瞬間火力
準備を終えて最新部へ到着した。
弓、ミニガン、短剣をアリシア、リニ、チベルネに既に渡してある。
目の前には広々とした空洞。
瘴気が濃く満ちており、アジ・ダハーカが少なくとも10は確認出来た。
そこにリニが消滅の結晶が投げ込みアジ・ダハーカが消滅し、瘴気の濃度も下がる。
そしてレベルが上がる。
確認すると1レベル毎に50上がっている。
ギリギリ装備出来る事に安心しつつアンラ・マンユを目指す。
「これは・・・。」
そしてたどり着いた。
ゼラ達以外は体が硬直している。
しかしゼラが知っているアンラ・マンユではない。
形、能力値、スキル等全てが違う。
何かが足りていない見かけ、状態異常のスキルを保有していない。
ただステータスは全てアンラ・マンユより上。
「ん?。」
名前を確認すると神の抜け殻と表記されていた。
名前:神の抜け殻
種族:神
レベル:??
筋力:10000(+300000)
俊敏:10000
耐久:500000
魔力:???
幸運:10000
スキル:負の創造神(弱体)・破壊の力(弱体)・自己再生(弱体)・全属性耐性・
負の創造神(弱体)
受けるダメージを半減する。
状態異常、特殊状態攻撃を行えない。
無尽蔵の魔力を得る
破壊の力(弱体)
どんなものでも破壊出来る力を得る。
弱体している為、300000の上昇。
弱体をしていない場合は測定不能になり、物理攻撃全てが即死攻撃となる。
自己再生(弱体)
秒間今あるHPの10%を回復する。
弱体している為、秒間1%に減少。
全属性耐性
全てのダメージを半減する。
「これがアンラ・マンユ・・・。」
「うぅ・・・。前戦ったのと全く違う・・・。」
「ビリビリ来ますね・・・。」
「強い・・・。」
「では作戦通り私が!!。」
突っ込もうとしたチベルネだったが、
「待て。」
そのゼラの一言で止まる。
「どうかしましたか?。」
アリシアが伺う。
「こいつはアンラ・マンユじゃない。」
「だね。私もこんなアンラ・マンユ知らない。」
アリシア達とシルヴィア以外が姿を確認し頷く。
「そこまで強い感じがしない。」
シスがはっきりと言う。
「ってな訳だ。アリシア達だけで倒してもらおうかと思う。」
「え・・・。でも前戦ったナイアーラトテップ以上の存在かと思うのですが・・・。」
「能力値も此奴の方が上、スキルも厄介な物が多い、けど今のお前達に必要な戦いになると俺は思う。やばくなったら助ける。あ。リエは参加しろよ?。」
「うん。でも怖い・・・。」
「大丈夫です。私達がいます。」
ラズが自信満々で胸を張って言う。
「そうよ。」
「だね。」
ヴルリアとピーニュは笑いながらリエの肩に手を載せる。
「疲れてるけど、主に死なれたら困るから私も戦う。」
疲れが顔に出ているがやる気のあるヌゥ。
そしてユピがリエの肩に飛び乗って頬をスリスリする。
「ありがとう。」
「ではさっきの作戦は無意味ですね。」
ナルベアが苦笑いしながら言う。
「まぁそうだな。とりあえずその時の状況で頼むぞ。」
「はい。チベルネ、頼みますね。あとはその時に判断をします。」
「任された!!。」
そして戦いが始まる。
チベルネがタゲを集中的に取り、メディアも最前線で戦いタゲを引き受ける。
ルビニアも後ろで状況を伺いつつ斬り狙われたら回避し離脱する。
アリシアは前線の火力を超えても攻撃し続け危険を察知し回避しながらも攻撃をする。
リニも同様で撃ち続け、弾を消耗を気にしなくてもいい事が嬉しいのか常時笑顔で攻撃を大ダメージで中断させたり、タゲを引き受けても全て回避している。
ナルベアはHPが減ってきたら回復を、強化魔術を維持し、パリングバリアで危険な攻撃を完全に封殺している。
リエはラズ、ピーニュ、ヴルリア、ヌゥ、ユピが火力、防御、支援をしアリシア達の穴を埋めている。
戦闘開始から数分後。
神の抜け殻の攻撃は短調で避けやすく、魔力が無尽蔵だが魔術も魔力依存攻撃無いので非常に楽な戦いであった。
