022:神の裁き-The judgment of God-
前回までの神話…
世界のことを腐りきった世界だと思う高校生。
通称シン。
彼は突如超能力のような力、神力に目覚めた。
そしてゼウス主催のゲームに無理矢理参加させられることになった。
そしてとうとう始まったファイナルゲーム。
幕開けたゲームの運命がうごめきだす。
目の前に衝撃が走った。
ポータブルTVにうるさいと思っていたキャスターがまだキャスターをしていたから。
ってか今気づいたんだけど、キャスターって外に出てその現場を報道するっけ?
このキャスター、もしかしてそのおかげで今もテレビに出ていられるのかもしれないな…
俺の勘違いかもしれないけど。
だが以前よりもキャスターがうるさかった。
おばさんだからか?
「…アメリカです、今までに観測上類を見ない歴史的史上最大のハリケーンがここアメリカ全土を襲い、
被害は数万を超えています!ハリケーンは勢力をこれからも上げ、
さらなる被害をもたらすでしょう!続いてはオーストラリアの高橋さん!」
どんどんキャスターが変わっていく。
「はい!ここオーストラリアでは、バイオテロが何者かの手によって行われ、数多くの死者が出ております!
このようなマスクをしていても1時間もすれば死ぬと、先ほど発表があり、今現在、飛行機のどこの便も出ておらず、
日本に帰国することのできない状態です。私はこれから、避難場所を見つけ、早急に非難したいと思います。
続いては北極上空の岡山さん!」
「はい、ここ北極ではかなりのスピードで北極の氷がとけています。
ここでの人への被害はないと思われますが、海の水位があがることによって、沈没する国が多数出没すると思われます。それに伴い、大きな津波が発生すると考えられています。
又、生物の生態も大幅に変化するものと思われています。続いては、エジプトの笹田さん。」
「えー、ここでは……あちらの上空に見えます、あの巨大な生物なのかそれとも、化学兵器なのかはわかりませんが、
それが、先ほど地中から現れ、あそこで浮上したまま動きがありません。
その後、手と思われる部分から、ビームらしきものを出し、エジプトは今、ご覧のとおり壊滅状態です。
ここもいつ襲われるのかは時間の問題です。
今、あの物体について、各国の学者達が討論をしている模様です。続い…」
各国で大きな被害が…これも仁の仕業なのか?
これがファイナルゲームなのか?
一般人まで巻き込んでるじゃないか!
「…今のところ日本は霧で覆われ、上空が黒雲で埋め尽くされているだけですが、
これから何が起こるかわかりません。なるべく外出は避けて…!!
ここで新たな情報が入りました。現場の土居さん!?」
「はい!ここ九州全土でたった今、霧が晴れたかと思うと、霧が黒雲に吸い込まれ、
黒雲が圧縮されたかのようになり、変形し、あの上空に見えますように、まるでドラゴンのような形になりました。
今あのドラゴンは、何か口に光を溜めて、何かをしようとしているよう…!!」
その時、ドラゴンの口から溜められたエネルギーが発射された。
そこで現場の映像が途切れた。
「土居さんは大丈夫なのでしょうか!?
たった今、北海道でも九州と同じ現状にあるらしく、他の県に被害が及ぶのも時間の問題かと思われます。」
その時かなりの強風が吹いてきた。
もしかして、こんなところまで爆風が……!?
「今、世界各国で異常なことが起こっています。ジャーナリストの立花さんはどうお考えです?」
「これはあれですよ!神の裁きっていう奴ですよ!今まで人間は、散々悪いことをしてきたんです。
別にこういうことがあっても不思議じゃないでしょ!あの、ノアの箱舟っていうお話あるでしょ?
ああいう感じなんですよ、今起こってるこ…」
俺はまたポータブルTVをポケットにしまった。
すると、霧が晴れてきた。
歩き回っていた場所は、東京タワーの周りのようだ。
さっきのテレビの奴らがいってたとおり、霧が黒雲に吸い込まれ、圧縮されてドラゴンと変化していた。
ドラゴン以外にも竜やその他の伝説の生き物が続々と姿を現していた。
ドラゴンだけでも千以上はいる。
俺はLV2のモードに入った。
ジャンプ力を上げるために。
俺は全強化すると、東京タワーの一番上の立つところがないような棒の先っぽいところに向かった。
そこから辺りを見回すと、日本上空の大体はドラゴンの数が多いんだけど、そいつらにほとんど埋め尽くされていた。
まず、近くを通った竜の後ろに乗り移った。
俺が乗ると、それに気づいたのか、勢いよく暴れだした。
でも、逆にいろんなところを通ってくれるので、俺には半分ありがたく、半分ありがたくない。
ドラゴン達がエネルギーを溜めて、地上にエネルギーを発射しようとしていた。
俺は今、ドラゴン達より上空にいた。
準備は整った。
俺は竜を避けるように、もっと上にジャンプして向かった。
そして体のなかにある力をすべて振り絞り技を出した。
まずはドラゴン達の上下に大木を、木を操る神力で用意し、すかさず火の神力を使い、大木に炎をまとわせる。
ここからが本番だ。
ドラゴン達は既にエネルギーを発射しようと準備が整っていた。
そこで俺は、発射寸前にできる隙を狙っていたのだ。
「地獄万力炎!」
俺はドラゴンの上下にある燃え出している大木を、ドラゴンたちに向けて発射させた。
案の定、何体かは俺の攻撃を避けたらしい。
だがここで俺は暴の神力を使った。
「くらえ!!!!!爆発だ!!!!!!!!!!」
大木が爆発し始めた。
大木が突き刺さっていた奴らは確実に死ぬだろう。
上空は爆発のせいで煙が充満していた。
そういえば下に降りる時のことを考えてなかった。
その時、煙の中に一筋の青い光が見えた。
生き残ったドラゴンたちが狙いを定めず、適当にエネルギーを発射していたのだ。
俺は避けるために木の盾を作った。
どうにか防げたが、その反動で横に飛ばされてしまった。
そんな中、前後左右から再びエネルギーが飛んできた。
俺は全体に盾を作ろうとしたが遅かった。
そのまま俺は直接攻撃を受けてしまったからだ。
攻撃をくらったせいか、体が地上に向かって落下し始めた。
もうすぐこの煙から抜ける。
俺は転落死するのか?
俺の人生、たいしたもんじゃなかったな…




