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施設内部

「凄いことになってるわね・・・。」


施設の最深部のとある一室。

そこは数々の実験体や人工生命体のカプセルがある大きな実験室。

キメラにスライムは勿論、もはや何かわからない異形生命体までが保管されている。

そこに銀色に輝くエルフが一人が石版みたいなのを眺めながら今の侵入者であるシス達に好き勝手された状況を見て呆れた顔をしている。


「ホワイトファングとハイエルフ達が逃げてる・・・。一体どうやればあの鎖を破壊できるの・・・?。新しいマジックアイテム・・・?。いや・・・。魔術・・・?。」


思考を巡らしているが到底解には至らない。

普通に斬ったは兎も角、魔術を一点集中させて破壊するという事はこの世界では非常識。

コントロールこそはするが術の形状を大きく変化させ威力を伸ばす方法はタブーになっている。

大昔にこの世界で魔術の形状を変化させた時に暴走が起こり場合取り返しのつかない魔術事故を引き起こし首都丸々一つを消した歴史がある為である。


「・・・。誰か来る・・・。」


気配を感じ扉の方を向く。

そして鍵はがかけられていた扉がぶち開けられシスがゆっくり入ってくる。


「・・・。異様な魔力値・・・。それでいて剣士?。」


「貴方がこの施設のハイエルフ?。それともローエルフ?。」


「はぁ・・・。ローエルフよ。この姿は魔力を一定以上溜めたからこんな感じになってるだけ。」


「そう。」


シスは構え、


「貴方を拘束する。抵抗し反撃した場合貴方を倒す。」


「はぁ・・・。分かったわ・・・。力の差が酷すぎて勝てる気が全くしないわ・・・。はぁ・・・。復讐てのは最終的にこんなちっぽけで虚しいのね・・・。あの子達にあんな仕打ちしても全く気持ちよくないし・・・。気分が晴れもしない・・・。先代だったら別かしら?。いやもう私にはあの頃の憎しみがほ薄れていた?。それとも別の感情だった可能性もある?。」


ブツブツと吐きながら考え出す。


「ん?。案外素直。」


シスは構えを解く。


「当たり前よ。私はね勝てる見込みの無い勝負する程阿呆ではないの。そもそも私はハイエルフに復讐出来ればそれで良かったと思ってたけど現状見てもらった通り胸糞悪いだけだったわ。」


「そう。」


「そういえばセルゼガルって男はどうなったの?。」


「死ぬ。これは確定事項。」


「ふ~ん。言い方が死んだじゃないのね。」


「マスターがそうするって決めた事は絶対に起こる。マスターは私よりも強い人だから。」


「貴方より?。」


「うん。私はマスターに負けたから。」


「貴方を負かすって・・・。化物?。」


「化物じゃない。優しくて強い人。」


「ふ~ん。会ってみたいけど彼女達は私を殺しそうね。」


シスは後ろを向くとハイエルフの三人がそれぞれ術を発動間近にし入ってきた。


「シスだったわね。貴方に私をどうするか決めて。殺すのも生かすのも。」


「生かす。貴方にはマスターに会ってもらう。それから処分を決める。それでいい?。もし反論があっても私は貴方達を力で制圧する。」


三人に威圧すると恐怖からなのか魔術は解除し跪く。


「「「申し訳ございません・・・。」」」


「気にしてない。とりあえず三人はこの人が逃げないか見てね。」


「そういえば自己紹介が互いにまだ終わってなかったね。私はレリア。元々はエルフで進化の過程に失敗しローエルフになった研究者よ。そしてその子達の先代に裏で拘束され魔大陸に捨てられたのよ。まぁ今となってみたらその方が有難かったかな。ハイエルフより強くなれるって証明できたし何より自由に生きていけたからね。」


「私はシス。全てはマスターの為に動く従者。」


「それより貴方達には悪ことをしたね。まぁ恨んでもらっても構わないよ。」


「・・・。本当に虐待を限りを尽くしたのは貴方ですか?。」


レリアに悲しそうな顔をしながら伺うルーンメル。


「やったのはセルゼガル。私は復讐として力を貸しただけ。まぁ信じなくてもいいよ。嘘だと思ってくれても構わないよ。貴方達からすれば私が命令させたと思うでしょうし。」


「とりあえずここのモノは全て破壊する。」


そう言って剣に魔力を込めて構え横に薙ぎ払う。

魔力衝撃と物理衝撃により全てのカプセルが壊れ中に居た生物までも絶命し部屋の半分が跡形も無くなり小さなトンネルが出来上がる。


「「「「・・・え?。」」」」


四人はシスが放った攻撃の威力が次元が違うのに驚き固まっている。


(嘘でしょ?。あの生物兵器全てを一瞬で?。次元が違うって言っても私でも一体一体なら相手出来るレベルなのに・・・。本当に神様か何か?。)


