第13話 軍事と魔法
「おはよー、ヒヨリちゃん。今日も魔法の訓練でいいかしら?そういえばヒヨリちゃんが剣術をやりたいとか言わないけどどう思ってるのかって話に昨日の夜になってね。」
「ボクは魔法の練習が楽しいから魔法がいいかな。」
「それならとりあえずは魔法の訓練ね。昨日の夜も訓練場を使ってたのかしら?」
「うん。ちょっと見せたいものあるんだ。」
「何かしら?昨日のフランちゃんとの訓練に関しては聞いてるわよ。」
「夜の訓練の成果だよ。いくよ。[ヘルファイア]」
昨日の夜やった時に比べたら結構制御できたかな。使った魔力も普通に使うよりは使ってる感じあるけど昨日のと比べたら桁違いに減ってるかな。
「ちょっと待ってもらえる?今のは・・・?」
「詠唱を省略して[ヘルファイア]を使ったんだ。ボクの居た世界の魔法が出てくる物語にはそういう人もいたからもしかしたらできるんじゃないかなと思ってね。」
「やっぱり魔王って桁違いなのね。そもそもそんな発想がなかったわ。」
「やっぱりそうなんだ。でもデメリットもあるんだよね。」
「詠唱の省略ができるのなら多少は仕方ないんじゃないかしら?」
「制御を失敗しちゃうと一発で魔力が全部持ってかれちゃうんだよ。うまくいっても普通に使うよりは魔力を多く消費しちゃうし魔法の精度も下がっちゃうんだよ。」
「でもヒヨリちゃんの力なら制御もできているし、魔力も許容範囲に抑えられてるって感じかしら?」
「そうだね。」
「それを複数に使えるってなるとそろそろこの世界の生物だとどれだけかき集めても勝てる気がしなくなってくるわね。そうなると、あとは魔法の詠唱と種類をちゃんと覚えるのと魔力を増やしていくのがいいかしらね。あとは勇者たちは多分魔力障壁を用意してくるでしょうし、その対策も考えないといけないわね。」
「魔力障壁?」
「えぇ。どんな魔法でも外部から影響を与えれないようにしちゃう軍事魔法ね。もちろん個人にも使えるから勇者にはかかってると考えるべきでしょうね。」
「レイは使える?」
「いいえ。でも使えたとしても魔力消費が多いから基本的には個人に使うことは少ないわね。。」
「なるほどね。それを攻略しないと勇者との戦いは厳しそうだね。」
「そうね。そうなると騎士たちの質と量の差になるでしょうけど、人間は数だけは多いのよね。」
「質がなくても数でどうにかできちゃいそうだね。」
「そうなのよ。そこも四天王で色々相談してるんだけどね。なかなか対策が思い浮かばないのよ。魔族って魔法が得意な子が多いのよね。」
「そうだよね。ボクも何かないか考えておくよ。一応はこの国で一番偉いわけだしね。」
「そうね。異世界から来たからこそヒヨリちゃんにしか考えつかないようなこともあるかもしれないものね。」
「期待に応えられるよう頑張るよ。それよりもちょっと気になるんだけど、魔力を増やすってどうやってやるの?」
「その話だったわね。魔族は基本的に魔法の鍛錬を積むことで魔力の総量が増えるわ。ヒヨリちゃんはそもそもの量が多いから増えるまで時間がかかるかもしれないけどね。あとは魔力の消費効率を上げてる子もいるわね。」
「消費効率?」
「えぇ。より少ない魔力で同じだけの魔法効果を発生させる訓練ね。かなり特別な才能と訓練がいるからあまりお勧めはしないわよ。」
「でもさ、今ボクが使った[ヘルファイア]って昨日の夜試した時に比べるとだいぶ使った魔力が少なくなった感覚があったんだけどどうなの?」
「確かに、ヒヨリちゃんは自然にやってるのかもしれないわね。それならより詳しい人を明日呼びつけておくわ。今日はひたすら練習をしていきましょ。」
ってことで魔法をひたすら使っていく。レイのお手本を見せてもらうけどやっぱり複数にあたること以外はレイの魔法が圧倒的にきれいだね。威力も高いし、魔力の消費もレイのほうがだいぶ少なそう。レイとフランはボクのことすごく褒めてくれるけどそれってこの世界ではありえないことをできてるってだけでべつにまだまだ強いとは言えないよね。
だってレイの魔法だって森に炎系統の魔法を放てば実質的に複数に当てることなんてできるわけだし、複数の相手を巻き込める位置にあるものだったり人を対象に取ればいいだけだもん。
でもボクに魔法の才能があるのも事実だろうし卑下するのもよくないよね。もっと頑張ってもっと強くならないと。




