成長
それから1週間が経った。
リニとルビニアの職は銃使いからガンナー、人形使いから傀儡師になった。
リニの武器は変わらないがルビニアの武器である人形のメディアは最初は真っ白の少女だったが今では紅の魔力を纏って死神の様な怖可愛い姿をしている。
メディアは敵対勢力が居ない場合は普通の少女に戻るが戦闘中はオーラーを纏い戦っている。
最初の頃に比べ強さが尋常じゃなくアリシアよりも格段に強い。
ただ人形が強いってだけで本体のルビニアは近接戦ではほぼお荷物だが最近はゼラに近接戦闘の対処方法について学んでいる。
リニは新しい銃が見たいとゼラにおねだりするぐらい銃が大好きっ子になっており整備も最近覚えた。
自分で整備したプファイファー・ツェリスカはスキルのガンスミスの効果で更に威力と安定性が増している。
ガンスミス
銃器の整備及び修理が出来るようになる。
レベルが高いほど銃の安定性と威力が上昇し修理速度と装填速度が早くなる。
習得方法は銃の知識持っている時に構造を調べる事。
サリアは錬金術を主に上手くなるコツを聞いてきたのでとにかく数をこなせと言うしかなく現在ライフポーションやマナポーション、更にゴブリンの素材で武器やリニの弾薬を作らせた結果が錬金術レベルが8まで伸びた。
サリアもこんなに試行錯誤を重ねたり、武器やアイテムを作ったのは初めてだった。
1週間の内半分を錬金術で時間を費やし後の少しをレベリングに使っていた。
ナルベアはゼラの戦闘方法を伝授して欲しいらしく次の最上位にサモナーになる事を決めたと報告する。
ゼラも止めもせず了承しあだ名が一号になったが本人はなぜか嬉しそうである。
現在は少人数で大群を相手にした時の立ち回りや戦い方を教えている。
レベリングの時でも立ち回りが前とは比べならない程的確になっており、一切邪魔をせず回復とヘイト管理をするので理想的なヒーラーである。
アリシアとチベルネは現状最上位の中間にいる為他の子を優先して上げると事前に説明を受けており何も文句を言わず二人で鍛錬やゼラの補助にリニとナルベアの相手と色々とやっている。
二人はこの1週間で意気投合し言葉を話さずとも意思疎通出来るようになっていた。
現在拠点にて予定を変更する為に集まっている。
アウラとスィーナは外で警備。
シスは相変わらずゼラの座った後の膝に座る。
6人はその前に横並びになっている。
「なんか皆凄い成長速度で驚くんだが・・・。」
やろうと言い出した本人が少し戸惑っている。
ゲーム内では最上位に上がるのに大体2週間前後。
課金アイテムで経験値ブーストを考慮しても1週間前後はかかる。
いくらパワーレベリングが有効だとしても早すぎる。
(向こうとこっちじゃ必要経験値はこっちの方が低い?。)
「ゼラ様に追い付く為なんですから当たり前だと思いますよ。」
「そうです。命令に従うだけでリニとナルベアが劇的に強くなり、サリアは錬金術の腕前が以前と比較すると格段に良くなって現在では投げナイフの質ですら異常であれを使い捨てていい武器じゃないと思うぐらいです。」
「ナルベアはこの1週間で動き方に無駄が少なくなって動きも良く他人が動きやすいように動いていますよ。」
アリシアとチベルネは思った事を言葉にし伝える。
「アリシア様。そんな事ありません。私はまだ無駄が多く状況も的確に読めないですよ。」
「私も・・・。まだこの子の力出し切ってない・・・。」
「私もそうですね。早く次の武器を見たいです。」
「リニ。それはいい素材が出ないと無理だからね。私もレシピを見せてもらったけど正直揃うか怪しいレベルなの。」
「んん・・・。とりあえずアリシアとチベルネ以外のレベルが98だ。次の最上位の職はナルベアがサモナー。サリアがソーサラー。リニはハイガンナー、ルビニアはマスターマリアネットでいいよな?。」
四人は頷く。
「じゃ早速上げに行くか。シス起きて。」
膝の上で寝ていたシスを起こし獲物を探しに出かける。
拠点の守りはアウラとスィーナが引き受けてくれている。
拠点周囲にはもう獲物がいない。
なので今日は更に奥へと進む事になった。
「今日は奥へ行ってみようか。指揮はアリシアとナルベアに任せるよ。」
「分かりました。ではナルベア補佐をお願いしますね。」
「はい。ではいつもと同じで周囲警戒をしつつ前進します。私とアリシア様で左右と後ろを、チベルネは奇襲に対応出来る位置に、リニとサリアは敵が此方に来るようであれば攻撃を、ルビニアは人形を先行させて情報と倒せるのであれば倒してください。」
「「「「はい。」」」」
最初は森の奥へと進んで行く。
だがゴブリン程度であれば余裕で借り尽くしてしまうので出来たら違う敵が居ないか殲滅しながら進んでいくがゴブリンしか居ない。
それからかれこれ1時間先へと進んでいると森を抜けた。
