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――灰の世界で僕たちは――  作者: チャネイルGUN
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ハジマリ-1

俺はとあるブラック企業に勤めていた男だ。実はつい最近過労で倒れてしまった。幸い命に別状はなかったがこれを機に会社を辞めることにした。しかし、人生とは上手く行かないもので就活には失敗するわ貯金は底を尽きるわ。もうどうしようもない状況のまま俺は面接の帰路に就いた。


「はぁ~...どうせ今回も落ちるんだろうなぁ...。」


項垂れ愚痴を呟きながら歩いて行く。辺りはもう夕暮れで喧騒を耳で覚える。


(これで落ちたらもう六社目だ...何だか全部どうでも良くなってきた...。)


「君!危ないよ!」


そう言われてハッ!と現実世界に引き戻される。右を見るとトラックがすぐ近くに迫って来ていた。刹那、すべてが遅くなった。トラックが迫ってくる速度も。トラックのブレーキ音も人々の喧騒や悲鳴も。そして、ついには世界は暗転し全ての音が聞こえなくなった。俺はこの時、本能的に感じた。


(あぁ...これが『死』か...。)


























しかし、死んだはずの俺は目を開けると白い不思議な空間にいた。身体を起こして色々と見てみるが、傷は一切見当たらない。


(何でだ?俺は確かにトラックに轢き殺されたはず...。)


俺が混乱していると俺の目の前に突如として仙人らしき恰好をした老人が現れた。俺は状況を理解するために必死に頭を回転させる。


「よいよい。まずは一度お茶でも飲んでくつろぐのじゃ。」


仙人は何処から出したかわからないが、お茶が入った湯呑を渡してきた。


「あ、ありがとうございます。」


俺は言われるがままお茶を飲むと、不思議と混乱してグチャグチャしていた頭がゆっくりと状況を把握していった。


「あの...俺は死んだはずじゃあ?」


「うむ、お主は一度死んでおる。しかし、儂は死んだお主に頼みたいことがあってここに呼んだんじゃ。」


「...頼みたいこととは?」


仙人っぽい人は先程まで微笑んでいたが、話の本題に入ると真剣な表情になった。


「率直に言おう。わしが管理して居る世界の一つをお主が出来る限りで良い。救済してほしいのじゃ。」


「救済...ですか?」


「まずは事の発端から話そうかの...」








20xx年 とある生命が繁栄している惑星


この惑星では俺がいた世界と同じように人類が生命の頂点に君臨していた。科学力はどうやら俺がいた世界よりも進んでいるみたいだけど宇宙技術はあんまり進んでいないそうだ。そして、その惑星で核戦争のようなものが起きてしまったらしい。核ではないので放射能のようなものは出さないが、その圧倒的な破壊力で世界中は世紀末状態に。そして様々な国が機能しなくなったおかげでインフラはすべて停止。家畜もほとんどが死ぬか野生化している。


というわけらしい。しかも、古来より神様(仙人っぽい人)が介入するには一定以上の信仰力が必要らしい。しかし、信仰力が集まる前に世紀末状態になり介入が不可能な状態に。勝手に介入すると存在自体が消滅するんだとか。それで神友に相談したら『よく暇つぶしに俺がしてる異世界転生ってやつをしたらいいんじゃないか?そいつに全ての経緯を話してさ。』とのこと。それで死んだばかりの俺が選ばれたらしい。しかも選ぶにも色々と審査があって、悪行を一回でもしたらNG。欲望が湧きやすい人は要審査。などがあるらしい。流石に犯罪者は転生できるわけないか。





「分かってくれたかの?」


「えぇ...もうバッチリと。」


(そう言えば異世界転生するときに何かもらえるのかな?)


「えぇと...異世界転生する時に何か特典みたいなものってもらえるんすかね...?」


「おぉそうじゃった。その話をしなければいけないの。」


俺に与えられる特典は『ポイントマーケット』。

この特典は『ポイント』で『何でも』買うことが出来るというものだ。ポイントは一秒ごとに『1pt』一日で『86400pt』ゲットできるらしい。

ただし、この特典の最大のポイントはここじゃない。最大のポイントは『救助者一人当たりに1pt/sが1つずつ増えていく。』という点だ。

簡単に言うならば一人助けると一秒で1ptが2ptに増えるというわけだ。単純計算で一人増えたら86400×2になる。


「...で、俺は向こうの世界に何も持たずに行くのか?」


「む...確かにそうじゃの。練習がてらに装備を整えるのじゃ。出し方は『メニュー』と念じるだけで時間が停止した特殊な空間に移動するからそこでゆっくり整えるとよい。」

「ではこの世界では権限を使って何でも出せるようにするわい。ただし、お主が身に着けているものだけじゃよ。移動手段は向こうで確保してくれ。」


「分かった。」


俺はメニューと念じると周りが黒い空間に飛んだ。


(ここが時間が止まっている空間か...。まるで亜空間みたいだ。)


そんなことを考えながら俺はメニューをいじる。まずは武器や防具を整えたいのでその欄を選択する。


「色々あるな...」


たまに独り言がこぼれるが気にしてはいけない。近接や遠距離など様々な項目がある中で俺は『中距離』を選択する。すると上から様々な武器が表示される。


「さてと...詳しくはないがこういう奴は何となく勘で選んでみるか。」


俺は数多の武器の中からある二つの武器を選択する。


一つ目は『M1カービン』

これは1941年にアメリカ合衆国が開発した半自動小銃である。7.62x33mm弾を使用している。


二つ目は『M1911 サプレッサー』

これもアメリカ合衆国が開発した銃である。これは拳銃で開発は1911年である。使用弾は.45ACP弾である。


向こうの世界は科学が進んでいるのでどんな武器があるかわからないが崩壊しているならばこの武器でも大丈夫だろう。


次は向こうの世界で使う道具をいろいろと購入する。しかし、工具の中にあるものがなかった。


「バールがない...」


バールは物を破壊するときに使うことが出来る。さらに俺の世界では武器にして使う猛者までいた。いろんな欄を探していると『近接武器』の欄に含まれていた。


「これ武器なのか...」


俺は道具を入れるための大き目なリュックサックも購入して道具を中に入れてた。ただしバールは右側に、M1カービンは左側に装備した。後は基本的な食料も購入してリュックサックに入れる。


「最後は服かな。」


服の欄を見ていくと帽子やシャツなど様々な物があったが、セットと言う全身コーデみたいなものから選んで購入した。服装はいろいろと無難そうなものにした。

上半身はYシャツの上に黒のコートを着て頭には念のために備えて黒のスキーゴーグルをかける。下半身はツータックスラックスと言うズボンを履いて靴は革靴以外で適当に選んだ運動靴を履いている。


「さてと、後は何か必要なものはあるかな?」


俺はまだ見ていない(車輌などのものを除いた)欄を確認すると『スキル』というものまであった。中を見ると殆どの物はロックされていたがいくつかは購入が可能だった。


「なぁ、このスキルってなんだ?」


「ん?あぁ、これはお主が助けた人が増えるとロックが解除されていく仕組みじゃな。ホントはすべて与えたかったのじゃが、それをすると引っ掛かってしまうのでな。ロック方式にしたのじゃ。」


「なるほど...じゃあ俺が人をどんどん助ければこのロックはどんどん解除されていく訳か。」


「うむ、その通りじゃ。」


ならば今買えるものはすべて買ってしまおうと思ったので、買えるスキル『料理』『サバイバル知識』『運転技術』『筋力強化』の四つを購入した。

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