第1幕「最初に見せたいもの」
『アウレリオンの鏡』に登場する架空のロックバンド、VELNICA。
ステージを離れた5人の日常を、ちょっとのぞいてみませんか?
ギター担当のMIYABIが『アウレリオンの鏡』を読みながら、「俺だったらどうする?」と考える、短いお茶の間劇場です。
それでは、第1幕の開演です!
いつものラーメン屋。
練習を終えたVELNICAの5人が、カウンターに並んでラーメンを食べていた。
MINATO「MIYABIさんのチャーシュー、俺のより1mm厚くないっすか?」
SOU「なんで分かるんだよ!」
MINATO「いや、なんとなく」
MIYABI「もしそうなら、それは人徳っていうもんだ」
MINATO「……人徳?」
MIYABI「ああ」
MINATO「じゃあ俺、何が足りないんすか?」
MIYABI「……徳だな」
SOU「そのまんまじゃねえか!」
TOMO「……俺の、2mm厚そうだけど」
MIYABI「…………」
MINATO「TOMOさん! 師匠って呼んでいいっすか!?」
REIJI「お前ら、ラーメンくらい静かに食えよ!」
MIYABIは何事もなかったように、傍らに置いていた文庫本を開いた。
『アウレリオンの鏡』。
鏡の向こうの少女に、少年がスマートフォンを見せる場面だった。
MIYABI「……俺だったら、最初に何を見せるかな」
MINATO「え? チャーシューっすか?」
MIYABI「違う」
MIYABIは少し考えた。
MIYABI「……パッヘルベルのカノンかな」
SOU「何だよ、急に!」
MIYABI「初めて会った相手に、何を見せたいかって話」
REIJI「それでカノン?」
MIYABI「ああ。言葉が通じなくても、音楽なら何か伝わるかもしれないだろ」
TOMO「……なるほど」
MIYABI「でも、相手が何を聴きたいか、先に聞くべきか……」
MINATO「MIYABIさん!」
MIYABI「……何?」
MINATO「俺だったら、やっぱりチャーシュー見せるっす!」
MIYABI「……だから何でチャーシューなんだよ」
MINATO「だって、うまいじゃないっすか!」
SOU「お前の世界、チャーシューしかねえのかよ!」
REIJI「……おい、そろそろ食え。伸びるぞ」
TOMO「……もう伸びてる」
MIYABIは箸を止め、すっかり柔らかくなった麺を見つめた。
MIYABI「……人徳が足りなかったか」
TOMOのチャーシューをちらりと見ながら自分のチャーシューを箸でつまみ、何事もなかったように口へ運んだ。
**〈第1幕・終〉**
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ラーメン屋ではチャーシューの厚さで揉めている5人ですが、ステージでは本気で音楽を演奏しています。(笑)
VELNICAのオリジナル楽曲は、公式YouTubeチャンネルで公開中です。
https://www.youtube.com/channel/UCEIVFdW_RJonh8MCszgP0kA
本編『アウレリオンの鏡』も、同じ作者ページで連載しています。
※VELNICAは、小説から生まれた架空のロックバンドです。本楽曲はオリジナル作品であり、生成AIを活用して制作しています。