物理は急所を外すように動き、直撃しなければナルベアの回復が間に合う。
火力も足りており時間をかければそのうち倒せるレベル。
心配していた事が無く楽に事が進んでいる。
しかし離れた場所で姿と気配を完全に消してゼラは周囲を警戒しつつ、戦いを見ている。
無論シス達にも施している。
(おかしい・・・。絶対に何かが居るはず・・・。)
そう言って更に注意深く探る。
目だけでは無く匂い、音をも聞き分けている。
そして10分後。
髪の抜け殻が限界を迎え崩壊を開始する
それと同時に先頭に参加していた全員が100レベルと限界突破1を習得していた。
「・・・おわった?。」
チベルネが構えを解く。
「そうみたいですね。」
次々と戦闘を終えた為、装備をしまう。
「うぅ・・・。渡されたミニガン使いたかった・・・。」
「仕方ありませんよ。今のリニで私のバフを施した状態で使える代物なんですから。」
「ナルベア・・・。目がゼラ様と同じ・・・。」
「え?。」
ルビニアがそう言って手鏡を渡してくる。
「ず・・・ずるですよ!!。ゼラ様とお揃いなんて!!。」
アリシアが騒ぎ始める。
「流石にずるいな。私にもくれないか?。」
チベルネも羨ましいそうに言う。
「ダメです。これは私の物です。」
笑いながらルビニアに手鏡を返す。
「私も魔眼を習得しておけば・・・。」
「でも正直に言いますが、魔眼は見える情報が少なすぎて使い物にならないですよ?。」
「神眼だと?。」
「見えているものが全くの別物ですね。これがゼラ様の見ている世界・・・。はぁ・・・。こんなにも嬉しい事はありません・・・。」
HP、MPのゲージで分かる残量、全ての能力値が数値化され、習得しているスキルにそのレベル。
まじまじと全員を観察する。
「これは本当に凄いです。戦術の幅が一気に広がりますよ。」
「うぅ・・・。ナルベアのずる!!。」
「ふふ。何とでも言っててください。」
余裕を見せるナルベアと嫉妬でいっぱいなアリシアであった。
「凄かったね・・・。」
リエは初めての命がかかっている戦いに手が震えていた。
いつもどおり戦局を見て必要な場所へラズやユピを送って、ピーニュが回復、ヴルリアとヌゥが援護と戦いやすいように動かしながらデバフを付与し続ける。
常時相手の攻撃力は半減で更に与えるダメージを半減させているのでかなり事故が起こりづらい戦場になっていた。
カスってもダメがカスっても耐えるのでは全く違うのである。
「お疲れ様です姉様。」
「いつも良い指示だな。」
「流石は副マスターだね。」
「あ・・・。もう無理・・・。ねる・・・。」
ラズとヴルリアとピーニュはリエを褒め、ヌゥは浮いたまま寝ようとしている。
ユピはリエの肩で嬉しそうに震えている。
「それで先輩達の姿が見えないのですが・・・。」
「気配も感じられませんね。」
「とりあえず帳を開けるのだ。」
ヴルリアがリエにそう言う。
リエはアイテムボックスからゼラから預かったメール帳を取り出すが何も書かれていない。
「何も・・・。」
「困ったね・・・。」
「どうかしましたか?。」
ナルベアがリエの方へやって来た。
「先輩が見当たらないんです・・・。」
「ふむ・・・。何かを察知したから何かをしているのではないでしょうか?。」
「そうなのかな?。」
「そうですよ。何も言わずに行動するって言うのは確証が無い為でしょう。とりあえず撤退の準備をしましょうか。」
「うん!?。」
突然地面が揺れる。
「これは!?。」
「さっきの奴の更に濃い気配!!。」
チベルネとアリシアが揺れと同時に気配を感じ取る。
そして前の地面が割れ、その割れ目から邪悪なオーラが吹き出てくる。
更にそれが形を形成し始め人の形になっていく。
青黒い人型の様な化物がそこに現れた。
急いでナルベアが神眼で確認しようとするが、
「・・・っ!?。」
左目に激痛が走り右手で押さえる。
「ナルベアさん!!。目が!!。」
神眼が宿っていた左目が潰れ出血している。
