デアイ-3
車を走らせて一時間。そろそろ昼を過ぎたくらいだろうか。道路上に車や倒れたビルのがれきなどが散乱しているせいで思ったように街から出れないでいた。そもそもここどこかわかんないし。
「いったん休憩するか...。」
俺は休憩がてらに飲食物を購入する。購入した食料は『550㎖ペットボトル(水)』を二本とインスタントラーメンを四つだ。水は『100pt』でインスタントラーメンも『100pt』だった。どうやら生活必需品は全体的に安い様だ。
俺は近くにあった三階建てのショッピングモールに入ることにした。
「ここがフードコートか...?」
俺はしばらく歩いたところにあったフードコートに着いた。途中で食べ物関係の店があったので中を漁ってみたが、すべて漁られていた。だが、途中で開けた缶をいくつか見つけることが出来た。どうやらまだ生きている人間はいるようだ。しかし、いつ開けられたものかは分からなかったので探すのは後にすることにした。
「さてと、早速食事にしますか。」
テーブルはほとんど焼け焦げているので床に座って食べることにした。
リュックの中からやかんとガスコンロを取り出し湯を沸かす。沸いた湯をインスタントラーメンに注ぎ三分間待っている時だった。
突然ガサッという音がフードコート内に響く。俺は急いで銃を構える。
「誰だ!」
問いかけるが返事は帰ってこない。音がした方には店などはなく小さな壁があった。
壁にゆっくり歩み寄りバッと壁の向こう側へ出る。
するとそこにいたのは制服を女子学生だった。
「う、撃たないで...殺さないで...ください...。」
女子学生は完全に震え上がりこちらを恐怖している。
俺はゆっくりと銃を下ろし問いかける。
「なぜこんなところにいる?」
「その...食料が底を付きそうで...近くのショッピングモールに何かあるかもしれないって...お母さんが...。」
どうやらこの子はお母さんと一緒にいるらしい。一見危険性はなさそうだから警戒はしなくてもいいだろう。
「食料がないのか?」
「はい、もう国からの通信が途絶えて...しかも避難所に送るトラックも来なくなっちゃって...。」
「なぜそれに乗らなかったんだ?」
「お母さんがバス乗り場にいなくて...それで居ても立っても居られなくなって...お母さんの職場に行ったら足を怪我したお母さんがいて...。」
「それで治療しながらバス乗り場に向かったらバスが居なくなってたと。」
女子学生は頷いて話を続ける。
「それで兵器の影響が及んでいないお店に入って食料を見つけたりしてたけど...ほとんどなくて...。」
「オーケーオーケー、何となく分かった。つまりは絶体絶命だろ?」
「そうなんです...。」
ふむ...これはチャンスだな。まず一人獲得出来たらラッキーと思ってたけど初日でしかも二人いけるかもしれないチャンス。これを逃すわけにはいかんな。
「なら助けてやろうか?」
「え...?」
俺がそう言うと女子学生はきょとんとした顔でこちらを見てくる。
「食料もまだあるしな。別に分け与えるぐらいどうってことない。」
「いいん...ですか...?」
「あぁ...ただし条件がある。」
その条件という言葉を聞いて女子学生の顔が厳しくなる。
「...条件ですか?」
「あぁ...まぁそれはお前の母さんのところに着いたら話すよ。」
「...来るんですか?」
「お前ひとりの問題じゃないからな。条件にはお前の母さんも含まれる。ちゃんと本人の意思の確認も必要だろう。」
「........。」
女子学生は一頻り悩んだ後に決断を下した。
「...わかり...ました。」
「そうか、それじゃあちょっと待っててくれ。もう一人分のインスタントラーメン作るから。」
「え...まだ条件を飲んでいないんですけど...。」
「いいのいいの、腹減ってるんでしょ?なのに俺だけが一人で食べるのは悪いからさ。」
そう言ってお湯をリュックの中から取り出したもう一つのインスタントラーメンに注ぐ。
「取り敢えず色々聞きたいことがあるからさ。聞かせてもらうね?」
「...はい。」
眼にさっきほどの警戒は感じなかった。多少なりともこちらを害がないと感じてもらえるようにしなくてはな。
「生きてる人ってのは結構いるのか?」
「はい...でも、それでもこの街の人口の数パーセント程度です。生き残った人たちの中には独り身になってしまった人たちが多いですし。」
「そっか...じゃあ次の質問。この銃って何年ぐらい前の銃に似てる?」
「ええと...そういうのには詳しくないんですけど...それでも100年以上は前の戦争に使われてる気がします。」
結構技術が進んでるみたい。街の建物は結構黒っぽいからSFチックなのかどうかはわからなかったけど。
「じゃあ後の質問はインスタントラーメンを食べた後でいいか。」
「分かりました。」
俺たちは出来上がったインスタントラーメンをゆっくりと食べる。廃墟の中で食べるインスタントラーメンは少しおいしかった。




