009:力&罠-A power & trap-
前回までの神話…
第1ステージで再び気彌と出会うシン。
戦いは困難を極め、最後には勝利を確信したシンだった。
っが、その時目の前に居たのは萩野…
何がなんだかわからないシンは驚くことしか出来なかった。
「何すんだよ萩野!!もう少しであいつを…あいつをやれたんだぞ!」
萩野に瞬間移動させられ、バトルを中断させられていた。
何でここまで邪魔するんだ。
あそこで倒しておかないと、もっと被害が出るというのに…
萩野の考えていることが分からない。
「シンは前にあいつに負けたでしょ!さっきだってあいつの本当の神力を出さなかったから…
シンは勝てると思い込んでただけなのよ!…わかる?」
なんか、今日の萩野の様子は少し違っていた。
いつもはうるさくてウザイはずなのに、今日はなんか違う感じ…
気のせいか?
「私達は、心配してあげてるの!…それぐらい、わかってよ。」
なんだか心を揺さぶられるって言うか、心が締め付けられる。
って、いったら恥ずかしいけど、そんな感じがしたような気がした。
「それに…約束したんだしね。あんたがあたし達を守るって。あんたが生きてなきゃ私達を守れないでしょ!」
なんか急にウザくなった。
いつもの萩野って感じに戻った。
やっぱり気のせいだったな。
そうだ、気のせいだ。
まあ、俺はいつもの萩野のほうがいいしな…
少し休憩を取ると、俺達はまた歩き出した。
すると目の前に、狂ったような目をした男が現れた。
俺より見た目が1つ下ぐらいの奴。
そいつはがむしゃらに手から火の玉を出し、俺達の方に投げてきた。
たぶん急にここに連れて来られて、気がおかしくなっているんだろう。
何とかそいつががむしゃらに投げてくれているおかげで、俺達はなんなく避けることができた。
だが、避けたおかげで木に火が移り、周りの木々が燃えはじめた。
早くこいつを止めなきゃ俺達は、焼け死ぬか、周りの熱で脱水症状を起こして死んでしまう。
俺はそいつの攻撃を避けながらそいつの腹に、一発食らわせてやった。
そいつは貧弱なようで、俺の一発でダウンだ。
なんかやりがいがないよな…
とにかくそいつは気絶した。
なんなく俺は火の神力を手に入れたというわけ。
発動条件がわかんねえけどな。
けれど簡単に火は出せた。
その後、燃えている木をミクルちゃんが再生の神力でケアした。
木は元通りに戻り、火も消えた。
これで一件落着。
俺たちはまた歩き出した。
このジャングルのどこかにある、鍵のかかったドアを探して。
だけどなかなか見つからない。
しかもどうやら、同じ所を何時間も歩き続けているようだった。
なれないことづくしのせいか体も重い。
とうとう後ろの2人は倒れた。
「2人とも…大丈夫か…?」
俺も動けず、もう少しで倒れそうだ。
その時、俺達の方に向かって歩いてくる男がいた。
にっこり笑いながら。
「こんな単純な罠にかかるとは、馬鹿な奴らだ。」
ムカツク喋り方だった。
「お前……誰……だ…」
喋るのもきつい。
「あぁ?聞こえネェ〜よ!ったく、しょ〜がねぇ〜な〜、冥土の土産として教えてやるよ!
俺は風壬!木を操る神力の持ち主だ!お前たちは俺の持つ神力の一つ、
体力を奪う神力にやられてんだよ!」
こんな状態で動けないなんてなさけねぇ。
「安心しろ!お前は最後にいたぶってやるよ!まずは女の子2人をいたぶってやるよ!」
風壬は両腕を地面につけた。
すると木々がざわめき始めたと同時に、木の枝が伸び、萩野とミクルちゃんを掴み、締め付け始めた。
「いつもこれを見るのは楽しいな〜」
風壬はなおも笑っている。
「この…変…体…が…」
「あぁ?聞こえねぇ〜って!もっと大きな声で喋れよ!このカスが!」
風壬は俺の懐に蹴りを入れてきた。
俺は体に力を込めた、最後の力を振り絞って。
するとなぜか俺の体力が回復していく。
さっき手に入れた火の神力で奴を倒そうとした。
だがいつの間にか、俺の右手に斬鉄剣があったせいで、斬鉄剣と火の神力がわり交わり、斬鉄剣が火の刀、火刀と変化した。
風壬は俺の火刀の存在に気づくと、また両腕を地面につけた。
「くそ!抜け出しやがって!」
次は木の化け物を作っている、まるでゴーレムのようだ。
「お前は俺のデモックスの肥料となるんだな!行け!デモックス!!」
デモックスが一歩一歩くたびに地面が揺れた。
かなりの重さだ。
だが見た目どおりの遅さ。
その時、一瞬消えたかと思うと、何故かすぐ目の前までデモックスは来ていた。
「いつの間に…!!」
デモックスは俺に強烈なパンチをくらわそうと、腕を振り上げていた。