「ナルベア!!。」
「大丈夫か!!。」
全員が駆け寄ってくる。
「大丈夫です・・・。傷は癒しました・・・。」
そう言って抑えていた右手を退かす。
しかし神眼の性能が無くなっていた。
「どうして・・・。」
「それより来るぞ!!。」
チベルネがいち早く反応し防ぐが、
「っくぅ・・・。」
化物の攻撃を受け止めた瞬間、急激に何かを吸われる感覚に襲われる。
「チベルネ!!。」
リニがダネルNTW-20で化物を吹き飛ばす。
「大丈夫。今治すから。」
そう言って治療を回復魔術を使用するナルベア。
しかし回復した感覚が全くしない。
「どうゆうこと・・・?。」
「あいつの能力か・・・。攻撃した相手を弱らせるのか・・・?。」
「そんなことよりこの状況やばいよ!!。」
「危険・・・。メディアでも対処不可能・・・。私もメディアと通して食らった・・・。」
「あれ・・・。本物のアンラ・マンユ・・・。」
リエが震えながら言う。
「あれが・・・。」
アリシア達は恐怖を覚える。
謎の攻撃と状態異常。
それでいてさっきのと違い動きが格段に速い。
反応がギリギリのレベル。
「非常にまずいようですね・・・。」
「逃げるにしても私達だけでは・・・。」
アリシアは弓を構え、ナルベアは戦うより逃げる事を考えている。
「ゼラ様は本当にどこへ・・・。」
「分からない・・・。」
「先輩・・・。」
しかし次の瞬間。
「「ホーリーノニュプルブレード」」
ゼラとシスがいきなり現れ、最大バフを施したホーリーノニュプルブレードをぶち当てる。
頭上にあった壁が綺麗さっぱり無くなり朝の光が柱が立ち込める。
「「「「「「・・・。」」」」」」
アリシア達とリエは完全に固まっている。
「ふぃ・・・。不意打ちで最大火力ぶちかますのきもちぃ・・・。」
「マスターとの同じ技での連携。とっても嬉しい。」
「あはは・・・。」
「これは酷いね。」
「くぅん・・・。」
「こやつに我を持たせるのは世界一危ないのでは・・・。」
化物は弱り果て地面にうつ伏せになり消えかけている。
「さてさて?。アンラ・マンユさんよ。卑怯とは言わせないぞ?。」
「マスターは勝つ為なら手段を選ばない。」
「当たり前だよな?。」
「うん。」
つんつんっとするゼラ。
「うぁ・・・。ぐぁ・・・。」
「なぁに?。聞こえんな?。」
「け・・・・・・。わ・・・た・・・を・・・け・・・て・・・。」
「・・・。」
ゼラは一旦考える。
「マスターどうする?。」
シスは聞いてくる。
「よし。俺が引き受けよう。」
「大丈夫?。」
「ああ。恐らく。なんか操られてこうなったみたいだからな。ほら手を取りな。」
そう言って化物、アンラ・マンユに手を差し伸べる。
「ア・・・。ア・・・。」
涙を流しながらゼラへと吸い込まれていく。
「おお・・・。」
そして完全に一体化した。
「せ・・・先輩・・・。」
「大丈夫ですか!!。」
全員が心配して駆け寄ってくる。
「ん~・・・。何ともない。むしろ体が軽くなった感じ。」
「当たり前じゃ。神を取り込んだんだからなのう。しかも神降ろしの比ではなく完全な神を宿したからのう。」
「そうなのか?。」
「そうじゃ。しかもこやつは私の剣の領域に侵入してそこで眠っておる。」
「え?。俺の体じゃないのか?。」
「気遣ったのじゃろう。だが我の領域に侵入していいとは良いことではない!!。不法侵入じゃ!!。起きたらギタギタにしてやる!!。」
(今すぐじゃない辺は優しいなこいつ。)
ティルフィングと会話をし全員がホッと胸を下ろす。
「しっかしティルフィングの火力は素晴らしいな。」
「うん。凄い。私より火力が上は凄い。」
「お?。分かるか?。」
「うん。だから私も新しい武器欲しい。」
「難しい相談ですね・・・。とりあえず考えはするか。」
「ありがとうマスター。」
二人は会話しながら来た道を戻っている。
「「「「「「あ。」」」」」」
その後ろを追うアリシア達であった。




