016:儚い戦い-A vain fight-
前回までの神話…
世界のことを腐りきった世界だと思う高校生。
通称シン。
彼は突如超能力のような力、神力に目覚めた。
そしてゼウス主催のゲームに無理矢理参加させられることになった。
他のプレーヤーが続々と前に進む中、シン達はこのゲームをクリアすることが出来るのか?
「あんたなんか…私の暴の神力でいちころよ!」
女がそう言うと隣の部屋のキッチンにある物が、地震が起こったように揺れだした。
「暴れなさい!」
その掛け声が合図となり、包丁やまな板、箸が飛んできた。
俺はぎりぎりのところで木の盾を出し防ぐことができた。
さらに俺は木を操る神力で木刀を作った。
あの女を気絶させるためのな。
犬っぽい奴はりんごに夢中になってるから後でも倒せる。
女の方に向かって走った。
キッチンにある物全てが俺に飛んでくる。
しかもこの家のものすべてが巨大だからな…
キッチンの物も大きいんだよな…
当たったら俺気絶するよ、かなりの高確立で…
とうとう家自身も暴れ始めた。
床は波のように揺れ、地震のように家が揺れ続けている。
そのせいでバランスが取りにくく立つのが難しくなり、女に近づくのが困難になった。
だが、そんなことを心配する必要もなかった。
俺がバランスを崩し、木刀が飛んでいって、女の頭に当たり気絶したのだ。
女もバランスがとりにくく、下のほうに気が集中していたのだろう。
なんか……儚いな……
でも、これで俺の神力も4個だ。
どれもビミョ〜な気もするが、それもしょうがない事だろう。
俺の対戦相手が悪いということなのだから。
俺はさっさっとこの家に住む生物を倒し、このステージを後にした。
それにしても、今考えただけでも……儚いな……
というよりあの戦いはなんだったんだろうと考えらされる。
そして、クリアしてから1日たった後、ようやく第4ステージが始まった。
「まだまだたくさん第3ステージに神力使いがいるが、そろそろ次のゲームも始めないとな?
第4ステージは今、お前らがいる場所でバトルをやってもらう!
制限時間はまた俺の気分で決めさしてもらう!
それと今から仕切りを作るから、まずは同じ部屋にいる奴を殺せよ?
これで対戦相手を見つける手間を省いてやったんだからな。ありがたく思え!」
いつもながらゼウスの声は楽しそうだった。
どんどんみんなの間に仕切りができていく。
更に床が動いて、誰と当たるかが想像もつかない。
もしも萩野達とだったら、バトルせずに待ってクリアできるかな?
そんな考えもむなしく、対戦相手は決まった。
俺がいる部屋には俺ともう一人……白牙がいた。
「またアンさんかいな!これも避けられない運命やなあ〜」
バトルが始まった。
白牙がまず攻撃を仕掛けてきた。
大剣の突きの連続で仕掛けてくる。
でも、何故か俺はそれを簡単に避けることができた。
「やるのお〜、なら、これならどうや!」
大剣を一振りし、かまいたちを出してきた。
ギリギリのところではあったが、避けることができた。
俺も反撃に出ることにした。
「お前に俺の新たなコンボをみしてやるよ!
この火の神力と、暴の神力、このコンボで完成する技をお前にな!」
俺はこのコンボで白牙に攻撃した。
勢いよくハクガの周りで爆発が起こる。
っが、白牙は易々と俺の攻撃を防いでいた。
俺はムキになりそのコンボを繰り返した。
白牙は俺が起こした爆発によってできた煙を使い姿をくらますと、俺に大剣を貫こうと突きを再び繰り返してきた。
なぜか振り下ろす攻撃はせず、あえて突きで攻撃をしたいようだ。
まっ、その分俺の攻撃が届きにくいことを計算してるんだろう。
もしかして…あの大剣が重すぎて、振り下ろすより突きの方が効率よかったりして…
まさかな…それなら突きもつらいよな。
俺は木の盾で周りを覆うと、ひとまず冷静に相手の体力がなくなるのを待った。
白牙が俺の盾に攻撃するたびに、ガツン!ガツン!と、俺の耳に響いていた。
だが数分も経つと、その音は次第に消えていった。
俺はどうしたことかと思い、危険ながらも盾を消すと、とても息苦しかった。
「…!!」
この息苦しさでわかった、何故白牙が攻撃をやめたのか。
俺が起こした爆発のおかげで、この密室な部屋の中の空気が減っていたのだ。
白牙は酸素不足で倒れていた。
「こないなところで終わるとわな…アンさんはやく…
ワイを倒しなはれや…チャンスを逃したら……あかんでぇ…」
その時、何か遠くで壁の壊れる音が聞こえてきた。
その音はだんだん大きくなっていき、こっちに向かって来ているかのように聞こえる。
何かの声も聞こえてきた。
しかも壁が壊れていく音の間隔が、だんだん小さくなっている。
そして、とうとう俺と白牙のいる部屋の壁も崩れた。
その壁を壊していたのは、あのデイアスとその上に乗っている気彌だった。
それにしてもこいつらしつこい、しつこすぎる!
絶対ストーカーになるよ!
たちの悪いストーカーに!




