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①
ああ、なんて馬鹿馬鹿しい。
パーティーに集まった群衆は、自分たちを囲うようにしてこの惨状を遠巻きに眺めていた。
できるなら、自分も群集側にいたかった……。
「あの、殿下?聞こえなかったので、もう一度お願いしますわ」
慣れない口調も、慣れないドレスも、慣れない髪飾りも重くてしょうがない。
「何度でも言ってやるリリィ・アンダーソン。貴様との婚約を破棄すると言ったのだ」
ああ、本当に馬鹿王子。これがいずれはこの国を治める王になるなんて世も末だ。
今宵はこの王立学園中等部の卒業パーティー。そんな晴れの場でリリィと呼ばれ、群衆の中で婚約破棄を言い渡されたが、生憎自分はリリィでない。
リリィは俺の双子の姉だ。なんでこんなことになってしまったのか。時は数刻前に遡る。




