心に決めたこと
一連の事件が解決して、日常が戻って来た。
そう、あんな大きな事件が起きたのに、当事者以外にとってはひと月もすれば遠い出来事。半分当事者のオレ達も、もう関わることはない。児玉さんや春樹兄達警察と、被害者の家族にとってはこれから長い戦いが続いていくんだろうけど。救い、ないよなぁ……。
「なぁ、ハクジ」
『なんだ』
「オレ、今生が現世で過ごせる最後なんだよな?」
『そうだ』
日常が戻って、オレはいつものように悪霊とか地縛霊に襲われてる。
レラちゃんは神成りを果たしたのもあってか、ちっこいオジなら余裕で倒せるようになって、着実に経験値を貯めていってる。戦闘好きというより、昴を守れるのが嬉しいんじゃないかな。
あんな目に遭いながら、団体の奴等を憎むことも、自分を捨てた親を恨むことなく、生贄になった子供達を助けようとしたレラちゃん。そんなレラちゃんを見て、児玉さんや春樹兄の努力を知って、このままでいたくないって思うようになった。
「……オレ、頑張ろうと思う。って言っても、オレはただの電池で、ハクジ頼りなんだけどさ」
『構わぬ』
「ありがとな、ハクジ」
ハクジに抱きついて、顔をぐりぐりしてからあることに気付く。
「なぁ、オレ、死後は神さまになるんだろ? ハクジと一緒にいられるんだよな?」
ただの電池が神さまになるの、どうかと思うんだけどさ。
『そうだ。そなたは常世の中つ国にて新たな神となり、我と同じ犬上家の氏神になる』
犬上家の氏神になれるのかー。神さまになるって聞かされてちょっとビビったけど、犬上家の氏神と聞いてホッとした。それに嬉しい。
「これからはさ、もうちょっと悪い奴を倒していきたいなって思うんだ」
『殊勝な心掛けだ。まぁ、そなたはいつもそうなのだがな』
「前世もそうだったってこと?」
『そうだ。そなたは変わらずに人のために動く。そうでなければ神成りなどできぬ』
ハクジが倒してくれてるから出来てることだと思うけど、歴代のオレがやってきたことが無駄じゃないと知れるのは嬉しい。
翌日、これからはもっと穢れを祓う活動に勤しもうと思うと昴とルカに伝えた。
『レラも! レラも行く!』
絶賛神さまレベ上げ中のレラちゃんとしては、最強の犬神ハクジに同行して、安心安全にレベ上げしたいよね。いいと思います。
「アンタとハクジが穢れを祓ってくれると私も依頼が減って助かるわ」
前みたいに他の神さまから頼まれたりしてんのかな。オレの知らないところでルカも護法童子として頑張ってんだなぁ。
「とても立派な決意だけど、まずは校内とか商店街から始めたほうがいいと思うよ」
出鼻を挫くような昴の発言。
『そうであろうな』
「そうね」
『悠里くん、ビビり』
皆して酷い!
でもそこからでいいんだと思ってちょっと安心した!
「そうする」
「学校に集まるのを祓うだけでも結構効果的だと思う」
「毎日ハクジが消し炭にしてるのにいなくならないもんなぁ」
「そうそう」
霊は人が多くいる場所に集まる。更に集めちゃうオレがいることで、霊マシマシになってるもんね。オジの融合体も途切れることなく現れてはハクジに滅殺されてる。
『レラもオジ倒せるようになるー!』
レラちゃんの気合いにルカの神使 ピヨちゃんが呼応して、くるくる回る。可愛い!
ピヨちゃんはまだちっこいオジに手こずってるもんね、頑張れ!
「ところでアンタ達、ちょっと太ったんじゃないの?」
ぎくり。
ルカの指摘が刺さる。
「電池として食べていたらばですね……」
「……そうそう」
身体、鍛えないと駄目そう……。
ここで完結にしようかと思ったのですが、せっかくレラちゃんが頑張ったので、もう少し続きを書きたいと思います。




