カバラ皇国建国
驚き固まってしまった宮脇の肩を満子が叩く
「宮脇くん、やっと解ってくれたか」
「満子ばーちゃんこれは・・・」
「さっき、セシリアちゃんが話そうとしてるのにおぬしが遮ったのじゃよ」
「ごめんなさい、セシリアちゃん話して下さい」
セシリアは以前満子に話したようにカバラ皇国建国の経緯から話し始めた。
向こうの世界もこの北海道のような高い山脈と深い森に覆われた肥沃な大地で人間は平地に亜人や妖精は森に住みお互いの領域を尊重し共存していたが
草原を畑に替え爆発的に人口を増やして行った人間達はエルフやハルピュイア等を神の化身と崇めたりドワーフと武器等の交易を行う一方で
特定の種族を悪魔と決めつけ大兵力で攻め込み滅ぼしその森を焼き畑にしその領域を増やして行った
元々種族間での交流は少なかったが人間に悪魔と決めつけられた種族が次々と滅ぼされて行くなかで
危機を感じたリリス族がテイムした鳥達を使い各種族に団結し人間に対抗する為に亜人の国を建国すると呼びかけた
これがカバラ皇国の建国となる
当初、エルフやハルピュイア等の人間に妖精と分類されている種族はカバラ皇国には参加しなかったが
自分達の森にも人間の魔の手が及ぶようになりカバラ皇国へ参加し共に人間に対抗する事になった。
カバラ皇国が建国されたことで、亜人を悪魔とするルネライト教国、30の王国で構成されるインベルク帝国の3カ国が覇権を争うことになる
両国に挟まれ防戦一方のカバラ皇国であったが建国前のように種族が根絶やしにされるような被害は出なくなったが徐々に人間に森を侵食される時代が300年以上続いた。
しかしたった一戦の勝利で事態は変わる
インベルク帝国が300万以上の大兵力を集結させカバラ皇国への侵攻を始めた時、カバラ皇国側はたった10万の兵の奇襲で帝都インベルクを陥落させたのだ
10mもの高い城壁に囲まれた帝都インベルクであったが、
スプライトやハルピュイアに空から攻撃され
梯子も使わず城壁を駆け上がるライカンスロープにあっさり開門され
門から侵入したドラコニュートには剣や弓矢は通じず
巨体で暴れ回るミノタウロスには手も足も出なかったのである。
300年間攻撃される事も無く城壁さえあれば安全と思っていたインベルク帝国は亜人達に城壁はなんの役にも立たないと知りカバラ皇国と和睦を結ぶ事になった。
宗教国家であるルネライト教国はカバラ皇国に対する強硬姿勢は変わる事はなかったが
300年間両国から攻め込まれていたがルネライト教国からだけの侵攻にはカバラ皇国も対処が可能で森の浸食は止まり
今度は人間同士インベルク帝国とルネライト教国との間での争いが始まりカバラ皇国はこれに関与する事はなかった為、平和な時代が続いた。
「防戦一方から一発かました事で平和を勝ち取ったんだね。」
「人間は力を示し危機を感じさせなければ交渉のテーブルにすら乗ってきません。和睦は結びましたが人間は、種族によりますが妾達への差別や偏見が根強く、共存ではなく自己防衛の為のお互いの妥協に過ぎません」
「何故、人間はセシリア達亜人を受け入れないと思う?」
「理由はいくつかあります」
「まずルネライト教の考えですが人間以外の共通の外敵を作る事で人間同士の争いを無くす」
「なるほど、共通の外敵を作る事で団結するのはこの世界でも同じだ。」
「次に種族毎に持っている能力が怖いのだと思います。例えば妾は宮脇様が嘘を付いた時に解りますがどうですか?」
「確かにそれは怖い・・・」
「後は、見た目の違いも大きいです」
「でもそんなに見た目は人間と変わらないと思うけど?むしろ愛くるしい感じなんだけど」
「エルフ族とリリス族は人間に近い種族なので、他の種族は人間からは恐ろしく映るんだと思います。」
「他の種族も来て入るのか?」
「それはこれからお話しします」




