夜襲
そして12時間が経過した。
ご飯を食べたりコンディションを整える時間となった。
そして時刻は真夜中。
辺り一辺暗闇で見えない。
「本当に行くのか?。」
砦の外で見送るガンガオ。
「ああ。まぁ暗闇ぐらい問題ない。もう既にアリシア達とルーガリとローミナにも強化魔術と一緒にナイトビジョンっと言う魔術を施してる。」
ナイトビジョン
暗闇でも見えるようになる。
「これは斬新な見え方だな。」
「凄い・・・。夜襲なんかじゃ無敵じゃないかな?。」
夜なのに昼間と全く同じ見え方をしている。
急な光りに弱い訳ではないが、
「ふむ・・・。目が少し青白く輝いてますね。」
ナサリーが気がついた。
効果時間中は少し目が光る為気付かれ易い。
「そうなんだよね。まぁそこはインジブルで隠せるから問題ないけど。」
「あれと一緒に使えるのは正直勝てる気がしないんですが・・・。」
「ゼラ様。」
ナルベアが時間になったので呼ぶ。
「てか本当にそれで行くのか・・・?。」
ゼラはシスにお姫様抱っこされている。
「そんな事言ったらナルベアもチベルネに抱かれてるしサリアもアリシアに抱かれてるぞ。」
「そうなんだがな・・・。」
「ガンガオよ。こいつに何言っても駄目だぞ。俺以上の変人だ。」
「褒めるなよ~。」
「褒めてないんだが・・・。」
と呆れ顔をしている二人。
「じゃ行ってくる。キャリーさんには行ってきますと言っておいて。」
「分かった。しかし彼奴はよく眠ってるよ・・・。」
キャリーは張り切って見送ると言っていたが結局睡魔に勝てず寝ている。
「それじゃ行くか。先頭はルーガリとローミナに任せる。」
「ああ。」
「じゃ遅れないで付いてきてくださいね。」
そして二人について行きに暗闇へ消えていく。
「さぁ俺らも寝ようか。」
「そうですね。」
二人も寝るために砦の中へ入っていく。
暫く森を進む。
「しかし凄いな。こんなに力が溢れてくるなんてな。」
「いつもの3倍ぐらいの速さで走ってるのに疲れない。」
「この調子なら1時間ぐらいで到着するな。」
森の中を全力で駆け抜けていく。
道中襲ってくる魔物はリニの狙撃とサリアの風魔術で倒していく。
「全速力中の遠距離での正確な攻撃か・・・。」
「うん・・・。これ負けて当たり前だよ・・・。」
「褒めても何も出ないよ?。」
「う~ん・・・。このサプレッサーはあまり好きじゃない・・・。」
そう言ってサプレッサーをいじるリニ。
マキシマム専用オメガサプレッサー
マキシマムの発射音とマズルフラッシュを完全に遮断するが威力と有効射程が70%に下がる。
「私はそれの方がいいのだけど・・・。」
「いやいや。やっぱりあの音が無いと駄目だよ。」
サリアがため息をしリニはサプレッサーを外したがっている。
「リニ。今回は俺が良いって言うまでそれは外すなよ。」
「分かってます・・・。分かっていますが・・・。ん~・・・。外したい!!。」
リニの精神の戦いが始まった。
「あの武器そんなに音が出るものなのか?。」
「ああ。夜中にあんなもん乱射したら即バレる。」
「今度その音聞かしてもらえるかな?。」
「リニの熱い熱弁入るがいいか?。」
苦笑いしながら言うが、
「うん。リニさんと仲良くなりたいから。」
笑顔でそれを返す。
「そういやローミナはアサシンだったな。」
名前:ローミナ
種族:人間
職業:アサシン
レベル:99
筋力:5800
俊敏:10000
耐久:4200
魔力:4000
幸運:7000
装備:ミスリルの短剣・夜の軽鎧シリーズ・鉄の投げナイフ×30
スキル:短剣術8・盗み8・隠密9・投擲術8
盗み
相手からアイテムを盗むスキル。
一般的なアイテムボックスからなら盗めるがゼラが持つアイテムボックスには効果が適用されない。
レベルが上がれば成功率が高い。
隠密
気配を消し相手に察知されなくなるスキル。
魔眼や神眼に見切りや直感持ち相手には効果がない。
