りんごジュース
東千歳駐屯地に新設されたS部隊司令部のTV会議システムの前で荒谷は
防衛省情報本部情報官園田へアイラ=スプライトと共にセシリア達がS部隊を全滅させた事と日本政府と会談を希望している事を説明していた
「色々と信じられんが、まずその妖精はCGじゃないんだよな?」
「CGってなんだにゃ」
「お前に信じて貰う為にこの妖精について来て貰ったんだ、これで信じて貰えないなら俺はどうすればいいんだ?」
「そうにゃ~何を疑っているにゃ~」
「解った信じるよ、それでどう言う事なんだ」
「俺も良く解らん! 宇宙人が夕張岳にワープして来てS部隊と戦闘し地球人も強い事がわかって話し合いで解決してーつーことじゃねーの?」
「しかしこんな話、誰も信じねーぞ」
「偉い人のお墨付きが必要なんだろ?」
「そうだな、名のある教授とか政治家のお墨付きがあれば本部長クラスを動かす事が出来る」
「そろそろお墨付きしてくれる人が来ると思うぞ」
タイミングよく園田の携帯に内線が入る。ブーン!ブーン!ブーン!ブーン!
『はい、園田です』
『受付の西です。園田さん宛に東京大学の五神教授がご訪問されてますがどうしましょうか?』
「これか!」
『はい?』
『なんでもない。6階のTV会議Bへ通してくれ』
『承知いたしました』
「申し分ない肩書だろ?」
「荒谷さん東大教授まで伝があったんですか?」
「いや、さっき話した北大教授が東大の五神教授にも検査して貰ったと言ってたんで、彼に呼んで貰ったんだよ」
コンコン! コンコン!
「五神教授をお連れしました」
「どうぞ」
「東京大学の五神です。」
「防衛省の園田です。本日はわざわざご足労をかけまして申し訳ありません」
「いやいや、北大の宮脇くんにここへ来れば面白い物が見れると聞いて来たんじゃが?」
「教授、モニターを見て下さい」
TV会議のモニターには荒谷の頭上でフワフワと浮いているアイラ=スプライトが映し出されていた
「おじいちゃん、こんにちはにゃ~」
アイラ=スプライトの挨拶にも微動だにせず直立不動で画面を注視する五神
「教授! 教授! だ、だいじょうぶですか?これCGじゃありません!」
「アイラを見て心臓止まっちゃたかにゃ~」
周囲の問いかけにも反応せず姿勢を崩さない五神であったがやっと口を開いた
「ふむ、生物学的にも物理学的にもその羽の大きさで飛べる訳がないんだが、どうやって飛んでおるんじゃ?」
「おじいちゃん凄いね、羽から少し風の魔法を出して飛んでるにゃ」
「魔法と言われると何も言えんが、筋力だけで飛んでいないのは確かのようじゃな」
(学者は目の付け所が斜め上過ぎて素人には理解できん)
「千歳にいる荒谷です。教授よろしいでしょうか?」
「ああ、すまん。」
「教授はこの妖精達が地球上の生物ではない証拠をお持ちと聞いているんですが」
「わしが持っているのはこの妖精ではなくて、梟の細胞じゃ、わしが直接北大の宮脇くんの所へ行って採取したので間違いないが、その細胞にはミトコンドリアが無いんじゃ」
「ミトコンドリアが無いと地球上の生物ではないんですか?」
「地球上で極一部の単細胞生物を覗けは全ての動物や植物の細胞にはミトコンドリアが存在するんじゃ、ミトコンドリアが無い細胞を持った梟は地球で進化したとは考えられん」
「その梟は、セシリア陛下のペットのコニーの事だにゃ~」
「教授ありがとうございます。教授の証言を政府へお伝えしてよろしいでしょうか?」
「構わんよ。それと細胞サンプルも持って来たから、必要なら検査するがいい」
「ありがとうございます」
「園田これなら本部長クラスを呼べるだろ?」
「このTV会議の動画を見せれば、大騒ぎになるだろうから特別チーム位派遣されるだろう。しかしどんな結果になるかは保証できんからな」
「俺も宇宙人に同じ事言っておいたよ」
未だに画面を注視している五神が
「ちなみにその妖精には何を食べさせているんだ?」
「りんごジュースがお気に入りにゃ~」
「果汁100%のジュースと果物でいいみたいです」




