休憩
洞窟内で2時間程が経過した。
何事も無くシスとアリシア達は仮眠をしたり、食事を取ったりして時間を過ごしている。
ゼラもテントに入って仮眠をしている。
テーブルと椅子を用意して、そこにアリシアとシスとアウラは話をしている。
「本当にここは危険地帯なんでしょうか?。」
アリシアは危険な出来事がなさ過ぎてそう思ってしまう。
「危険。現に瘴気が濃かった。アビスワームもかなりの数が発生していた。」
「そうですね。ですが消滅させたので楽にここまでこれましたけどね。」
「向こうでもいたのですか?。」
アリシアは興味本位で聞く。
「いた。でも対策が容易かった。こっちじゃかなり厳しいってマスターが言ってた。」
「根本的に素材が集まらないって言ってましたね。入手経路に個数等に制限があるって言ってましたし。」
「あれを作るのは簡単なんですね・・・。」
苦笑いをするアリシア。
「先輩の感覚ではそうなんですよ。」
そう言ってリエが紅茶を入れ持ってくる。
三人はその紅茶を受け取り飲む。
リエは空いている椅子に座り自分も紅茶を飲み始める。
「美味しいです。私よりも。」
「そうですか?。先輩にコツを聞いてから味は確かに良くなったと思うけど自分以外の人に美味しいって言われたのは嬉しいな。」
「リエは努力家ですからね。最初の紅茶は流石にどうかと思いましたが。」
「あの時は入れた事が全くなくて・・・。恥ずかしい・・・。」
「恥ずかしがる事じゃない。初めてやる事は大抵失敗する。私だって最初の依頼でマスターがいない時なんかは獲物を粉砕したり、初めての料理は消し炭にしたり、初めての掃除では物を壊したり、初めての洗濯じゃ衣類を破いたりと酷かった。」
「それは私もですね。」
「私は未だに料理は苦手ですね。裁縫は得意なんですが。」
「嘘だよそれ。あんだけ美味しい料理作れてるし。」
「いえいえ。リエさんの料理の方が美味しいですって、私のはまだ個性が無いんですよ。」
「え?。そうなの?。」
「そうなんです。味は美味しいですが大抵はシスさんやアウラさんにゼラさんのオマージュなんです。当人の料理よりは味が落ちてしまいます。かと言って自作の味付けをすると変になって・・・。今物凄く困っているんですよね・・・。」
「それでも十分凄いんだけど・・・。」
「でもルビニアやリニの料理は独創的なのに美味しいんですよ・・・。ルビニアは甘味。リニは辛味の料理が美味しいです。特にルビニアのケーキは絶品ですね。」
「分かる・・・。あのシフォンケーキは今までの中で一番食美味しい。ミックスベリーのシフォンケーキ。」
「あれはマスターが伝授したレシピに自己流のアレンジを入れてた。」
「プレーンのシフォンケーキを何回もやいてましたもんね。あれはあれで美味しかったので覚えてます。」
そう言ってわいわいと話が始まる。
一方リニとルビニアは大きいテントを一つ独占し、
リニは銃を整備し、ルビニアはメディアを整備していた。
広さは15畳程あるなにもないただの空間ではあるがリニとルビニアの辺りには色々散らばっている。
「ん~・・・。そろそろ新しいパーツがいるかも・・・。」
リニはプファイファー・ツェリスカのバレルとシリンダの一部が欠けているのを確認する。
「うぅ・・・。今まで大事に使ってきたけど・・・。流石にここまでかな・・・。」
「メディアは大丈夫だったけど・・・。リニのそれは駄目・・・?。」
メディアの検査と調整を終えリニの方へ寄ってくる。
「無理だね・・・。前の戦闘で使った時に違和感があったからもしかしてとは思ってたけど・・・。はぁ・・・。」
「一番お気に入りだったのが・・・。悲しい・・・。」
「とりあえずこれは今回は禁止。正直壊れる可能性が高いから駄目。他はまぁ問題なさそうだし掃除して組み立ててよ。」
そう言ってテキパキと火薬のこびりつきを柔らかい布で拭き取っていく。
そして掃除を終えた後はは元通りに戻す。
弾をマガジンに入れていく。
「作業多い・・・。」
「そうだね。かなり多いけど良い武器だよ。音もこのフォルムも格好良いし。そしてそれでいて強い。まぁ弱点はあるけどそれでも近距離から遠距離まで戦えるのはこの武器だけじゃないかな。弓だと遠距離攻撃は500mあれば良いからね。これは2kmまで威力減衰無しでまっすぐ飛んで当たれば倒せるの。もう弓じゃ満足出来ない。」
「でも気をつけてください。私はそれで何回も頭が吹き飛んだのを見たので怖いんですよ・・・。」
「そうだね。でもここまで愛情を込めてメンテナスしてくれる子は初めてだね。」
「今後も大事に使うが良い。」
ラズは少し離れて見学し、ピーニュとヴルリアはその隣で体を寄せ合ってのんびり休憩している。
「んにゃ・・・。Zzz・・・。」
「・・・。」
ヌゥはユピを枕替わりにし完全に熟睡を始めている。
ユピも気にせずに寝ている模様。
「本当に皆はマイペースですね。」
そう言ってラズが入ってくる。
「ちゃ・・・。」
「いらっしゃいですよ。」
ルビニアは片付けながら、リニは作業をしながら挨拶をする。
「どこに行ってたの?。」
「何、戦闘でもしに行っていたんだろ?。」
ピーニュは首を傾げ聞く。
ヴルリアは呆れ顔で言う。
「私をなんだと思ってるんだ・・・。」
「え?。戦闘狂ではないのか?。」
「違う・・・。私はそこまでじゃないから・・・。殿に比べたら・・・。」
「あ~。そうだね。マスターはガチだからね。」
「どれは同意しよう。で?。」
「別に何も。ただ周囲を散歩していただけ。する事がないって困るね・・・。」
そう言ってピーニュとヴルリアの近くで腰を下ろし正座する。
「もっと楽な姿勢・・・。」
ルビニアが言うが、
「これが一番楽な姿勢です。皆にはいつも堅苦しい等と言われるけど・・・。」
「そりゃねぇ。」
「だな。」
二人は笑いながら言う。
「とりあえず一通り終えたし、お茶にする?。」
「賛成・・・。」
「その・・・。結構バラバラのままですが大丈夫ですか?。」
銃の状態を見て言う。
扱っていない者から見ればかなりの数がバラバラに見える。
「そこまでバラバラかな?。フラッシュサプレッサー、マガジン、ストック、他の細かい部品等を付け終わった本体って感じだし。そこまで多くないよ?。もっと細くしたらこれの4倍ぐらいの数になるよ。ボルト、コッキングレバーにセイフティー、トリガーって感じにどんどんパーツを分解出来るよ。」
「いえ・・・。そっちの小さい方の話なんですが・・・。」
「あっちはもうどうしようもないから完全分解したプファイファー・ツェリスカだよ。飲んだら片付けるから大丈夫。今すぐ行くぞと言われても片付けてすぐ出れるように布を敷いてあるんだよ?。」
「なるほど・・・。わかりませんが大丈夫なんですね。」
「そそ。とりあえず外で準備してくるね。くれぐれもここで火を起こさないでね。」
そう言ってリニは外へ出て行く。
「まって・・・。」
ルビニアも追いかける。
「平和ですね。」
「これから死闘になるって分かってる。不安は無いんだと思うよ。」
「まぁこれも主が凄いからだな。」
三人は笑いながらリニがお茶を入れてくるのを待った。