レベルが高い程見つかりにくくなる。
「ふむ・・・。これを渡しておく。」
そう言って以前サリアとルビニアが使っていた短剣2本を差し出す。
「これは・・・。物凄く良い装備ですね。そちらの鍛冶屋は良い職人が居るみたいですね。」
「あ。それ俺が作った短剣だぞ。」
「え?。」
「錬金術で作った武器。性能はお墨付き。ちゃんと手入れもしてるし壊れても修復可能だぞ。」
「・・・。もう驚きません・・・。ではありがたく使わせていただきます。」
そう言って近寄り受け取る。
「武器まで作れるのか・・・。」
「気にするな。正直リニの武器とルビニアのメディアが規格外すぎてこの短剣程度じゃインパクトに欠ける。」
「そうだな・・・。メディアについて話を聞いた時なんでそんな武器が生まれたのか不思議で仕方がなかったがまぁ気にしないでおこう・・・。」
「さて森を抜けるな。」
森を抜けると一面荒野が広がる。
「シス。」
「ん?。」
「疲れてないか?。」
「大丈夫。寧ろマスターの方が疲れてない?。」
「ありがとう。大丈夫だ。他に疲れた人はいないか?。」
全員問題ないと頷く。
「じゃこのまま帝国に向かうぞ。」
そして予定通り帝国を目の前にする。
「皆止まってくれ。」
そう命令すると全員その場に止まる。
すると上空から今まで姿が無かったアウラとスィーナが現れる。
全員その場で停止しアウラとスィーナを迎える。
「ご苦労様。どうだ?。」
「地図の作成できていますよ。」
「アウラと僕の合作で風と水で地形を完全に把握した物で隠し通路まで書いてあるよ。」
そう言って地図をゼラ受け取る。
事前に帝国へ二人を向かわせ地形の情報を集めてもらっていた。
「ゼラ。彼女達は?。」
ルーガリが説明を要求してきた。
「ああ。アウラとスィーナだ。アウラは水。スィーナは風の術者だ。」
「話は伺っております。ルーガリとローミナですよね?。よろしくお願いします。」
「よろしく。」
「ああ。」
「なんか警戒されてるんだけど・・・。」
若干ではあるが威圧を放つ二人。
「まぁアウラもスィーナも敵に容赦しないからね。」
「シスと同じタイプか・・・。」
「う~・・・。一体どれだけ強者を従わせてるの・・・。」
「うふふ。前の所属していた場所では私達含め30人を従えていましたよ。」
「そうだねぇ~。皆主様には頭が上がらないぐらいお世話になったね。」
「もはや王だろそれ・・・。」
アウラとスィーナが話しているのはゼラがテイムした使い魔の数である。
結局残ったのはシスとアウラとスィーナ。
他は自分の手元では腐ると思いワールドサモナーである副ギルドマスターやギルドメンバーに貸出をした。
しかも君達が引退するまで好きな子達使って引退する時に返してくれたらいいよと。
「そんな事ない。普通だ。普通。さてルーガリ。これを見てどこから入る?。」
地図を空中に投げると宙で広がる。
「ふむ・・・。まぁ隠し通路から行くのと正面から行くのがいいだろ。今回の裏で動いてるセルゼガルと言う男は用心深く、いくつも手を用意している。俺が死んだ事になって何を仕出かすかは予想がつく。」
「ほう。それは?。」
「俺の妹を寄り代に神を召喚するつもりだ。」
「なかなかに興味深いお話だ。」
「実際セルゼガルの研究所はこの帝国には無くここから南に下った先にある洞窟の中にある。そして俺が死んでまだ1日も経っていない。俺が出撃した時はまだ妹と帝国にいたのを考えると明日にはいなくなるだろう。」
「てか神降ろしってさかなりの魔力が必要なんじゃなかったっけ?。」
「ああ。だからその研究所に今までに襲ったエルフの村のハイエルフ達が10人ぐらい保管されている。あと協力者のローエルフと呼ばれるハイエルフの逆の存在も確認済みだ。」
「ん?。ハイは分かったがローってなんだ?。」
