008:裏切り-Betrayal-
前回までの神話…
とうとう始まったゲーム。
ゼウスと名のる者が主催したゲーム。
一体このゲームの目的とは、ゼウスとは本当の神なのか?
全てが、終焉を迎える準備にしか過ぎない。
上から落ちてきたのは萩野だった。
ミクルちゃんはちゃんと着地できたのに、萩野はなぜか俺の上に…
わざとだよな…わざとにしか見えないよな……
話を聞くと、俺を探して、でたらめに瞬間移動していたらしい。
それにしても、よくそんな度胸あったよな、俺を無視してクリアすればよかったのに…
そうか、そういえばあんな約束したからな…こいつらを…守るって…
でも、俺の所に来る意味はあったのか?
またゼウスの声が聞こえてきた。
「後ひとつ忘れてたが、相手を気絶させたり殺したりすると、相手が元々持ってる
神力が手に入るからな、覚えとけよ!」
その時、近くで大きな爆発が起こった。
聞いたことのある奴の叫び声と一緒に。
誰だよ、こんな近くで火遊びしてんのは!
俺が先頭になり、その爆発が起こった場所まで向かってみた。
行くあてないし、しかも萩野が無理矢理、行こうと言ったからだ。
怖がってるくせに。
でもこれって、時間の無駄だよな。
あっちにドアがあるとは限らないし…
その爆発した現場に行ってみると、俺を殺そうとしていた人物…あの図体のガッシリした蛾裡が倒れていた。
どうやら蛾裡が爆発にやられたようだ。
だけど蛾裡はバクの神力の持ち主のはず…そいつが爆発によってやられるなんて、なんかおかしいよな?
もしかして、こいつらより強い奴いんの?!
その時、また近くで大きな爆発が起こった。
現場に言ってみると、バッグを持って倒れている子供がいた。
「こんな子供まで、手をだすなんて…」
萩野がポツリと言った。
すると後ろの方で聞き覚えのある声が聞こえてきた。
後ろを振り向くとそこには気彌がいた。
「んぁ?お前はあの時の…まだ死んでなかったのかよ…
お前があの時死んでれば、お前の神力は俺のだったのになぁ?
まぁいい、ここで殺せばいいわけだしな!」
萩野達は既に俺の後ろにはいなかった。
声が聞こえた瞬間に瞬間移動して逃げたのだろう。
これで萩野達が傷つく恐れはない。
…たぶん。
だが、俺の神力の発動条件が現段階でわからない今、斬鉄剣を出そうとしても、斬鉄剣が出ない。
状況はいつも俺が不利。
ゲームとか小説の世界だったら、上手くいくのに、現実はそう甘くないってことかよ。
気彌は腕を前に突き出した。
その構えは、蛾裡がバクの神力を使う時の構えと一緒だった。
「蛾裡から奪ったこの神力で、お前を葬ってやる!縛!」
急に体が動かなくなった。
気彌が蛾裡から奪った、バクの神力で俺を縛ったということはわかった。
ということはもう一人も気絶させた人物は、絶対こいつだ。
仲間を何だと思ってるんだ!!
「おいおい、そんな風に俺をにらむなよ。」
「お前は仲間を裏切ったんだぞ!何のために…」
気彌は笑っている。
まるで、お前が何を言っても無駄だというように。
「わかってねぇな、3人で力をあわせて戦うほうと、2人の力を手に入れて戦うほう、どっちがいいと思う?
2人の力を手に入れて戦うほうがいいに決まってんじゃねぇか!お前も俺のために役立って、死・に・な!」
気彌は俺の頭を左腕で掴み右腕を前に突き出した。
俺に強力な爆をくらわそうと、右手に爆を作っているようだ。
さらにそれを凝縮し、またそれにつけたし、確実に死ぬ程の威力を持つ程の爆の塊を作っていた。
見ているだけでわかる、奴のすごさが。
俺は手も足も出せない。
だが気彌は刻一刻と強力な爆の塊を作っている。
そして、とうとう気彌は強力な爆の塊を作り出した。
「じゃあな……強爆裂!!」
俺はうなった。
体に力を入れると、さっきは外れなかった縛が、今度はいとも簡単に外れた。
まるで鎖がバラバラに勢いよく外れるような音が辺りにこだました。
そして、俺の右手には斬鉄剣が。
それが1秒の間に起こった。
自分自信何が起こったかわからなかったけど、俺は斬鉄剣で強爆裂を防いだ。
防いだと言うより、野球のボールのように打つと、強爆裂は気彌の頬をかすり、空の彼方に消え、爆風が吹いてきた。
あれ、想像以上にやばかったな…
気彌は驚いた様子だった。
「んなバカな!縛は絶対外れない代物だぞ!それをいとも簡単にはずすなんて、ありえねぇ…!!」
気彌の手に少し残った強爆裂の欠片を見つけた。
凝縮したせいで手にこびりついたんだろう。
しかし、それを見つけたのもつかの間、強爆裂がそこで爆発した。
俺たち2人は両方に吹き飛ばされた。
だが、逆に好都合。
さらに、煙が充満していてあっちからこっちは見えない。
俺は斬鉄剣を振る。
するとそこからかまいたちのように風の刃が気彌を襲う。
だが気彌はぎりぎりのところで避けた。
気彌の服をかすった程度だ。
俺自身、体が勝手に動くような気がした。
「ハッハッ…結構やるじゃねえか、だが忘れたのか?おれは千の目を持つ神力使いだと。
それぐらい俺には見えてんだよ!」
俺はその言葉を無視し、真っ向から勝負するため、気彌の所までジャンプした。
我ながら、決まったと思った。
っが、その時、目の前に気彌はいなかった。
いるのは萩野とミクルちゃんだった。
何が起こってんだ?!