そこから死の大地よ呼べそうなほど草木が枯れ果てていて大地が干上がり毒沼らしき紫色の泉を見つけた。
「これは・・・。」
「うぷ・・・。これきついですね・・・。」
先にアリシアとナルベアが泉に近付くが顔色が悪くなり戻ってくる。
状態が毒になっている。
「こりゃここら一帯毒が立ち込めてるな。じゃターゲット。リミットガード。キュアポイズン。」
ゼラは毒を防いだ後に毒を直し全員の状態が正常に戻る。
「しかしここは?。」
「わかりませんが異常な地形です。敵もいるようですがかなり危険な感じがします。」
「先行してたメディア交戦・・・。敵1・・・。メディアの攻撃じゃ葬れない・・・。」
「ちょっと待ってください。それってことは・・・。」
「確実にゴブリンより上ですね・・・。」
「回復・・・してる・・・。」
「え?。って事はゼラ様が言ってた特殊撃破体ですね。とりあえずメディアをこっちに誘導してください。私ととチベルネは弓を、リニもいつでも撃てるように、サリアは風を詠唱しておいてください。ナルベアはこの後の指揮を任せます。」
「分かりました。」
暫くして大きな音と共にメディアが吹き飛んできた。
木を数本折ってやっと止まった。
損傷部分は関節部分全てらしいがまだ大丈夫の事。
全員物陰に隠れている為見つかりはしていない。
ナルベアが合図を送ると矢を速射するアリシアとチベルネ。
しかし黒いオーラーと鎧が丈夫な為一本も刺さっいるどことか傷一つない。
魔物は隠れているアリシアとチベルネに気付き咆哮する。
その声は大地や空気を揺らすほど大きい。
「ッガあ゛ぁぁぁぁぁー!!」
「うっさ・・・。・・・うぇい・・・。」
耳を塞ぎながら黒い鎧を着けた敵を神眼で確認すると、
種族:ダークネスロードジェネラル
レベル:99
筋力:15000
俊敏:10000
耐久:40000
魔力:100
幸運:5500
装備:負の大剣・負の鎧一式
スキル:剣術10・暴走10・咆哮10・物理耐性10・状態異常耐性10・自動回復10・見切り10×(暴走してる為不発)・直感3(暴走してる為一時的習得)
暴走10
何かの影響で力が暴走中。
耐久が上限を突破する。
素の筋力補正が1.5倍になり上限突破するが行動を行うとHPが1%割減る。
咆哮10
10秒間自分の最終ダメージを2倍にする。
更に自分より弱い相手を恐怖状態にする。
レベル差が30以上なら確定、29以内なら確立で、10未満なら無効
自動回復10
常に秒間1秒毎に現在のHPの10%回復する。
「おいおいおい・・・。レイド級がこんなとこにいんのか・・・。皆下がれ。撤退だ。シス逃げる準備しとけ。」
「ですが・・・。」
アリシアは戦うつもりらしい。
だが他の5人が恐怖によって身動きが取れない。
「あれと戦いたいなんて思うな。今のお前らじゃ攻撃の威力が足らない上に攻撃を受けた時点で終わり。ってやっぱり逃がさないつもりだよな!!。」
襲いかかる黒き敵に足止めをする為に突っ込むゼラ。
「アリシア急ぐ。マスターが止めてくれてる。」
アリシアは心配そうにゼラを振り返り躊躇しながら皆を助け起こして走っていく。
「さぁお前は暫く眠ってもらうぞ。」
「ぐぁがぁ!!。」
殴りかかってくる。
それを大きく左にサイドステップし回避すると轟音と共に地面がえぐれ砂利や土に石
が散乱する。
「おいおい・・・。まじかよ・・・。オールアップ。オールダウン。クイック。スロー。」
黒い敵はすぐさまゼラに突っ込み襲いかかる。
ゼラはそれを避けながらスリープを当て続けるが一向にゲージが増えない。
理由は状態異常耐性10で状態異常のゲージ蓄積が通常の10分の1になる。
その上に10秒毎に自然回復でゲージが1%減る。
なので今のゼラでも早くても20回前後はスリープをかける必要がある。
「がぁあ!!。」
「っち・・・。」
暴れまわる黒い敵の攻撃速度は異常でアリシア達では対応できず即死しているレベルである。
ゼラも当たれば致命傷の為当たらないように動き確実にスリープをかけ続け3分後ようやく眠ったので自分も撤退する。
拠点に戻ったらアリシア達が駆け寄って来る。
「大丈夫ですか!!。怪我は・・・。」
「無いみたいです・・・。よかった・・・。」
アリシアとナルベアはゼラの身体をチェックし怪我が無い事に安心する。
「心配しすぎじゃないかな。」
ゼラは少し笑いながら言うが、
「今まで感じたことない感じでしたよ・・・。」
「メディア・・・。瞬殺・・・。アレ危険・・・。」
「皆ゼラ様が今回は殺られると思ってしまったもので・・・。」
「ともかく無事で良かったです。」
リニとナルベアは少し目が赤くなっている。
サリアはほっとしたのか少し笑い、チベルネは悔しいと顔に出ている。
