実力の差
ミーティアルアと訓練した結果やっと二刀流を習得した。
しかし調子に乗ったミーティアルアはゼラに吹き飛ばされ気絶している。
気絶したミーティアルアを木の陰にもたれ掛かせ眺めている。
「マスターも大人気無いのう。」
「脳筋の方が年上だ。てかすぐに調子に乗るなこいつ。」
「仕方なかろう。今まで二刀流が出来ずに悩んでいたのだ。そして習得した。長年停滞していた成長が出来て嬉しかったのだろ。」
「そんなもんか。・・・サタンの方は上手くやってるみたいだな。」
建物の三階から覗いている二人をちらっと見て察する。
「マスターの人材選びは本当に素晴らしいの。これで私にも優しくしてくれたら・・・。」
「あ?。何?。もっと強くして欲しいって?。分かった。」
「え?。あ・・・。逆です逆!!。ぎにゃあああああ!!。」
大量の魔力を流しティルフィングが悲鳴を上げる。
壊れはしないが刃が超振動していて本人は凄く痛がっている。
「ゼラ様。」
そうやって遊んでいたゼラにカミラが声をかけてきた。
「お?。終わったか?。」
声がする方を見ると全員武器が手に馴染んでいる様に見えた。
「この短時間で物にするか。」
「まだまだです。ですが剣よりは扱いやすいです。」
「早速お願いします!!。」
「最初から全力で行きます!!。」
「手加減してください・・・。」
ミリィアンだけかなり弱気だったが他は目を輝かせて構えていた。
「ミリィアン。大丈夫。勝てなくて当たり前だから少しでも成長出来る様に全力で当たっていけばいいいの。」
「そうだぞ。俺らが勝てる訳がない。だから技術を少しでも見て、盗む。」
「それを糧にし次に活かす。それがこの訓練の意味だ。だから成長したいなら武器を振うしかないんだ。」
全員が覚悟を決めた顔をする。
「良い顔になったの。」
「さて俺は剣を使わない。攻撃もしない。ただ避けるだけだ。攻撃を当てれれば君達の勝ちだ。ただし一刻までに俺に攻撃を当てれない、疲労で動けなくなっても負けだ。準備はいいか?。」
全員頷き、ゼラはティルフィングを背中に背負う。
「分かった。じゃいつでもどうぞ。」
そう言ってただ突っ立っているゼラ。
五人はそれぞれ顔を見合わせた後に散らばり包囲するが暫く動かない。
「?。どうした?。来ないのか?。」
(隙だらけなのに行ったら駄目って本能が言ってる・・・。)
対立して分かる力の差。
カミラは特にそれを感じ取っていた。
(けど!!。)
カミラが一人突っ込む。
盾を構えながら突く。
動きは単純だが隙は少ないガン盾の構え。
「カミラ。それは状況が見えてる相手には読みやすすぎてダメだぞ。」
ダメだししながら盾を蹴り包囲を抜ける。
「うそ・・・。」
「あんなに高く飛べるのかよ・・・。」
アクトとミリィアンの上空を通り越し着地。
その着地と同時に下にいるサミラが突きを合わせる。
「なるほど。誘導したって訳か。。」
「え?。キャ・・・。」
着地と同時に来た槍の突きを右手で柄の部分を掴みその勢いを使い投げ飛ばす。
サミラは理解が追いつかず投げられ地面に叩きつけられゼラはそのまま距離を取って様子を伺っている。
「あの状況から投げれる・・・。本当に規格外です・・・。」
「いたい・・・。普通あの場面だったら防ぐか避けるよね・・・?。」
サミラの近くに駆け寄ったカミラ。
サミラは立ち上がりまた構える。
「三人共。早く動けるように。」
「情けないな・・・。」
「ああ・・・。」
「うぅ・・・。なんで動かないの・・・。」
カミラとサミラだけでゼラに攻撃をし続ける。
それを処理しつつゼラは三人に聞こえるように言う。
「それは威圧。レベル差を思い知らせる強者の特権みたいなもんだ。カミラとサミラはそれを振り払い戦闘してる。まぁ頑張れとしか俺は言わん。」
それから三人は一切動けず一刻が過ぎ、
カミラとサミラはボロボロになるまでゼラを追いかけ続けた。
三人はゼラの威圧が解かれて動けるようになった。
そして真っ先に二人の近くに寄って、
「「「ごめんなさい・・・。」」」
三人は疲れで倒れたカミラとサミラに悔しそうにしながら謝っていた。
「ううん。気にしないで。」
「私達は精神が強かっただけ。それは昔に奴隷にされた時に習得できた物だと思う。これから頑張ってね。今度は全員で戦えるよう鍛えましょ?。」
カミラとサミラは三人に笑顔で手を差し伸べる。
「・・・。絶対次は足を引っ張らない。」
「僕も今日で分かった。ゼラ様がどれだけ強くて、優しいのか。」
「え?。分かったの?。」
ゼフィーリドはゼラの方を見て言う。
「他人の意見を聞き、歩みたい道へ歩む時には力を貸してくれる。時には厳しく、時には優しく手を差し伸べてくれる感じがしました。ミーティアルア様が二刀流を習得出来た時の顔は優しい顔でした。けど調子に乗って挑んだ時は厳しい顔をして実力でねじ伏せていました。これがゼラ様の優しさですね。」
「え?。俺そんな顔してた?。」
「しておったぞ。楽しそうに。」
「・・・。」
ゼラはティルフィングを握り、
「え?。ちょ!?。」
「ふん!!。」
「「「「「え・・・。」」」」」
そのまま何処かへ飛んでいくティルフィング。
「さて。帰るか。ミーティ。」
「あ。はい。」
「次までにこの子達を上位職にさせとけよ。」
「え・・・。あ。はい。頑張ります。」
ゼラはそのままサタン達がいる建物へ向かって行く。
「照れ隠し・・・なのでしょうか?。」
カミラはそう分析する。
「さぁ・・・?」
「とりあえず今日の訓練は終わりましょう。昼ご飯はゼラ様が作って下さいます!!。」
そう言ってテンションが物凄く上がるミーティアルア。
「そういえば聞いた事があるな。ゼラ様の作る料理は美味で食べると他の人の料理が美味しいと思わなくなると。」
「楽しみでもあり、恐怖でもあるかな・・・。」
「私は一度食べましたがあれは凄いの一言だね。」
「ふふ。次回まで食べれないので沢山堪能しないとですよ。さぁ汗を流して服に着替えましょう。」
そう言って全員体を洗いにグランドの南側にあるシャワー室へと向かっていった。