「資料はレリアの頭の中に全部持ってるからここにある物全て破壊する。行くよ?。」


そう言って扉から出て出口を目指す。


「「「「っはっはい!!。」」」」


四人共こう思った。


(絶対に逆らわないでおこう。)






一方ローミナとセフィリア。


「・・・。行くよ。」


「ふぇ・・・。」


出口へと急いで移動していた。

未だに全裸のままで居るセフィリアは羞恥心が限界突破している。


「もう服着させて・・・。お願い・・・。お願いだよ・・・。ローミナ・・・。」


移動中にローミナに抱きつき服をせがむ。


「もうセフィ・・・。非常事態なんだからもう少しは我慢してよ・・・。はぁ・・・。仕方な・・・誰?。」


前方から視線を感じたローミナは構える。


「ほう。俺に気付くか。」


前方の物影から全身黒色の男が現れる。


「う・・・。見られて・・・。男の人に・・・。もうお嫁に行けない・・・。」


男に見られその場に蹲る。


「悪いがその子を返してくれるかな?。」


「嫌と言ったら?。」


「力尽くで返してもらうよ!!。」


短剣を抜きローミナに襲いかかる。


「遅い!!。」


「っは?。」


男はローミナの速さに反応出来ず残像を見極めることできなかった。

そして後ろに回り込んだローミナに首を斬られる。

しかし血飛沫は飛ぶことは無く黒い液体みたいなのがその場に落ちる。


「・・・。っち。厄介な能力持ち相手か・・・。」


「いやーこれは驚いた。情報以上の強さを持っているようだね。」


そして後ろにいつの間にか現れている男。


「セフィ。立って。」


「でも・・・。」


「邪魔だからここから離れて。」


「・・・。うぅぅ・・・。ごめんなさい・・・。」


立ち上がりさっき来た道の逆へ走る。


「良い判断だよ。」


「悪いけどもう黙ってくれる?。」


「な!?。」


またもや反応出来ず胸を貫かれていた。

しかしさっきと同じように液体がその場に落ちるのみ。


「無駄だよ?。いくら君が速くても俺を・・・。」


「・・・。」


言い終わる前にまた首を刎ねる。


「君も・・・。」


そして現れた瞬間首が飛ぶ。

次からは出現と同時に首が飛ぶか胸を刺されるという状況になる。

そして暫く現れなくなる。


(逃げた?。いやまだ居るはず。)


「どうやら想像以上に強いようだ。本当は軽く遊んで殺すつもりだったけどもう辞めよう。」


「・・・。」


現れたのは1人では無く10人同時に現れる。


「どうだい?。死なない俺たちをずっと相手に出来るかな?。」


「・・・。はぁ・・・。こんな小物相手に・・・。」


構え直す。


「っはっは。小物とは酷いな。」


「じゃ本体が出てきたらどう?。臆病者。」


「慎重と言って欲しいな。ではそろそろ終わろうか。」


そう言って男達は全身に紫色のオーラを纏い襲いかかる。

ローミナは一体の首を刎ねる。


「っつ・・・!!。」


しかし刎ねた一体が黒い爆発を起こす。


「っはっはっは!!。どうだい?。倒すと爆発するんだ。これで君は攻撃できないね!!。」


「・・・。」


後ろに飛び隠密で姿を隠す。


「次はかくれんぼかい?。いいよ。乗ってあげよう。」


ゆっくりと歩き追いかける。


(本体を叩かないと駄目な相手は私は・・・。)


