序章
初挑戦なものできっとグダグダですがよろしくお願いします。
「あー、空から金が降ってこないかなー」、これが社会人三年目の社畜、春山圭介の口癖だった。高卒でトレーの製造会社に就職、しかしつまらないライン作業に嫌気がさし一年と半年で退社、その後飲食店でバイトをしつつ再就職先を探す毎日を送っていた。そんな中友人の紹介で自動車販売会社に就職し、部品販売の営業部に配属になった。そして営業のノルマや上司からの圧力に圧迫される毎日を送りながらつまらない毎日と変化のない日常にうんざりしていた・・・あの日が来るまでは。
平成二X年、七月二十日。うだるような暑さと車の渋滞に体力を削られながら春山は営業の外回りに出ていた。「暑い」春山の口から出てる言葉はそれだけだった。営業車自体が古くクーラーなど無いに等しかった。
外回りが終わり一旦営業所に着いた春山はぶつぶつ文句を言いながら自分のデスクに座った。机上の薙ぎ払いたくなるような書類の多さにうんざりしながらペットボトルに入った水を一気に飲み干した。書類を片付け次の外回りに出ようとしたとき課長に「あー春山君、今月のノルマ達成しないとボーナス減っちゃうよ、二月連続でノルマ達成してないの君だけだからね、ほんと頼むよ」と肩を二回叩かれた。「ハイ、申し訳ありません、頑張ります」と言うと「先月も言ってたよね」と言われはぁと溜め息をつかれた。俺だってわざと成績を悪くしてるわけじゃないんだよとやるせない思いを飲み込みながら営業車に向かった。エンジンを切っていた営業車の中はうだるような暑さで無意識的に「暑い」という言葉が口から出た。エンジンをかけ冷房を全開にし最初の営業先に向かったのであった。
三件目の営業先を回り終え信号で待っていた時だった。ラジオから緊急のニュース速報が流れてきた。「ニュース速報です、ただいま東京の郊外で次々に人が倒れています、今のところ詳しい原因は分かっておらず恐らくこの猛暑からくる熱中症の可能性が高いと医療関係者はみています。詳しい情報が入り次第お伝えしていきたいと思います、午後更に気温が上がることが予想されます、くれぐれも熱中症にはお気をつけてお過ごしください」、以上ニュース速報でした」緊急のニュース速報が終わりいつものラジオ番組が流れ出した。「この暑さじゃな」とひとこと呟きアクセルを踏んだ。この現象がのちのち世界を脅かす事になろうとはこの段階では誰にも予想できなかった。