「ハイエルフはエルフの中でも天の力を目覚め白銀の髪が特徴で魔術が得意なエルフ。ローエルフって言うのはハイエルフの進化の過程で失敗したエルフだ。そもそもハイエルフの数はかなり少ない。そしてローエルフはほぼ居ないと言っていいほど見ないって言うが実際は失敗の過程で死ぬらしいが何故か生きておりセルゼガルの元で協力している。」
「あ~。なる程な。」
「何がだ?。」
「そのローエルフ。高確率でハイエルフを恨んでる。話を聞いた限りローエルフはほぼ居ないって理由が思いつく限り失敗したら死ぬじゃなく殺されるが正解だろうな。」
「そうなのか?。」
とルーガリはアリシアに聞く。
「いえ。私達の方でもローエルフになれば死ぬと言われていましたのでなんとも・・・。」
「まぁ真相は分からんがそう考える方が自然かなって。だってハイエルフ集めて生贄にするんだぞ。何かしらの恨みしか思いつかんよ。後考えられるのはマッドサイエンティストってぐらいだが。」
「なんだって?。」
「まぁ狂った学者だよ。自分の快楽の為ならどんな犠牲も気にしない。だがそいつはハイエルフのみに固執してるんだろ?。」
「そうだな。人間や普通のエルフには興味を持たないな。って事はやはりそうゆうことになるか。」
「まぁ本人に聞けば分かるでしょう。じゃ班分けだがルーガリはセルゼガルをやればいい。妹の救出にもしもの為に俺が同行する。ルートは裏ではなく上空からだ。そしてアリシア達は正面から当たって注意を引いてくれ。注意がそれたら俺とルーガリは侵入する。シスとアウラとスィーナはローミナと一緒に研究所へ向かって情報の確保が終えたら徹底的に破壊してきてくれ。」
シス達とローミナも頷き、アリシアも分かりました跪く。
「ふむ・・・。悪くはないが上空とは?。」
「そのままの意味だ。飛んで上から入る。あの大きな城の屋根から入る。」
「・・・。可能なのかそれ?。」
「余裕余裕。ちなみに発射地点はここからだぞ。」
「っは?。」
そして各自それぞれ作戦の場所へと向かった数分後。
「なぁ・・・。本当にここから届くのか・・・?。」
城までの距離は大体30kmぐらい離れている。
「大丈夫大丈夫。気合と根性で。」
「心配だ・・・。命が・・・。」
そして帝国の方で爆発が起きる。
リニのグレネードランチャーの爆発である。
そして続いてドドドっと言う射撃音も響き何かが輝き放たれるのも確認出来た。
「本当に煩いな・・・。」
「まぁそういう武器ですし。じゃ行くぞ。」
「ああ。いつでもいいぞ。」
ゼラはルーガリの両足に何かを装着し自分の両足にも装着する。
そしてルーガリに背負ってもらい。
「じゃ行くぞ。」
「すぅ・・・はぁ・・・。っふ!!。」
「グラビティ。」
グラビティ
補助魔術の一つ。
対処のにかかる重力自由に操れる。
自前に説明した通り思いっきりジャンプと同時重力を下向きではなく城の方向の斜め上にし空へ向かっていく。
「おおう!?。」
「じゃ起爆。」
そしてパシュンっとルーガリの両足の物が空気みたいなのを爆発させ更に加速し上空へと上がっていく。
「速い速い速い!!。」
「おほほ~。更にブースト。」
更にゼラの物も爆発し更に速度が上がりマッハ1まで到達する。
雲を突き抜け地上からは確認されなくなる。
「しぬぅ~!!。」
「あはははは。」
そしてその後重力を操り城の屋根までひとっ飛びし静かに着地した。
「うぇ・・・。うげ・・・。」
「おいおい。貧弱だな。俺はこんなに元気なのに。それでも近接職か?。」
「無茶言うな・・・。もう絶対お前の作戦に同意しないぞ・・・。」
「そんなことより侵入するぞ。今は見張りが少ないはずだし。じゃインジブル。デットサイレンス。」
ゼラとルーガリの姿は他人から認識されなくなり自分の身から発する音は全て消える。
デットサイレンス
自分が発する音を完全に無くす魔術。
足音だけではなく鎧の音や剣の振るう音すら消える。
「おい・・・。これお前には見えて聞こえてるのか?。」
そこに1枚紙が落ちる。
ルーガリが拾う。