そう考えつつわかりやすい様に血痕を残しつつ逃げる。

先程の爆発で右腕をやってしまった。

そして3分ぐらい走った後、今は部屋に入り隠れている。


「っはっはっは!!。怪我をしているのはわかっているのだよ?。大人しく出てきくれないかな?。」


そして入ってきた男は自分が優位な為に慢心しきっている。


「・・・。」


「やっと現れたね。全く時間稼ぎも困ったもんだよ。」


ローミナはただただ現れ黙るのみ。


「まぁいいよ。さっさと倒して彼女を回収しよう。」


「何故セフィを狙うの?。」


「ああ。君は知らないのか。彼女の本質を。」


「本質?。」


「彼女は神に愛された肉体なんだ。汚れを受け付けない神にとってこの世界の具現化するのに最高の肉体なんだよ。」


「それだけ?。それだけの為にセフィの命を・・・。」


「私達にとって神が絶対なんだよ。信託しか俺は信じない。信じたくもないね。っと喋り過ぎたな。ではしんでも・・・ら・・・。」


突然全ての男は崩れ落ち消滅する。


「・・・。はぁ・・・。間に合ったのね・・・。」


「はい。まぁもっと早く出して下さればこんな追い詰められませんでしけどね。」


ローミナの横に水が集まりアウラが現れる。


「さっきの男は?。」


「結構近くにいましたよ。隠密で隠れてただけでしたし。死体は爆発させたのでないですが。そういえばセフィリアさんはこの部屋の前の部屋にいますよ。」


「爆発・・・。そしてそこまでもう調べがついているんですね・・・。」


「あ・・・まっ・・・。」


アウラの声を聞かず部屋を出て向かい側の部屋の扉を開ける。

中は寝室でベットが2つと机が二つあるだけだった。

そのベットの下に何かを着て隠れているセフィリアを見つけたローミナは、


「セフィ。終わったよ。」


「ふえ?。」


腑抜けた声を出しベットの下から出てきた。

そして顔を真っ青にしローミナの腕を恐る恐る触る。


「血が・・・。ローミナ大怪我してるじゃない・・・。」


「あ・・・。忘れてた。」


「もう。とりあえず処置しますよ。」


水で血を軽く洗い流しポーションを渡す。


「ありがとうございます。」


ぐびっと一気飲みをすると傷は一瞬で消え骨折も治り元の綺麗な腕に戻る。


「凄いですね・・・。」


「ああ・・・。ありがとうございます・・・。ありがとうございます・・・。」


セフィリアはアウラに頭を下げて礼を言う。


「大丈夫ですよ。ですがローミナさん?。出来たらもっと早く私を出してくださいね。」


「う・・・。すいませんでした・・・。」


「よろしい。では後はこれで綺麗にしたら外に出ましょうか。」


と言った瞬間轟音と共に振動が施設全体に広がる。


「きゃぁぁあ!!。」


「凄い音と揺れですね・・・。」


「あ~。シス様が本格的に破壊を開始した感じですね。脱出を急いだ方が良さそうです。」


アウラの言葉に二人は驚く。


「あのもう破壊行動を・・・。」


ローミナは早すぎると思う。


「シス様は効率重視で動くお方です。おそらくですがここの研究代表者でも捕まえたのでしょう。それで破壊をしていく流れになったのかと。」


「怖い人ですね・・・。」


素直に聞いただけの感想を言うセフィリア。


「そんな事ありませんよ。」


「そうだよ。物凄く可愛らしくて強いお方だよ。会えばセフィも仲良くなれるよ。」


「そうでしょうか・・・?。」


「とりあえず急ぎましょう。シス様が完全に撤退するようにと命令が出ました。」


アイテムボックスからメモ用紙みたいな物に撤退と書かれているのを見てアウラ急ぎ先頭立ち急ぐのであった。




一方スィーナ達は。


「う~ん。重要な物はなさそうだね~。」


「薬みたいなのはありますが。」


スィーナは小狼を抱えながら部屋を片っ端から調べ上げている。

しかし重要な物や実験体などは見当たらず外ればかりである。


「!!。」


「どうかなさいま・・・!?。」


轟音と揺れを感じる。


「これシス様の魔力だね。」


「お仲間様ですか?。」


「うん。私より強い人。上司と言っていいかな。ってこの感じだと破壊してる感じかな?。じゃ僕たちは外に出ようか。」


「よろしいのですか?。」


「うん。邪魔になったら駄目だからね。こんなに早く破壊行動をするって事はもう用事は終わったって事だよ。ほら。」


アイテムボックスからメモ用紙みたいな物を取り出すと紙に撤退っとだけ書かれていた。


「これは?。」


「連絡用のアイテムだよ。とりあえず外へ急ごう。」


そう言って部屋をでると廊下に何やら不穏な雰囲気が漂っている。


「・・・。これは・・・。」


「これは邪気です!!。まずいですよ!!。」


邪気

相手に秒間現状の最大HPの1パーセント継続ダメージを与えステータスを全て-1000の弱体を付与する。


「何かきますよ。」


ゆらりゆらりと大男が巨大な斧を持って近付いてくる。


「あれは!!。」


「知ってるの?。」


「はい!!。クレイジーオックスです。巨大な力で振るう斧は大地を砕き、強靭な肉体は剣では斬れないず、魔術にも強い魔獣です。」


「ふ~ん。弱そう。」


そう言ってスィーナは詠唱を始める。


「原初の風よ。今かの者を飲み込む龍となし、全てを斬り刻め。ストームドラゴン。」


嵐属性の最終魔術を放つスィーナ。

風は大きな龍の顔になり口を開けクレイジーオックスを飲み込む。

まるでミキサーに入れられたように身体の全てがぐちゃぐちゃのミンチとなり血が肉片と一緒に飛び散る

。


「うん。やっぱりこれで耐えれないんじゃ勝負にならないかな。」


「・・・。」


スィーナの放ったとんでもない威力の魔術に小狼は思った。


(この方・・・。本当にお強い・・・。)


尊敬する眼差しでスィーナの顔を見上げる。


「僕達も外に出よう。少し急ぐから口は閉じておいてね。」


小狼は軽く頷く。

それを確認した後部屋をでて高速で浮遊移動を開始し出口を目指す。



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