UFO
翌日、宮脇の研究室に荒谷が訪ねてきた
「宮脇先生お久しぶりです。この子達は留学生ですか?」
「いえ、ただの友人ですよ」
「こんにちは~」
セシリア達は微笑み荒谷に挨拶をした。
「宮脇先生お話はここで伺えるのですか?出来ればサシで話したいんですが・・・」
「今日荒谷さんとお話しするのは私ではなく、この子達です」
「え!?」
セシリアは荒谷の前に座るとカツラを取り胸元からライラの妹アイラ=スプライトが姿を現した
「こんにちはにゃ~」
荒谷は森で一度見ているととは言え、目の前で妖精が宙を舞い挨拶をしている光景に自身の正気を疑った。
「妾達のお話を聞いて頂けますか?」
「あ、ああ・・・」
「妾達は森で貴方達を陰から監視しておりました」
その言葉を聞いた瞬間、荒谷はセシリアの胸倉を掴み引き寄せると首筋にナイフを押し当ていた。
背後にいたヨエルが飛び出そうとするがセシリアに右手一本で制止された。
「お前らが俺の部下達を殺ったのか?化け物ども!」
「貴方の戦士10名は妾の戦士達が倒しました」
荒谷の手に力が入りセシリアの首筋から血がしたたりナイフを伝わって荒谷の手を赤く染める
「化け物も血は赤いんだな」
「貴方の戦士達はたった10人で妾の戦士500人を殺したのですよ。戦とは言え怒りと悲しみは妾達の方が大きいです」
荒谷はセシリアの胸倉を掴んでいた左手を離し右手のナイフもその場に落とし椅子に腰かけた
「ハッハハハハハ!?ハッハハハハハ、あいつら10人で500人も倒したのかよ、キルレート50倍なんて英雄レベルじゃないか、あいつら良くやったじゃないか」
感情のコントロールを失い大粒の涙を流しながら大声で笑っていた荒谷だったが出されていたコーヒーを飲み落ち着こうとしていた
自分でも半信半疑だった妖精が宙を舞い髪の毛が羽毛の少女が目の前に座り自分の目の奥を探るように見つめている
その不思議な少女が首筋の傷に手を添えると一瞬で傷を塞がる
何処までが現実で何処までが夢なのか?
自分が正気なのか? 狂気なのか?
混乱した頭に冷静さを取り戻すように言葉を発する
「お嬢ちゃん魔法みたいな事が出来るのか、やはり普通の人間じゃねーな」
「貴方達も時間が掛かりますが自然に傷は塞がりますよね? それを速めているだけです」
「そんなもんか?まぁいい俺に連絡を付けた目的はなんだ? 自首でもしようと思ったか!」
「外交交渉の為に総理大臣とコンタクトを取りたいからです。」
「UFOにでも乗って国会議事堂の上で待ってれば政府からコンタクトを取ってくるだろ?」
「国会議事堂の場所も知りませんし、UFOと言う物は持っておりませんので出来ません」
「お前らは何者で何が目的なんだ?」
セシリアは異なる世界から転移して来た事とこれ以上の争いを避ける為に日本政府と交渉の場に付きたいとだけ伝えた
「大臣クラスは無理だが、大臣と直接話せる奴になら会わせる事ができるかもしれん、お前らの条件はなんだ?」
「場所は札幌市内で、貴方を含めたここにいる全員一緒で会談をお願いします」
「それだけでいいのか?」
「はい、荒谷さんには何かありますか?」
「俺は特にないが、お前たちの存在を信用して貰うためにその妖精を一緒に連れて行っていいか?」
「私は別にいいゃ~」
「アイラ頼みます」
「それにしても俺を信用出来るのか?」
「はい、貴方が嘘を付いていない事は解っております」
「そうかテレパシー的なものか?」
「なんですかテレパシーって?」
「まぁいい、ただなお前さん達がこれからどうなるか保証できんよ、俺は上に命令されたら迷いなくお前らを殺す!むしろ殺したい!」
「戦士であれば当然ですね」
目の前で殺したいと言われても動じないセシリアに感心する荒谷
「じゃ一週間後に会談出来るように調整するから準備しておいてくれ、詳細は宮脇先生に伝えればいいかな?」
「はい、お願いします。アイラをよろしくお願いします」
「最後にひとつ聞きたい。古田達を丁重に埋葬していたのは理由があるのか?」
「敵とは言え偉大な戦士への尊敬の念からです」
「そうか、ありがとうな」
荒谷はセシリア達は宇宙人と言う認識であった




