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【改稿版】私の夫を盗ったの誰ですか?  作者: 優月アカネ@重版御礼


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17/17

17 Side???

「こんなことになるなんて予想外。美味しい思いができると思ってたのに……」


 港区のネオン街が見下ろせる高層マンション。

 女は地上に見えるゴミくずのような人間の影を見下ろしながら白煙を吐き出した。 

 どれもこれも貧乏人。田舎者。精神を病んだ若者。

 都心に住んでいる人間なんて大半は地方出身者だ。

 ネオンが輝く繁華街だって一歩路地を入れば埃の掃き溜めで、この世の汚いものを凝縮したような世界が広がっている。

 そんな場所には二度と戻りたくない。


「意識不明って、いちばん中途半端だわ。死んでもらわないと」

「わたしの戸籍、汚れちゃったなぁー」

「あのむかつく奥さんにバレる前に籍を抜かないとね」

「まさか思いもしないでしょうね。自分の夫がいつの間にか他の女の夫になっているなんて」

「あー面白い。このご時世、賢く生きなきゃよね。黙っていい子にしてても幸せにはなれないの」


 誰に伝えるでもなく淡々とつぶやかれた言葉たちは、排気ガスで曇った星空に消えてゆく。

 今までのことを思い浮かべると自然と女の口角は上がった。

 我ながらうまくやったものだ。大胆すぎる手口でなければ大きなリターンを手に入れることはできない。


「ごめんね、健一郎さん。でもあなたが悪いんだからね? もうわたしは要らないなんて言うから……」


 ふと、ベランダの手すりについたセミの抜け殻が目に止まる。

 よく見ると羽化の途中のセミだった。


「……なんでこんなところに。……気色悪い」


 女はそれをベランダの向こう側に弾き落とす。

 ふぅー、と大きく煙草を吸って吐き出しすと、再びつまらなそうに地上に目を向けた。


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― 新着の感想 ―
>黙っていい子にしてても幸せにはなれないの そりゃな、悪いことしたのを黙って表面上は良い子ぶってるおみゃーは幸せにはなれんよ。 そちらの法律は分からんが、少なくともこっちの法律じゃその悪質性から弁護…
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