、肩には重い石でも載せられたような感覚があった。


 イランを追って地下へ入り、何度も戦闘を繰り返し、灰霧の中で小型異獣の襲撃を受け、つい先ほども中型異獣と正面からぶつかりかけた。


 まともに身体を休める時間など、一度もなかった。


 マイノノも決して余裕があるわけではない。呼吸は普段より明らかに重く、急な斜面を越えるたびに、無意識に岩壁へ手をついている。


 それでも通路が折れ曲がるたび、先に立ち止まり、灰霧と亀裂、そして異獣が潜んでいそうな影を一つずつ確かめていた。


 ハロはしばらく、その様子を見ていた。


「お前だって、相当へばってるだろ」


 マイノノが振り返る。


「お前も同じだろ」


「そんなに分かりやすいか?」


「かなり」


 ハロは、もう少しで地面を引きずりそうになっている雷槍へ目を落とし、二秒ほど黙った。


「……まあ、そうか」


 さらに少し進んだところで、前方の岩壁が内側へ窪んでいた。


 そこには小さな旧整備用の足場が残っている。片側の金属支柱はすでに折れ、二本の導風管が岩の間へ斜めに挟まっていたが、少なくとも地面だけは比較的平らだった。


 マイノノが先に中へ入り、後方を一度振り返る。灰霧に異常な動きがないことを確かめてから言った。


「少し休もう」


 今度ばかりは、ハロも反論しなかった。


 壁際まで歩くと、そのまま腰を下ろし、雷槍を隣へ立て掛ける。


「やっとまともなこと言ったな」


「このまま歩いてたら、そのうち自分で転げ落ちるぞ」


「そこまでじゃねぇよ」


 マイノノが無言でハロを見る。


 ハロは少し黙った。


「……ちょっとはあるかもな」


 ジパも肩から飛び降り、近くで小さく身体を丸めた。


「ル……」


 ハロはその頭を軽く撫でる。


「お前も疲れたよな」


 ジパは顔を上げず、晶羽だけを小さく震わせた。


 やがて整備足場は静かになった。


 二人の呼吸音と、遠くから通路を伝ってくる風の音だけが残る。


 しばらくして、ハロがふと顔を上げた。


「……なあ、マイノノ」


「ん?」


「さっきの奴。お前も聞こえただろ、あの声」


 マイノノはしばらく黙っていた。


「聞こえた」


「何て聞こえた?」


 今度は、すぐには答えなかった。


 数秒後ーー


 マイノノが低い声で言う。


「助けを求めてるように聞こえた」


 ハロが顔を上げる。


 張り詰めていた表情が、わずかに変わった。


「……だよな。俺にもそう聞こえた」


 視線を落とし、指先をゆっくり握り込む。


「俺だけが聞き間違えたのかと思ってた」


「お前だけじゃない」


「あの服も、指も、それにあの声も……あいつの中に、人だったものがどれだけ残ってるんだろうな」


 マイノノは岩壁へ背を預けたまま、表情を曇らせた。


「分からない。あの声そのものが中に残ってるのかもしれないし、以前聞いた声をただ再生してるだけかもしれない。今は判断できない」


 ハロはしばらく黙っていた。


「でも、本当に誰かが助けを求めてたとしたら?」


 マイノノがハロを見る。


「だから、さっき戻ろうとしたんだろ」


「……ああ。あんなものを見て、あんな声まで聞いて、それでそのまま置いていけって言われても……俺には無理だ」


 マイノノは責めることなく、静かに答えた。


「分かってる。でも今は、僕たち二人しかいない」


 そう言って、隣のジパへ目を向ける。


「あと、こいつ」


 ハロがすぐに顔を上げた。


「おい、ジパは最初から数に入るだろ」


「だから、こいつもいるって言った」


「今の間が怪しいんだよ」


「ル?」


 ジパが顔を上げる。


 ハロはそちらを見た。


「何でもない。お前の悪口じゃないぞ」


