外伝「鈴木」
今回は鈴木が吉田中尉と出会うまでを描きます。
それではどうぞ。
鈴木「はぁ…はぁ…」
現在、僕たちは飛行場の零戦の残骸の裏に隠れている。
米軍に占領された基地の戦力を少しでも落とすため、実質「切り込み隊」としている。
浜田兵曹「おい…鈴木…周り見えるか…」
鈴木がそう言われ少しだけ機体の後ろから顔を出し、周りを見渡す。
鈴木「まずい…長田と吉永が隠れている2番機に敵が近づいています…!」
敵は撃破された零戦の中身を確認していた。
戦利品がないかや生きているものがいないか…実質掃討である。
そんなとある二人の隠れている零戦の機体に米兵が近づく。
そのとき、発砲音が響き渡る。
ズダンッ!という音ともに、一人の米兵が倒れる。
米兵「〜〜〜(ジャップを見つけたぞー!!)」
浜田「誰だ…!撃ったのは!」
撃ったのは、その近づかれていた機体の裏に隠れていた長田が撃ってしまっていた。
しかしそんな考える時間はない。
米兵たちが一気に反撃してくる。
ズバババババババと鋭い轟音が響き渡り始める。
それと重なりズダンッ!というライフルの発射音や
ドガァァンという手榴弾の爆発音も聞こえる。
うるさい…畜生…
隠れてても手榴弾に…出ても銃弾に…
どちらにせよ全滅しちまう…
やるしかねぇ…
そう覚悟し、反撃を始める。
浜田「反撃しろ!手榴弾をうまく使え!!!」
そして鈴木が手榴弾の紐を抜き、米兵がなるべく集まっているところに投げる。
鈴木「いけっ!」
シュッと勢いよく投げ、米兵たちの集団の前側に落ちる。
ドガァァンと音を響かせ、何人か米兵が吹き飛ぶ。
米兵「〜〜〜(ファック…!ファッキンジャップ…!)」「〜〜〜(うぅ…ううぅ…!)」
どうやら悶え苦しんでいるらしい。
よっしゃぁ…!
人を苦しませることに喜んでいる俺。
なにもおかしくないよな。
そう自分に言い聞かせ反撃を続ける。
しかし長田がとうとう撃ち抜かれる。
長田「ぎゃぁぁぁ!うぐぅぅ…!!」
股関節を抑え、悶絶する。
吉永「あぁ!?なんだぁ?金玉でもぶち抜かれたかこのアホぉ!!」
吉永はそう怒り、そのいかりの矛先を米軍に向ける。
ズダンッと三八式歩兵銃を発射し続ける。
吉永「畜生!」
そう言いつつライフルのボルトを下げ、排莢する。
この三八式歩兵銃はボルトアクション式というもので敵のM1ガーランドとは違う5発の単発式で一発撃つごとにトリガーの上部にあるボルトという部品を動かして排莢、装填する仕組みである。
それに比べて米軍のM1ガーランドはセミオートライフルというもので連発して撃つことができマガジンも三八式歩兵銃より3発多い8発であった。
この時点で米軍が優勢なのにそれに対して破片を飛び散らせやすい手榴弾や最新式の戦車、火砲などがあった。
圧倒的に劣勢である。
浜田「長田はもう放っておけ!今は戦いに集中しろ!」
そう言い皆で撃ちまくる。
てかなんで俺たちは4人で戦ってんだ…
いや今は3人…か…心細い…
この鈴木のいる部隊は現在分散してしまっており大部分が佐原大尉とともに密林に消えてしまった。
その散らばりの端くれが俺たち浜田班というものである。
その時、向こう側の零戦の残骸が吹き飛ぶ。
吉永「ぐ、ぐぅゔぅぅ…」
吉永は手榴弾に目をやられ苦しむ。
そして少し零戦の残骸から出ただけでM1ガーランドに狙撃される。
ズダンッという銃声とともに吉永がやられる。
浜田「畜生!鈴木、ここで徹底抗戦だ!」
鈴木「は、はい!」
その後もひたすらに弾丸を発射する。
複数人の米兵を殺れたがこちらも浜田班長が腕をやられてしまった。
浜田「ぐ…くそぉ…」
しかし浜田班長はまだ撃ち続ける。
なんでやれるんだ…すげぇ…
俺もやらないと…
そう思い鈴木も撃ち返し続ける。
しかし10分後弾薬がとうとう尽きる。
カチャカチャとボルトをいじっても弾は出てこない。
畜生…どうすれば…
その時浜田班長が銃剣をつける。
浜田「いいか?お前は俺たちが全滅したと伝えるために伝令として生きろ。俺が敵に突っ込む!」
くそっ…了解…
鈴木「了解しました…いきます…」
そう言って鈴木は密林へ走り出す。
浜田「よし…行くぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
そうして零戦の残骸から飛び出す。
米軍の集団に向かって突進する。
あいつを生かさないと…
俺がやらないと…あいつが…
あいつが生き残れないんだ…!!!
浜田「うぉぉぉぉぉぉおぉお!!」
同時刻 鈴木
ドガァァンと爆音が鳴り響く。
鈴木は黙ってその方向に敬礼した。
そして、また歩き出す。
道中誰かとぶつかる。
ドシッと。
鈴木はとっさに銃を構える。
鈴木「誰か!!」
そう聞くと返事が来る。
吉田中尉「まて!味方だ!」
そう言ってよく見ると確かに海軍警備隊の軍服を着ている。
鈴木「あなたは…?」
吉田中尉「私の名は…吉田中尉だ。」
外伝「鈴木」
今回は久しぶりの戦闘描写です。
かなりこだわったので自信があります!
これからもこの作品をよろしくお願いします!
それではまた次回