「しかしあれは倒したい。」
「可能なのですか?。」
「可能だが・・・。その前に俺達の事話しておく。」
そう言ってアウラとスィーナがいる外で説明する事になりガンガオ達にした事と同じ事を言う。
「シス様が伝説上のヴァルキリー・・・。」
「アウラ様とスィーナ様は四大精霊・・・。」
「それを契約してるゼラ様・・・。」
「異常・・・。」
「規格外にも程があると思うのですが・・・。」
「ふむ・・・。とりあえず物凄い事は分かった。強さも納得した。」
「とりあえずこれからさっきの黒いのに本気で挑むけど、見るか?。」
六人は頷き付いて行く事となった。
さっきの黒いのには居場所が分かるサーチという自分が見た生きた生物を捉える魔術を使い居場所を特定した。
先ほどメディアが戦った場所に戻っている模様。
「ふむ・・・。じゃさっきの場所まで急ぐか。」
場所に着いたら早速フルバフをシスにかける。
「アウラとスィーナはアリシア達を頼む。」
「はい。」
「お任せあれ。」
アリシア達は心配そうに見送る。
「大丈夫なのですか・・・?」
「アウラ様達も行ったほうがいいんじゃ・・・。」
「それは無いです。むしろ私達が行くと邪魔になります。」
「アウラ様とスィーナ様も邪魔になる戦い方ってかなり気になる。」
「これ以上無理・・・。」
「そうですね。釘を刺されましたし・・・。」
話していると咆哮が聞こえた。
「始まりましたね。」
「じゃ行くよ。空からの観戦を!!。」
アウラが風魔術でアリシア達を浮かし空から見る。
「じゃやるぞシス。」
「ん。準備出来てる。」
「じゃ遠慮なく。オールダウン。スロー。オールエンチャント。」
相手の動きが鈍くなる。
シスは突っ込み虹色に輝く大剣を振るう。
攻撃がヒットすると火水風土光闇の属性の爆発と筋力と魔力の追加ダメージも入る。
「ぐぉ・・・。ぐがぁ!!。」
少し怯みHPも少し削れたが直ぐに回復しきってしまう。
「がぁ!!。」
今度はこっちだと言わんばかりの一撃の重い攻撃をするが、
「・・・。無駄。」
攻撃は空振りしそのままカウンターが腹に入るが、
「ガャ!!!。」
HPは減らない。
「アンティリカバリー。」
シスが右腕を狙った瞬間に回復不可能にする術を使用する。
状態異常ではなくデバフ扱いなのですんなり通る。
「・・・!!。ギギャァアアアアアアア。」
右腕が切り落とされ悲鳴を上げる。
今まではありえない回復速度で回復していたので切られても治っていたが今は治らない。
HPは1割程度しか減っていない。
「ぐぁ・・・。ギァ。」
それでも尚襲いかかる。
「パリングバリア。」
「がぁ!?。」
弾かれ体勢が崩れその場に倒れる。
そこにシスが、
「ホーリーノニュプルブレード。」
高速の9連続斬り。
聖剣術10で覚える技。
光属性で威力が3倍になりそれを9回斬りつける大技で貯めが5秒発動までに3秒必要な為足止めしないと普通に避けられる。
ただし当たれば敵は消し飛ぶ。
「ア・・・。・・・。」
叫ぶ暇も無く全属性の爆発と物理と魔力の追加攻撃とシス自身の威力が合わさり直線棹の木や地が消滅する。
「おっほ・・・。相変わらずそれの火力キチガイじみてるな。」
シスは剣をしまうとゼラの横に行き腕に抱きつく。
「終わった。褒めて。」
「よしよし。さて素材残って・・・た。やったぜ。」
死骸らしき物は敵が着けていた鎧の破片と残骸。
残骸は放置し鎧の破片を全て回収する。
「よし。これで銃が作れる量は確保できたな。」
とふとシスのステータスを覗いてみると、
名前:シス
種族:ヴァルキリー
レベル:99
筋力:9800
俊敏:10000
耐久:9200
魔力:10000
幸運:10000
装備:陽月の大剣・白銀龍一式
スキル:聖剣術10・聖魔術10・不屈の闘志10・見切り10・ドラゴンスレイヤー3・上限開放1
上限開放
レベルとステータスの上限が上がる。
「シス喜べ。更に強くなれるみたいだぞ。」
「ほんと?。」
「ああ。って俺にもついてるのか。ありがたいな。」
「帰る?。」
「そうだな。アウラ達の所に行くか。」
「・・・。言葉が出ないです・・・。」
「威力もそうですがゼラさんの支援のタイミングはどう考えてもありえないんですよね。」
「攻撃が来る前提で全てが動いてるのよね。」
「はい。あのパリングパリア。自分の視点でなら合わせるのは容易いのですが離れている相手に使用する時の合わせるのは至難の技なんです。私も使えますがあそこまで離れて成功しているのはどれだけ修羅場を潜り抜けているのかわかりません。」
「そうですね。主様は数え切れない程修羅場を相当こなしているかと。」
「私達が会う前からあれは普通にやってきてたし、・・・あ。もう戻るみたいだから下に降りるよ。」
スィーナが高度を下ろしていく。