 ジパはまたゆっくり顔を伏せた。


 短い沈黙のあと、ハロがふっと笑った。


 けれど、その笑みはすぐに薄くなる。


「……さっきはありがとな」


 マイノノが少し首を傾ける。


「何が?」


「俺を止めたこと。お前が引っ張ってなかったら、たぶん本当に戻ってた」


「うん」


 ハロが眉を寄せた。


「そこはせめて『気にするな』とか言うところだろ」


「どうして?」


「普通はそう言うだろ」


「次も止めるから」


 ハロが一瞬黙る。


「お前な……」


 マイノノは変わらない表情でハロを見る。


「また突っ込むだろ」


「……たぶん」


「じゃあ、また止める」


 ハロは思わず笑った。


「分かったよ。次はもう少し優しく頼む」


「状況による」


「本当に話しにくい奴だな」


 今度は、マイノノの口元もほんの少しだけ緩んだ。


 その時、上方から再び冷たい風が流れ落ちてきた。


 先ほどより、はっきりと冷たい。


 ハロは顔を上げ、その風を額に受ける。


「ここの風、どんどん冷たくなってるな」


「うん」


 ハロはふと何かを思い出したように、マイノノへ顔を向けた。


「そういや、お前ら琉火族って……ずっと遠いところに住んでるんだろ?」


「ソラハのこと?」


「ああ、そこ。俺も島の外へ任務で出たことはあるけど、一番遠くてもミサン諸国までだ。その先は行ったことがない。ソラハなんて、人から聞いたくらいだ」


 マイノノは小さく頷いた。


「ミサンからでも、まだかなり遠い」


「そんなに?」


「遠い。それにソラハへ近づくほど、地形も全然違ってくる」


 ハロの表情に興味が浮かぶ。


「どんなふうに?」


「場所によっては、夜になっても岩の裂け目から赤い光が漏れてる。地下には熱脈があって、熔金が流れてる区域もある。熔炉や熔晶の加工区に近づけば、空気そのものが熱い」


 ハロが眉を寄せる。


「お前ら、普段からそんなところに住んでるのか?」


「全部がそうじゃない。居住区と炉区は分かれてる。街の下には隔熱構造もあるし、余った熱は導熱槽を通して別の場所へ逃がしてる。外族がよく使う港区や商業区、主要道路には別の冷却設備もある」


 ハロが少し驚いた顔をした。


「じゃあ、普通の人間でも本当に行けるのか?」


「もちろん」


「船を降りた瞬間に焼けるのかと思ってた」


 マイノノがハロを見る。


「お前、ソラハを何だと思ってるんだ?」


「でっかい炉」


「……違う」


 ハロが笑う。


「じゃあ琉火族って、本当に熱さは平気なのか?」


 マイノノは自分の手へ一度目を落とした。


「僕たちは高熱に慣れてる。体温もお前たちより高いし、高熱霊能で外から受ける熱も調整できる。普通の高温なら問題にならない」


「じゃあ、本当に平気なんだな」


「そういう意味じゃない」


 マイノノはハロを見る。


「外から受ける熱が、身体と能脈で調整できる限界を超えれば普通に傷つく。ひどければ死ぬ」


 ハロは少し考えた。


「……熔岩の中にそのまま飛び込めるのかと思ってた」


 マイノノが無表情で見返す。


「無理」


「少しくらい泳げないのか?」


「無理」


「本当に?」


「試したいなら自分でやればいい」


「俺は人族だぞ」


「だからもっと無理」


 ハロはまた笑い出した。


 ひとしきり笑ったあと、ふと別のことに気づく。


「待てよ。お前ら自身はあの暑さに慣れてるのに、街ではわざわざ外族のために冷やしてるんだろ? 結構面倒じゃないのか?」


「面倒だよ。だから主に港区と外族がよく通る場所だけ。琉火族の生活区まで、そこまで温度を下げる必要はない。それに僕たちが『かなり涼しい』と思う場所でも、お前たちにはまだ暑いかもしれない」


