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白石真理子は、島で起きている不可解な妊娠の現象と、自身の妊娠が重なる中、専門医の小島と連携を深めていた。
二人は週に一度のビデオ通話で情報を交換し、島の妊娠例の共通点や検査結果を丁寧に分析していった。
小島は白石から送られる島の環境データや検査結果を受け取りながら、遺伝子異常や環境因子の可能性を模索した。
「島の特定の化学物質やウイルスが関与している可能性もあります。引き続き環境調査も必要ですね」
と小島は指摘した。
白石は島の住民たちにも注意深く話を聞き、妊娠例の増加や家系図をまとめていった。
彼女は自身の体調変化も詳細に記録し、小島と共有し続けた。
やがて、島内でしか起きていないこの現象は、特殊な環境と遺伝子変異の複合的な影響である可能性が高まった。
白石と小島は調査を進める中で、島の人々の未来を守るためにどうすべきか、深い議論を重ねていった。