第4中隊のその後
「ちょっとー、ガーラン大尉。僕一人で中隊を診るんですか?」
アンジェ二等衛生兵がヴァッサ中央野戦病院に行っている間。
セキ上等衛生兵はガーラン大尉に一人で衛生兵の仕事をするよう命令された。
「前の奴が死んだ後、新人が来るまでの間はお前一人で回してただろ」
「それはそうですけどー」
アンジェ二等衛生兵の前任の衛生兵は年が明けてすぐに亡くなっていた。
「新人をよく聞かせられなかった罰だ」
「うげぇー、」
セキ上等衛生兵はアンジェ二等衛生兵が入隊するまでのドタバタの毎日を思い出した。
「ガーラン少し良い?」
「おぉ、お嬢どったん?」
テントに入ってきたのは第4中隊の副隊長。
マルティナ中尉だった。
「抜けた分の人員補充の名簿、覚えておいて」
マルティナ中尉はガーラン大尉に名簿を手渡した。
「新しい衛生兵いるー?」
「貴方かアンジェ二等衛生兵が死ぬまで増員する訳ないでしょう」
セキ上等衛生兵の分かりきった質問をマルティナ中尉は軽くあしらった。
「はいはい、伍長君と上等兵君ねぇ」
ガーラン大尉はうんうんと頷き名簿を閉じた。
「私は名前を覚えて、と言っているのだけど」
「俺はそーいうの苦手なんだって」
ガーラン大尉は名簿をくるくる回し、端から覚える気はないようだった。
「そう。いつも通り私が覚えておけばいいって訳ね」
「あんがとね、お嬢」