 ハロが顔をしかめる。


「それで冷却って言うのかよ」


「僕たちにとっては」


「……急に行きたくなくなってきた」


「さっきまであんなに興味ありそうだったのに」


「興味があるのと、焼かれるのは別だろ」


 今度はマイノノが本当に少し笑った。


 ほんのわずかな変化だったが、ハロは見逃さなかった。


「おっ。お前、本当に笑えるんだな」


 マイノノの表情がすぐに元へ戻る。


「ずっと笑える」


「普段は全然分かんねぇよ」


「それはお前の問題だ」


「なんでまた俺の問題になるんだよ」


 整備足場に、初めて戦いとは無関係な声が響いていた。


 警告でもない。


 命令でもない。


 異獣の低い唸りでもない。


 ただ、もう身体を動かすのも億劫になるほど疲れた二人が、目の前の危機とは関係のないことを話しているだけだった。


 ハロは少し黙ったあと、また口を開いた。


「ソラハの夜って、どんな感じなんだ?」


 マイノノは、足場の外をゆっくり流れていく灰霧へ目を向けた。


「夜の方が綺麗だよ。暗くなると、地面から上がる熱の光がよく見える。熔金も、炉火も、熔晶も。通りによっては、そんなに灯りを置かなくても明るい」


 ハロは口を挟まずに聞いていた。


「人が歩くと、火の光で影が長く伸びる。高いところから街を見下ろすと、明るくなったり暗くなったりして……街全体が呼吸してるみたいに見える」


 ハロはその光景を思い浮かべた。


「……結構、綺麗そうだな」


「うん。僕もそう思う」


「お前、子供の頃からそこに住んでたのか?」


「うん」


 ハロはマイノノを見て、突然尋ねた。


「じゃあ子供の頃、何か馬鹿なことやったことある?」


 マイノノが振り返る。


「どうして急にそれを聞くんだ?」


「今のお前見てると、子供の頃から一度も規則破ったことなさそうだから」


「そんな奴はいない」


「じゃあ、あるんだな?」


 マイノノが黙った。


 ハロがすぐに身体を起こす。


「本当にあるのか?」


「子供だけで炉区へ近づくなって言われてた」


「それで?」


「行った」


 ハロが吹き出した。


「やっぱり!」


「声が大きい」


「お前もそういうことするんだな」


「子供の頃に馬鹿なことをしなかった奴なんていない」


「今の言葉、絶対覚えとくからな」


「忘れろ」


「もう覚えた」


 マイノノは少し呆れたようにハロを見る。


 ハロはしばらく笑ってから、再び岩壁へ背を預けた。


「じゃあ、普段は何食うんだ?」


「普通のもの」


「全部焼くのか?」


 マイノノは黙ってハロを見た。


「そう聞くと思った」


「他に何があるんだよ」


「焼くものもある。煮るものもある。冷たいものも食べる」


 ハロが勢いよく顔を向けた。


「お前ら、冷たいものも食うのか?」


「琉火族は火でできてるわけじゃない」


 ハロは真面目な顔で頷く。


「なるほど。今日は本当に色々勉強になるな」


 マイノノはもう相手にする気もないようだった。


 少しして、今度はマイノノの方から口を開く。


「じゃあ、お前は?」


「俺?」


「さっき、ミサン諸国まで行ったって言ってただろ」


「ああ」


「何をしに?」


 ハロは少し考えた。


「防衛隊の任務だ。あの時はミサンでも十分遠いと思ってた。航路に乗ってるだけで嫌になるくらい長かったしな。でもお前の話を聞いてると、ソラハはさらにその先なんだろ」


 ハロは頭上の暗い通路を見上げた。


「世界って、本当に広いんだな」


 マイノノは平然と答える。


「元から広い」


 ハロが目を細める。


「その言い方、やっぱ腹立つな」


「自分で言ったんだろ」


「今ちょっと分かったわ。なんでお前が普段あんまり喋らないのか」


「なんで?」


「喋ると人を苛つかせるから」


「それでもずっと聞いてるじゃないか」


 ハロは少し止まった。


「……それもそうだな」


 二人はそれ以上言わなかった。


 足場に再び静けさが戻る。


 けれど今度の沈黙は、さっきほど重くなかった。


 ハロは俯き、雷槍を握り続けて痺れの残る手を見つめる。


 しばらくして、ふと口を開いた。


「俺は、間に合わないのが嫌なんだ」


 マイノノが顔を向ける。


 ハロは顔を上げなかった。


「目の前に誰かがいて、まだ見えて、声だって聞こえてるのに……最後には何もできない」


 声が少しずつ低くなっていく。


「もう、あんなのは嫌なんだ」


 マイノノは「次は必ず助けられる」とは言わなかった。


