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魔将軍のご主人様になりました  作者: 浦 かすみ


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魔将軍の父との遭遇2

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10/31行間一部言い回し修正しています




 ああ……どうしよう。腰が抜けて動けません。


 おまけに先ほどから魔力がすごい勢いで吸い取られています。足早に近づいてくる、魔人か何か分からない得体のしれないイケメンのお兄様に向かって。


 魔人(仮)が魔力吸い取るなんて『危険!超魔物大図鑑』には載ってなかったです。あの本、銀貨一枚もしたのにですよ?出版社訴えてやりましょうか?


 ……とかウロウロと考えて現実逃避している間に視界が暗くなってきました。とうとう魔力切れをおこしかけております。


 これは先ほどから切望していた気絶という状態になれるのではないでしょうか?

 

 しかしこの状態で昏倒してしまったら魔人(仮)のイケメンお兄様、長いなイケ兄でいいか……に、頭からかじられてしまうのでないでしょうか?


 いやぁぁぁ!!まだ嫁にもいってないのに、しかも長ーい転生人生中でも一度も嫁にいってないのにっ!?


 いよいよ魔力切れで全身の震えがおこってきました。イケ兄がとうとう私の目の前に来てしまいました。異世界生活最大のピンチです。


「あれれ?あ~ごめぇ~ん、勝手に魔力吸い込んでたね。はい、戻すね!」


「え?」


 そう声をかけられた瞬間、魔力が体に満ちてきました。イケ兄からの魔力が私の体に流れ込んできます。


 何が起こっているのでしょう?それに先ほどから気になっておりましたが、このイケ兄『魔人』の割には会話がスムーズに出来ています。


 魔人って『危険!超魔物大図鑑』によりますと、人間としての知性は保たれますが魔素の影響で凶暴性が増し、攻撃的になり人格崩壊がおこると記載されていました。


もしかしてイケ兄は魔人……ではないのでしょうか?イケメンお兄様だし、私的基準ではイケメンは正義ですしね。


 イケ兄はコテンと首を傾げました。ホント、イケメンですね。


「それにしても娘さんの魔力、変わってるね~神力が混じってるね。お蔭様で無意識に取り込んじゃったけど『世界の反発』が少なくて済んでるよ!」


 む?何やら気になる理解不能なワードが出てきております。さすがの転生のプロの私もついていけません。


「ちょ……ちょ、ちょっとお待ちください!」


「はい、待ちますよ?」


 礼儀正しいイケ兄様ですね。私は抜けた腰に治癒魔法をかけて思わず正座しました。ご挨拶の作法としては間違ってないと思います。


「お名前をもう一度お願いします」


「アポカリウス=カイエンデルトです」


「では、アポカリウス=カイエンデルト様は……えっと魔人様でしょうか?」


「様はいらないしもっと気安く名前読んでよぅ。ちなみに魔人じゃなくて魔の神様ですよ!えへん!」


 もっと理解不能なワードが追加されました。今なんとおっしゃいましたか?マノカミサマとか言いましたか?カミサマといえば私の知っているあの神様でしょうか?


「その神様だよ!だからこの世界から見たら『異物』だから反発を食らうわけ」


 私、言葉に出してましたっけ?よもや心を読んでいらっしゃるのでしょうか?


「読んでる読んでる~でも珍しいね異世界の転生者さんって、神のご加護付だね。君の魔法?そうでしょ?」


「おっ、おっ、乙女の心を読むなんて殿方にあるまじき振る舞いですよっ!」


 なんたること!魔神様(本物?)心を読む能力をお持ちのようです。魔神様(本物?)はニヤニヤしながら私を見下ろしています。


「乙女なんて年なのぉ~?ぶっちゃけ記憶見たけどね。魂年齢は僕と同じくらいだよね」


 なんてことでしょう。異世界で初めて魂の同世代様とお会いしました。


「失礼しました、では改めましてポカリ様」


「え?気安くて言ったけどなんで微妙な箇所で名前、端折るの?」


「ポカリ様」


「……」


 某スポーツドリンクの略式名称が頭の中をよぎります。夏場は凍らせて部活動の時に美味しく頂いておりました。懐かしいですあの味。お世話になりました。


 別にいいけどさ~飲み物の名前なのぉ~?と魔神様は口を尖らせています。


 また心の中を勝手に読んでおられますね、ポカリ様。魂の同世代同士とはいえ、女性に対してお前なんて乙女じゃねぇ!と言ったことは忘れませんよ。ええ、大年寄ですから根に持ちますよ。


「それはそうと、ポカリ様」


「なんでしょ~か?」


「私の魔力にシンリョクが混じっているとおっしゃっていましたが神の力の神力、 ということでしょうか?」


「ああうん。そうだよ、神の力があるね。神の血筋だよ、カデリーナ=ロクナ=シュテイントハラル王女殿下」


 本当に心を読んでらっしゃいます。私は苦々しい気持ちでポカリ様を見上げました。


「もう王位継承権は放棄しています。今はカデリーナ=ロアストと申します」


「これは失礼しました、カデリーナ嬢」


 ポカリ様は綺麗な紳士の礼をとられました。


 そんなポカリ様を改めて見ました。流れるような黒髪。目は金色の光彩です。顔だけイケメンではなく美丈夫です。所謂、シュッとしているといわれるイケメンです、眼福です、中身はアレですが。


 あ、そういえば最初にポカリ様が気になることを言っていたではないですか!すっかり忘れていましたよ!


「ポカリ様、失念しておりました。お会いした時に聞かれましたね?ヴェル君 とおっしゃる息子様のことですが」


「そうだった!いけないいけないっ、ヴェル君探してたんだった!」


ヴェル君のお父様?しっかりなさいませ!



やっと主人公の名前が出てきました(笑)

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