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ああ、なんて馬鹿馬鹿しい。

 

パーティーに集まった群衆は、自分たちを囲うようにしてこの惨状を遠巻きに眺めていた。


できるなら、自分も群集側にいたかった……。


「あの、殿下?聞こえなかったので、もう一度お願いしますわ」


 慣れない口調も、慣れないドレスも、慣れない髪飾りも重くてしょうがない。


「何度でも言ってやるリリィ・アンダーソン。貴様との婚約を破棄すると言ったのだ」


 ああ、本当に馬鹿王子。これがいずれはこの国を治める王になるなんて世も末だ。


 今宵はこの王立学園中等部の卒業パーティー。そんな晴れの場でリリィと呼ばれ、群衆の中で婚約破棄を言い渡されたが、生憎自分はリリィでない。


 リリィは俺の双子の姉だ。なんでこんなことになってしまったのか。時は数刻前に遡る。



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