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四天王  作者: 原善
第四章 住所のないラブレター
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その18 ラブレター

 ロクは塀の上で腰掛けていた。空を見るのでもなく、海を見てるわけでもなくロクは一人うつ向いたまま腰掛けていた。ロクはふと顔を上げると、胸のポケットに手を当てた。そこから取り出したのは、何時ぞやに桑田がロクに手渡した手紙だった。手紙は4つ折になり、開けると2枚の手紙になっていた。ロクはその手紙を開き読み始めた。それはとても綺麗とは言えず、まるで子供が書くような字がたくさん書かれていた。


『ロクさん、お仕事お疲れ様です!


親父さんから貴重な紙を頂き、この手紙を書いています。

ロクさん・・・いえ、手紙ではお兄ちゃんと呼んでいいですか?正直・・・ロクさんと呼ぶより、昔からのお兄ちゃんと呼んだほうが、なつみは好きです。


では・・・お兄ちゃん!いつも偵察お疲れ様です!まず始めに・・・


なつみは、お兄ちゃんのジャガーを整備する度、いつも思うのです。』


「この間まで・・・字も書けなかった奴が・・・俺に意見か?」とロク。


『最近?ジャガーが銃弾を受ける数がやたらと多くなってませんか?なつみはジャガーを整備する度、心配してます。

ジャガーは特殊コーティングで多少の弾は貫通しません。

でも先日から来ている、装甲車の弾は防弾ガラスさえ貫通します。ジャガーの性能を過信しないで下さい・・・』


「生意気なんだよ。人の心配より、自分の事を・・・」

 ロクの声は少し鼻声になっている。


『では、本題に入ります・・・実は、なつみある人に交際を申し込まれました。お兄ちゃんも知ってる人です。』


「おお!誰じゃ!?」思わず姿勢を起こすロク。


『とってもいい人だと、思います。でも・・・でも・・・』


「でも何だ?お前みたいな暗くてうるさい女を好きになる奴・・・そういないぞ!」


『なつみには、小さい頃から心に決めてた人がいます。』


「お前な・・・」


『それは、それは・・・ロク兄ちゃんです。』


「なつみ・・・」

 ロクは急に悲しくなり、手紙を見ることが出来なくなった。顔を下に向け、目を瞑ったまま顔を上げる事はなかった。しかし、再び手紙の続きを読み始める。


『知ってます!凄く知ってます!!プロジェクトソルジャーのお兄ちゃんが恋愛禁止なのは・・・

でも・・・ロク兄ちゃんがプロジェクトソルジャーじゃなかったら?戦争が終わってその任務が終わったら・・・

ロク兄ちゃんたちも恋愛してもいいんですよね??』


「戦争が・・・戦争が終わるはずがないじゃないか・・・」


『もしその時が来て、プロジェクトソルジャーを辞める時が来たら、隊長とか軍とかジプシーとか関係なくなったら・・・なつみはロク兄ちゃんの・・・ロク兄ちゃんの・・・お嫁さんになりたいのです・・・』


「なつみ・・・」


『そして、たくさんの子供たちを産んで、ロク兄ちゃんと子供たち・・・写真や資料でしか見たことがない、草木が生い茂る草原の丘で平和に暮らして生きたい。これって夢でしょうか?』


「ゆ、夢じゃねぇけどさぁ・・・」


『これ・・・なつみの儚い夢です・・・それを伝えたく、この手紙を書いてしまいました。返事が欲しいわけではありません。 ただ伝えたくて・・・でも・・・

ロク兄ちゃんも、ほんの少しでいいので考えて欲しい・・・戦争が終わった時の自分の事を・・・                                           桑田なつみ』


「そんな事・・・考えた事もねぇよ・・・」

 ロクは大量の涙を流し始めていた。


「うおぉぉぉー!!」

 ロクは塀の上で泣いた。大声を出し泣いた。どこに悲しみをぶつける事もなく、ただひたすら空に向かって叫んでいた。


「俺も・・・好きだったんだぜ・・・なつみ・・・」



 既に夜になっていた、叫び疲れたかロクは一人塀の上に腰掛けていた。しかし涙だけは止まることなく流れ落ちている。しばらくすると、下から階段を登ってくる足音が聞こえると、ロクは慌てて涙を拭き、ハットを深く被った。するとダブルを先頭に、銃を持った兵が

4、5名が塀の上にやって来る。ロクはダブルの顔を見上げた。ダブルはいつになく厳しい顔つきだった。


「どうした?ダブル?」顔を上げ平静を装うロク。

「ロク・・・」

「ん?」

「お前を・・・反乱罪で逮捕する・・・」

「ダブル・・・!?」驚くロク。


    四天王 第四章 【住所のないラブレター】 完



         




            第五章予告

         物語は怒涛の後編へ・・・



      【復讐のため、鬼と化したロク・・・】      


 目を瞑りながら、敵兵を容赦なく撃ち殺していく形相のロク・・・

山口「あのロクさんは変わりすぎでしょ?」

ロク「俺がなつみの夢を引き継ぐ・・・」

 

弘士「ロクを偵察隊から外す!!」

ロク「司令・・・」


寛子「たった1台に・・・基地2つが壊滅だと・・・」


         【新たなる強敵・・・】

空母と戦艦を足した奇妙な大型サンドシップが荒野を爆進する。

ツヨシ「バカ兄貴がいないんじゃ、総帥はこの俺のもんだ!」


         【再会する二人】

ヒデ「聖か!?」

聖「ヒデ・・・」

曽根「元プロジェクトソルジャーヒデを死刑と処す。」


        【今、蘇るP4の激戦!!】

玉木「あなたたちは生き残るの!」

キキ「あの人が躊躇ったら、引き金を引くのよ!」

ダブル「キキー!!」

バズー「仲間が死んで悲しくない奴がどこにいるんだ!?」

キーン「俺たちはもっともっと強くなるからな・・・」

ホーリー「ずっとあんたの事が好きだった。」

陽「あの夜、私を抱かなかったのを後悔してるんでしょ?」


ロク「こ、これがP4・・・」

 ロクの前には、瓦礫の山々が立ち並ぶ。


 【4人の知られざる過去、四天王誕生の秘話が今、明らかになる!!】


【塀の上の直美とロク】

ロク「見てみてぇんだよ・・・」

直美「えっ・・・?」

ロク「草原ってやつを・・・」



      次回 四天王 第五章 【カラー・フィールド】


ロク「さぁーて・・・・・・行きますか!?」


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