 自分でも約束できないような慰めを口にすることもなかった。


 ただ、少し黙ったあとに言う。


「だから、無茶に突っ込んじゃ駄目なんだ」


 ハロが顔を上げる。


「生きて次の場所まで辿り着かなきゃ、次の誰かを助けることもできない」


 ハロは数秒マイノノを見つめ、最後には困ったように笑った。


「お前、本当に反論できないこと言うの上手いな」


「お前が突っ込みすぎるからだ」


「おい」



 二人の会話が途切れてしばらくすると、先ほどよりも強い風が上方から通路へ吹き込んできた。


 足場の縁をゆっくり流れていた灰霧が、一気に吹き散らされる。


 ジパが勢いよく顔を上げた。


「ルルイ!」


 ハロもつられるように上を見た。


 その風は、さっきまでよりも冷たかった。


 しかも、湿った空気が混じっている。


 先ほど地下で何度も折り返していた気流とは違い、もっと高い場所から、そのまま流れ落ちてきているようだった。


 マイノノが立ち上がり、手を伸ばして風を確かめる。


「風が変わった」


「上からか?」


「ああ。さっきより、はっきりしてる」


 ハロはまだ暗い通路の奥を見つめながら、雷槍を支えにして立ち上がった。


 両脚はまだ重く、腕の痺れも完全には消えていない。それでも短い休息のおかげで、呼吸だけはもう一度整っていた。


 ジパが晶羽を震わせ、再びハロの肩へ飛び乗る。


 ハロはマイノノを見る。


「行こうぜ、マイノノ」


 今度は、一人で先に走り出さなかった。


 マイノノはハロを一度見てから、頷いた。


「ああ」


 二人は再び、補助通路を上へ進んでいく。


 進むほど、上方から落ちてくる冷気は強くなっていった。


 岩の裂け目からは少しずつ水が染み出し、古い整備階段も次第に濡れて滑りやすくなっている。折れた導風管の縁には、小さな水滴がいくつも溜まっていた。


 その一方で、足元を這っていた灰霧は少しずつ薄くなっていく。


 それでも出口は見えない。


 前方にあるのは、崩れた岩石と傾いた通路、そして何度も折れ曲がりながら上へ続いていく古い階段だけだった。


 ハロはもう急かさなかった。


 マイノノも何も言わない。


 二人は濡れた階段を踏みしめながら、一歩ずつ上へ進んでいく。


 ゴロゴローー


 低く重い音が、厚い岩層を貫くように、遥か上方から響いてきた。


 ハロの足が止まる。


 マイノノも同時に顔を上げた。


 異獣の声ではない。


 岩盤が崩れる音でもない。


 空の雷だった。


 ハロはまだ暗い通路の奥を見上げたまま、数秒後、雷槍を握り直した。


「……近いな」


「ああ」


 肩の上で、ジパの晶羽が小さく震える。


 三つの影は、再び前へ進み始めた。


 まだ先の見えない補助通路をーー


 さらに上へ



>第82話を最後まで読んでいただき、

ありがとうございますーー!


今回は、


かなり久しぶりに、


戦っている最中ではない

ハロとマイノノの会話をゆっくり描きました


ここまで二人とも、


異獣を警戒したり、


誰かを追ったり、


次に何をするか判断したりと、


ほとんど気を抜けない状態が続いていました


だからこそ、


ほんの短い休息の中くらいは、


目の前の危険とは関係のない話をしてもいいかなと思いました


そして今回、


その会話から少しだけ登場したのが、


琉火族の暮らすソラハです


熱脈


熔金


炉火


熔晶


夜になると、


地面の下から上がる光によって

街全体が呼吸しているように見える場所


これまで名前や距離として存在していた土地も、


誰かの故郷として話されることで、


少し違った形に見えてくると思います


それにしても、


ハロの中ではどうやら琉火族は、


熔岩の中でも泳げそうな存在だったみたいですw


無理です


普通に無理ですーー!


(笑


そして、


前話で中型異獣へ戻ろうとしたハロが、


今回はマイノノの言葉を聞き、


最後には一人で先に走らず、


ちゃんと一緒に立ち上がっています


ほんの小さな変化ですが、


こういうところも今回入れたかった部分です


まだ出口そのものは見えていません


けれど、


薄くなっていく灰霧


上から落ちてくる冷たい風


そして最後に聞こえた空の雷


少なくとも、


二人と一匹は少しずつ

地下とは違う場所へ近づいています


さらに上へーー


次の風景まで、

もう少しだけ登っていきましょう


(◠‿・)—☆

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