「え~っと。術者のみ施した者の姿見えて音も聞こえるので指示は出せないのでいる場所へ案内してくれ。分かった。ちゃんとついて来いよ。」
そう言って紙を丸め捨てる。
その紙が宙に浮き消える。
「拾ったのか。まぁ今のは俺が悪いな。じゃ向かうぞ。」
廊下を階段を駆けて行く。
道中兵達が歩いていたが飛び越える。
しかし全く気付かれない。
「本当に凄いな・・・。」
そして扉に二人の見張りの兵がいる所まで来る。
そして物陰で様子をうかがっていると今度は紙を右手に掴まされる。
「・・・。10秒後首を刎ねろ。カウントは頼む。分かった。」
カウントを始めそして0と同時に首だけを刎ねると音もなく崩れ落ちる。
「なる程。ではこのまま突撃するが。」
紙を渡された。
「任せるか・・・。ふん。任された。」
とそのまま突撃する。
バンっとドアが開け突撃すると魔法陣が発動する。
「ぐぁ・・・。」
魔術が全て解除され姿が露わになると同時に身体が動かなくなる。
「ほう・・・。これは予想外だな。」
部屋の中には男が一人ルーガリの方を向く。
「セルゼガル!!。」
「生きていたのは驚いた。まさかお前が襲撃者の一人だったとはな。」
「セフィリアはどこだ!!。」
「彼女は大事な寄り代。研究所で安全に保管しているさ。」
「そうか・・・。なら!!。」
「っっつ!?。」
動けないと思っていたルーガリが物凄い勢いで襲いかかる。
横腹を斬ってしまうが浅い。
「っち。浅いか。」
「何故だ!!。何故動いている!!。」
「なんでだろうな。とりあえずお前は死ね!!。」
「ちぃ!!。」
連続で斬る。
しかしセルゼガルは魔力で武器を創造しそれを防ぐ。
「なんだこの力は・・・。お前はここまで強くなかったはずだ!!。」
「知るか!!。俺はお前だけは許さない!!。」
「しま・・・。」
体勢を崩されそのまま突きが胸に向う。
しかし、
「ぐがぁ・・・。」
いきなり弾き飛ばされる。
「ふん。まさかお前にこの力を使う羽目になるとは・・・。」
セルゼガルの前には天使が現れていた。
「天使・・・。っち。邪魔しやがって・・・。」
「それでは私は失礼するふっぐ・・・。」
突然身体が痺れる。
天使も同様に動けなくなっていた。
「邪魔だ。」
天使を真っ二つにし葬った後セルゼガルに近付く。
「な・・・ぜ・・・。」
「何故だろうな。とりあえずお前は死ね。」
胸に剣を突き立てられる。
「あ・・・が・・・。ごふ・・・。」
「二度と会うことはないだろう。」
そう言って突き立てた後捻る。
セルゼガルはそのまま息絶える。
目を見開きそのまま絶命する。
「お前も意地汚いな。」
「用心深いって言って欲しいな。まぁとりあえずどうする?。」
ゼラは術を解除し笑いながら出てくる。
「こいつに協力していた貴族共を。」
「じゃまたやるから自由に動いてくれていいぞ。」
「そうさせてもらう。」
この日帝国に住む全貴族の7割もの当主が殺害されるという異例な事件が起きる。
皆が口にして言うのは罰が当たったと言う。
殺された貴族は裏で薬物や奴隷など違法のモノにまで手を染めていたり、民から過剰に税を集めていたり事ある毎に民達に酷いことをしていたかなり評判が悪い者ばかりで、後日これを機会に民達がその貴族の親族に仕返しとばかりに仕打ちをする。
貴族達はその民を鎮圧出来ず取り壊され、帝王であるルーガリは民へ支援し貴族達の方には一切力を貸さなかった。
これによりルーガリの評判も良くなり民から支持されるようにもなる。
それから裏で繋がっていた組織も徹底的に壊滅させ帝国では奴隷や違法な薬物の取引が出来ない環境となる。
そして評判が良く民達の為に働いていた貴族達が穴を埋め新しい者を育成し治安や経済が安定していくのに民達は大いに喜んだ。
その大量の殺戮は神罰の日とされ帝国では特別な日になる。
更に伝説として悪い事をすると神罰が下ると受け継がれていき全世界で犯罪が少ない国となる。




