不幸製造機の結末
雲一つない晴れの日。
荘厳なオルガンの音が鳴り響き、参列者はそれぞれ、嬉しそうな表情を浮かべていた。
そんな参列者の視線が一箇所に集まる。視線の先には美しい女性。白いドレスをまとい、父親と共にゆっくりと歩いていた。
女性がたどり着くと、神父が厳かに口を開き、誓いを問う。女性も誓うと宣言すると、指輪の交換が行われ、誓いのキスも行われた。
教会から出ると鐘がなっており、新郎新婦を祝福している。嬉しそうな妻に手を引かれながら、俺は歩く。胸に大きな後悔を抱えたまま。
何を隠そう今日は「不幸製造機」こと俺の結婚式なのだ。相手は、職場で知り合った女性。彼女は穏やかで、それでいて少しお転婆で可愛らしい人だ。俺は彼女と出会ってから暴力を振るうこともなくなった。
すると悪夢はすんなりと消えた。やはり自分が原因だったのだろう。
俺は幸せなのだが、素直に幸せと思えないのは一重に自殺した姉と、後を追ったその婚約者のことがあるからだ。俺が愚かでなければ数年前に姉たちは結ばれ、祝福され、幸せをつかめたはずなのだ。それなのに…2人とももうこの世にはいない。申し訳なさから、俺は素直に祝福を受け取れない。
空を見上げる。なぜだか無性に泣きたくなっていると、彼女から声がかかった。
「…お姉さんのことを思い出しているんですか?後悔してるのでしょうね。でも、過去は変えられません。だから、幸せになりましょう?」
俺は後悔している。事実だ。しかし俺は幸せになれるのだろうか。
ふわりと暖かい風が撫でるように通る。
そのあとにはなぜか胸の重いわだかまりは消えていた。
姉に許された気がして、無性に嬉しくなったのだ。無論、ただの風だったのに。
それから程なくして、妻の懐妊が確認された。しっかりと出産も成功し、俺には家族ができた。しかしあの父親のようにはならなかった。一重に姉の警告のおかげだろう。
今なら、俺はもう不幸製造機とは呼ばれないかもしれない。そんなことを思いながら、俺を呼ぶ家族のもとへと歩き出した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少々駆け足気味で申し訳ありませんでした!
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