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第63話 別行動

 「何でミイまで小さくなっているんだ?」


 するとアオイが少し嬉しそうに


 「可愛くなりそうだったからです…」


 なるほど、思った通りに可愛かったから嬉しそうなのか。アオイは嬉しくなると黙る癖があるからな。さっきまであまり喋らなかったのはそのせいだろう。


 「確かに可愛いな」


 ミイの綺麗な銀色の髪は切りそろえられていてさらに可愛くなっている。

 ただ服がボロボロなのが残念だ。


 「後で服を買ってあげないとな」

 「そう言うと思って買ってきましたよ」


 マインがそう言って、ミイを掴んで馬車の中に入れた。

 少し経ってからミイが馬車から出てきた。


 「れ、レン様、に、似合ってる、です?」


 こ、言葉が出てこない。ミイが着ているのはメイド服だった。


 「さらにですね、このメイド服には投げナイフ5本、サバイバルナイフ1本、さらに小さな盾も隠してあるんですよ…」


 アオイが嬉しそうに言ってきた。


 「その武器は必要ないだろ」

 「必要ですよ…」

 「そうですよ、レン様の盾にならないといけない時もあるんですから」

 「レン様を守るです」


 アオイが驚き気味に、マインがさも当たり前のように、ミイが覚悟を決めたように言ったが僕は必要ないと思うけどな。


 「という訳で私とアオイはミイに戦い方を教えるので今日は別行動にしましょう」

 「何でアオイまで付いて行くんだ?」

 「アオイが私と同じくらい戦えるからですよ」


 は?アオイが戦える訳がないだろ。ただの女子中学生、それも武術系のスキルを持っていないんだぞ。


 「なのでレンくんは街の観光でもしてきてください…」


 アオイに背中を押されて部屋を追い出された。

 大丈夫かな?あまり怪我しなければいいけど。

 ま、心配してもしょうがないし言われた通り観光しますか。


 「よお兄ちゃん、いい肉が入ってるよ、買っていかないかい?」

 「いい武器が揃ってるよ、買っていきな」


 市場には沢山の店が出ていた。

 この街では数日に1度、このような市場が開かれて賑わうらしい。売っている物も武器、防具、薬、野菜、奴隷など沢山の物が売っている。特に奴隷がこんな表の市場に売られていたのには驚いた。

 とりあえず奴隷商人の店に入ってみる。


 「いらっしゃいませ。どんな奴隷をお探しでしょうか」


 入った途端奴隷商人がセールストークをしに来た。店を見渡してみると様々な奴隷がいるみたいだな。


 「どんな種族の奴隷がいるんだ?」


 緊張で少し声が低くなる。1人で買い物って少し緊張するな。本屋の時は店主が優しそうだったから簡単に買えたのにな。


 「ドワーフ、ドラゴニュート、魔人、人間、エルフです」


 意外と多いな。しかし魔人や人間もいるのか、いい気分ではないな。


 「失礼ですがお客様の職業はなんですか?」

 「魔術師です」


 今、そこの服屋でローブを買ったから魔術師いっぽいんだよ。顔が程よく隠れて使いやすいんだよね。このローブのお陰か市場でも沢山声をかけられたし、ラクラではあまり声をかけられなかったんだよな。


 「魔法が使えるのでしたらとても良い触媒が用意出来ますよ」


 触媒? 何でイメージするだけの魔法にそんな物が必要なんだ?


 メシア)触媒を使わずに行使することが出来ない魔法が存在する為です。例えばマスターが使っていた『リジェネーション』は普通、何人かの魔術師が集まって行使する儀式魔法で、魔力を束ねるために聖水に1年間漬け込んだドラゴンの鱗を使用します。また純粋に魔法の効果を強くするためにも触媒が必要で、杖やステッキなども触媒の1種です。


 なるほど、だから魔術師っぽい人達はみんなステッキや杖を持っているのか。

 それならローブも触媒なのかな?


 メシア)いえ、魔術師がローブを被るのは口元を隠し呪文を唱えていることを敵に悟られないようにするためです。


 うん、良くわかった。いつも助かるよ。


 「その触媒と言うのは何だ?」

 「はい、触媒はあの月光属の娘、それも綺麗な紫色の髪を持った娘です」


 うん、良くわからない。メシア先生、またお願いします。


 メシア)月光族は魔人の一族の1つで代々魔力を多く持ちその体は杖やステッキとは比較にならないほど、魔法の効果を強くしてくれます。またその髪や体の一部と攻撃魔法を金属に混ぜて武器や防具を作るとその属性を帯びたり、混ぜた魔法が使える魔道具となります。


 ふむ、その娘欲しいな。正直に言って杖として使うつもりは無いけど、魔道具は欲しい。


 「その娘はいくらだ?」

 「金貨で30枚になっております」


 金貨って確か銀貨100枚だっけ。つまり銀貨3000枚か、どうやって集めようかな。

 盗賊が溜め込んでたお宝を売ったら足りるのかな?


 「今、お金が用意出来ないのであれば、お取り置きも可能ですが」


 そんなことも出来るのか。


 「それを頼む」

 「かしこまりました。それでは3日後までにお越しください」


 奴隷商人に見送られ奴隷商を後にした。

 早めに宝を換金しないとな。

 ただ今日はもう暗くなってきたので宿に戻る。


 「アオイ達は先に帰っているのかな?」


 帰ったらミイが怪我していないか確認しないとな。


あらすじを少し変更しました

第1話 プロローグ の前に1つ、作品を投稿しました

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