第23話 大空の戦い
天に飛翔した笑亜はその勢いのままカラミティに斬り掛かった。
彼女のスキル『不死鳥』は蘇った後、魔力ブーストによる身体能力の超強化が得られるスキルだ。
太陽の輝きの如き炎を纏い笑亜はスキルによって出来た魔法剣を振るう。
その一撃をカラミティは腕にブレードを展開し受け止めた。
「何者だ!? 邪魔をするな!」
「何者って!? 昨日、貴方に殺されたんですけどぉ!?」
「知った事か! 殺した生命など一々覚えている訳がないだろう!」
剣を薙ぎ払いすかさず収束砲の射撃を加える。
「なんて人! 貴方には生命に対する敬意とか無いんですか!?」
「人ではない!! 我は神である!!」
カラミティは更にオートシールドを飛ばす。
このシールド内部には小型の収束砲が内蔵されており、カラミティと連携し多方面からの攻撃が可能となっている。
「お前達、低次の生命など泡と同じなのだ! そんな物ちっぽけな存在を記憶するなど無駄の極み! お前もオーガ共と同じ様に死ね!」
オートシールドが二方面から襲い来る。
そして正面はカラミティ自身が笑亜を狙い撃つべく収束砲を構えた。
「ああそうですか! ならその泡の意地を見せて上げますよ!」
魔弾の雨を掻い潜り笑亜は真正面から突っ込む。
その単調な突撃を馬鹿にする様に笑いカラミティは照準を合わせた。
オートシールドと連携し、ここに向かって来るように仕向けた上での狙い撃ちだ。外す筈がない。
だがここで笑亜も動く。
「えいッ!!」
隠し持っていた石を投げ付け、カラミティの額にヒットさせた。それによって照準が乱れ、魔弾は彼女の横を過ぎて行く。
「投石だとッ!? おのれ野蛮な!!」
「貴方を倒す為だったら何だってやってやります!」
頭に血が上ったカラミティはブレードを振り上げて斬り掛かる。
馬鹿正直に真っ向から突っ込んで来る愚か者を斬るなんて簡単な事だ。
ヴァナリウスの魔力を乗せた大剣が笑亜を捉えた時、彼女の姿が霧散する様に消えた。
「ッ!? 消えただと!? グゥッ!?」
直後、カラミティの背後に衝撃が加わる。
「後ろか!?」
慌てて振り返るがそこには朝焼けの空が見えるのみ。そして目の前を流星が横切ったかと思えば収束砲が断ち切られていた。
この時、初めてカラミティは彼女が女神アルケーの勇者だと言う事を認識する。
自分にマナを横取りされた女神に、如何ほどの力が残っているのかと高を括っていたが、その認識が間違いだった事に魔王は初めて気付いたのだ。
「クソッ! こんな事が!」
オートシールドを集結させて防御に徹しようとするが、その刹那、オートシールドは一刀両断されて爆散する。
笑亜は閃光の如き速さでカラミティがやろうとする反撃を徹底的に潰して行った。
ブレードを砕き、腰部のブースターを破壊し、翼を切り裂く。
「やっと、やっと倒せる!! 皆やっとだよ!!」
これまでの魔王討伐の戦いで死んでいった仲間達に告げる。
幾人もの人々が倒れ、諦め去って行った宿願を今果たすのだ。
この一撃は誰にも譲らない。師匠にも女神にも。
何故ならこれまで戦って来たのは私だからーー!
不死鳥の魔力を全て乗せ落下するカラミティに押し当てる。
黄金の太陽の如く収束した魔力が一気に解放され超新星爆発の如くカラミティを襲った。
「フェニックス・エクスプロージョン!!」
眩い閃光と轟音が辺りを震わせる。
その爆発は2つ目の太陽が出来たかと思わせる程だった。
カラミティは身体を焼かれながら墜落する。
残った力でヴァナリウスを操り何とか地上に着地した。
「オ、オオオオォォォ!! オノレオノレオノレオノレェ……!! 低次ノ存在ゴトキガ我ニ、我ニィィ!!」
もはや焦点の合っていない目をして狂った様に怒りを撒き散らす。
「アルゲェー!! アルケーハ何処ダ!? ヨコセ!! オ前ノ力ヲ全部ヨコジェェ!!」
その時、ヒュンッと風を切り裂き飛んできた矢がカラミティを貫いて壁に突き刺さる。
「アルケー!! やれ!!」
矢を射た三郎は合図を出す。
そこにはアーリーライフルを変形させて魔力を収束させるアルケーの姿があった。
「これで終わりよカラミティ!! 破壊光線!!」
全てに決着を着けるため、女神の一撃が放たれた。




