葵のこと……
「葵っ……!」
まただ。また同じだ。何回やったって同じこと。でも諦めない。
東京、江ノ島、小田原城……。何回やったって、そこでの出来事は変えられない。
東京ではスカイツリーのエレベーターが落ち、江ノ島では転落、小田原城では天守閣の床が落ちる。
と言っても、旅に誘わなかったら地震で生き埋め……。どうなってるんだ。
何をやってもこの運命は変えられない。変えようとしても無駄。
だけど、ちょっとは持つようになった。ほんのね。
東京を突破し、江ノ島も時間がないと嘘をついてなんとか回避。そこまではよかった。
まさか天守閣の床の一部が落ちるなんて、わからないだろ。
とりあえずまた、葵が居なくなった。だから、一旦家に戻ることにした。
葵は初めて、中身を見てくれた人だ。周りの人は、見た目ばかりで、中身なんて見てくれる人はいない。
それが積もって積もって……明るく振る舞うことしかできなくなった。
だけど、葵は中身を見てくれた。だから、うれしかった。無理にテンションを上げようとしなくても、勝手にテンションが上がる。
俺にとって欠かせない人だった。だから何度だって……。
「大輝。おーい。聞こえてる?」
「……え?」
聞こえた。今、確かに聞こえた。葵の声だ。なんで……。
「なんでって、今お盆でしょ」
家の仏壇から確かにアイツが出てきた。直視したけど、よく見えなかった。
「元気してる? もしかして、俺の癖、写っちゃった?」
「元気だよ……。前よりは元気じゃないかもね。たしかに、前よりは考え込む事が多くなったよ」
俺は涙をぐっと堪えて話をした。当然、声が震えてるのはバレバレだろう。
「じゃあさ、旅、行こうよ」
「旅……」
「そう。自分探しの旅。いいでしょ? そんな物騒な物、もってないでさ」
俺は耐えきれなかった。結局、葵に抱えられて泣く。これじゃ、顔も見れないよ。
俺の手にあったナイフは葵によって落とされた。
ここで終わりは嘘です。きつねうどん食べたら構想が出てきたので書きます。




