小田原というより、鎌倉
「小田原?」
「そうだ!」
大輝は自信たっぷりにそう宣言する。そして、電車を調べている。……が、様子がおかしい。
「どうしたんだ?」
「いや、それが……」
要約すると、小田原より鎌倉の方が近くない!? っていう感じ。確かに、Googleマップを見たらそのとおりだった。
「おっけー。じゃあどこから行くんだ?」
「そうだな……渋谷駅から湘南新宿ラインで行くか」
「まぁ、任せるよ」
俺は地理が苦手だから、なんとかラインって言われても眠くなるだけだ。実のところ地元ですらあやしいのに……。
だが、大阪駅周辺は大好きだ。あそこだけはわかる。
俺達は颯爽とホテルから渋谷駅に。そして電車に乗る。乗ってる最中は大輝のマシンガントークは変わらないが、前より興味を持てたと思う。
「何駅だっけ?」
「ん? あぁ……11駅」
「結構長いな……」
「まぁまぁ、話せる時間が増えたってことで!」
「前も聞いたような……」
そして、51分の長いようであっというまの時間を過ごした。
「着いたー!」
着いた駅は北鎌倉駅。まぁ、大輝によると鎌倉駅まで歩くらしい。「え、まじ?」と思ったが、徒歩で3分だ。楽勝。
とはいっても夏だ。炎天下。入道雲がお出迎えしている。まぁ、これも一興か? 家にいたってこの光景は見れない。
「よし! 着いた。なんかロッカーあるらしいからそこに入れよう」
ロッカーがあるらしい。事前調べは大切だな、と思った。値段は……まぁ変わらんよ。
「じゃあどこいくんだ?」
「まずは由比ガ浜だな! 暑くてやってられん!」
鎌倉から由比ガ浜まではそう遠くはないが、遠いと思う。結構坂上がりや下りが多いイメージだ。
由比ガ浜に行く途中に看板があった。
「なるほど……意外と観光スポットあるんだね!」
「そりゃそうだろ……。なんたって、鎌倉幕府があったからな」
「あー……たしかに!」
大輝が歴史系に興味があるのかは知らないが、建物を見るだけでもそのインパクトに度肝を抜かれることだろう。
歩いていくと、奥に地平線が見える。限りなく広がっているて、江の島の灯台すらもハッキリ見える。そのくらい、天気がいい。
「うおー!」
大輝が砂浜を走る。めっちゃ走る。
「走ると言えば……」
あ。大輝がずっこけた。話のオチとしては最高だろう。
大輝が俺のもとに帰ってきた。顔面が砂まみれで「砂が不味い」という顔をしている。
「……今日はこの顔で過ごしてみようか」
もちろん、大輝には反発された。




