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健太は日々成長し、少年から青年へと変わっていった。
身体も心も少しずつ大人へと近づき、世界を知りたいという好奇心はますます強くなっていった。
ある日、学校で一人の同級生、美咲に目を奪われた。
美咲は明るくて、誰にでも優しく接する人気者だった。
健太はその笑顔に心を奪われ、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚に戸惑った。
初めての恋心だった。
まるで、体の中に新しい鼓動が生まれたかのようだった。
健太は放課後の図書室で、ふと美咲と隣り合わせになった。
教科書の文字をじっと見つめる彼女の横顔に、健太の心臓は速く打った。
「ねえ、健太くんって、変わってるよね」
美咲が軽く笑いながら言った。
「変わってるって…どんな風に?」
健太は少し照れくさそうに答えた。
「だって、あの話…知ってる?君が『奇跡の子』だって噂」
美咲は真剣な表情で続ける。
健太は息を吸い込み、迷わず言った。
「うん、そうだよ。隠すつもりはない。僕は普通の人とは違うけど、それが僕なんだ」
美咲は驚いたように目を見開いたが、すぐに柔らかく微笑んだ。
「すごいね、そんなことを堂々と言えるなんて。私は、健太くんのこと、もっと知りたいな」
その言葉に、健太の胸は温かく満たされた。
二人はゆっくりと距離を縮めていき、初めての恋が静かに芽生えたのだった。




