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42話 一口カツ味見してみた

評価、ブックマークありがとうございます!!!



「油を鍋で熱して。」


「カラアゲも作るのですか?」


「ううん。今回は作らないよ。

油に入れるのは、今作ったタネ。一口カツだよ。」


「一口カツ。」


「本当はトンカツっていうもっと大きな豚肉の塊を揚げるんだけど、今回は食べ比べをしてもらいたいからね。

量が作れる一口カツにしようと思って。

次からは好みで作れるからね。」


「なるほど。」


さて、油も温まったみたいだし、入れていこーーー!!!


「じゃあさっそく油にとうにゅーー!!」


「跳ねるかもしれないので離れてくださいね。」


「はーい!」


いわれた通り距離をとる。


一口カツを入れたとたんシュワッと油が音をたてた。


これこれ!この音だよ!!


ジュワジュワ、シュワシュワ揚げ物が揚がっていくいい音。


食欲を誘われるね!


「薄いきつね色になったら上げてね。

余熱で揚がっていくから。」


「わかりました。」


唐揚げでなれているのか、アルストロは絶妙なタイミングでカツを揚げていった。


おいしそうーーー!!


いい匂いがするカツをジッと見つめる。


これは……一つ味見をしなくてはならないな。


「とりあえず今揚げられるのは揚げ終わりましたよ。」


「ありがとう!

じゃあさっそく……


味見といきますか!!」


作った人の特権発動ですな!!



□□□□



ザクッという衣を切る音とフワリと漂う肉と油のにおい。


あー!ヨダレが!出る!!


「こちらがビッグボアで、こちらが角猪です。」


一口カツを半分に切ってもらい、俺とアルストロで味見をしてみる。


「いただきます!」


ザクッと衣を噛みきるいい音と同じに口一杯に肉の旨味が広がる。


ビッグボアの油の旨さがよくわかる。


下味をつけたのは正解だったな。


これだけの肉の旨味があるなら、ソースだと逆にくどくなるかも。


まぁ、まだソースはみつからないからどのみち塩をつけて食べるかなって思ってたんだけど……。


塩もいらないな!うん!


口に広がるビッグボアの味を堪能する。


……これ、レモンをつけたらさらにおいしくなるのでは?


「アルストロ!」


「はい?」


うんうんとうなずきながらアルストロをみるとすでにレモンをしぼりかけていた。


「仕事がはやい!」


「恐縮です?

……あぁ、ぼっちゃんもかけますか?」


「うん!」


アルストロにレモンをしぼってかもらう。


残りをすべて口に放りこむと、ザクザクとした歯ごたえとレモンでしっとりとした部分。そこから広がるレモンの味が肉の油をさっぱりさせる。


うまい。レモンと肉の油って本当に相性がいい。


かんきつ系は基本肉類に合うけど、俺はレモンが一番好き。


ビッグボアの一口カツを堪能していると


「どうぞ。」


もう一つ、一口カツの半身がお皿にのってわたされた。


「あっ、角猪がまだだったね。」


ビッグボアをもう少したんのうしていたいなとも思ったが、やはり揚げ物は熱々を食べるのが一番うまいと思うので、えんりょなくお皿をうけとる。


「いただきます。」


ザクッとした歯ごたえはさきほどとかわらずにいい音がする。ただ


「なんだこれ!うまっ!!」


味の濃さはけた違いだった。


「油身がほとんどないからかたいのかと思ったけど、そうじゃなくて、ほどよい弾力で噛みきれるし、なにより、肉の味が濃い!!

うわぁ!うまっ!!なにこれ!!

ビッグボアも脂がうまかったけど、こっちは肉じたいがすごいおいしい!

えっ!おいしい!」


語彙力がなくなる!


いや、元からないけど!


あと、床にくずれおちてるアルストロ。どうした?


「アルストロどうしたの?」


「……こんなに、旨いものを、今まで知らなかっただなんて!!」


「あ~……。」


今まで魔物は退治したら消えてたからなぁ。


「まぁ、しょうがないよね。

魔石のとりかたなんて、皆知らなかっただろうし、肉が食べれることも知らなかったもんね。」


うんうん。しかたないしかたない。


「……そういえば、ぼっちゃんは何で知ってたんですか?」


「…ん?」


「ぼっちゃんは最初から魔物の肉を食べようとしましたよね。」


「んん?」


「ぼっちゃんは何処で魔物肉が食べれるって知ったのですか?」


「んーーー?」


やっべ、すっごいやぶ蛇つついた。


「アルストロ……。」


「はい。」


「残りのカツ、食べないの?」


「え?」


「後ろでねらってるやつらがいるよ?」


「は!?」


なんか、後ろからジリジリジリジリ、にじりよってくる人影がさっきからみえてるんだよね。三人分。


「なんだ!お前達!仕事はどうした!」


「下ごしらえなら終わらせましたよ!意地で!」


「そうですよ!意地で!!」


「意地でやりきったすよ!拷問かと思ったんすからね!!」


ギャンギャンわめく、レン、プラント、モーグの三人をしりめに残りをバクッと口にいれたアルストロにさらに非難めいた声がかそくする。


「わかった!わかったから!!

今わたすから、少し落ち着け!!」


「「「やったーーー!!」」」


「すいません。ぼっちゃん。

こいつらにも味見、いいですか?」


「うん。いいよ。」


「「「ありがとうございます!」」」


作り方を教えただけで、ほとんど作ってもらったし。


味見くらい許可をとらなくても大丈夫なのにりちぎだなぁ。


アルストロが三人に肉をわたすのをみながら、残りの角猪にレモンをかけて食べた。


うん。こっちはレモンいらないな。




読んでいただきありがとうございます!!


感想いただけたら嬉しいです。


少しでも面白いと思ってくだされば、評価、ブックマークをポチっとよろしくお願いします。


みなさん、よいお年を~!

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