表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/76

落ち着いてよく考えてみよ。それは恋か?

前回からの続きです。

鈴良の突然の本音に衝撃を受ける3人・・・。


「鈴良が本気で千尋のことを・・・?!!!」


まず夏菜。


「僕が好きって・・・?!!」


そして千尋。


「この男のことがーーー?!!!」


極めつけが笹山。


「こんな気持ち悪い男嫌にゃん!!」


そう言いながら持っていた鯖缶を食べ終わり、

空になった缶を放り投げた。


「あ!!こら!!ごみはごみ箱に捨てなさいっ!!」


夏菜がオカンの如く注意した。


次の瞬間、鯖缶が笹山の顔に命中した・・・。


鯖の煮汁まみれになり、涙目で何かを言いたそうにする彼。


「・・・わかった・・・。君がそう言うなら・・・。

僕は変わる・・・。君好みの男になるよ・・・。

それでも駄目なら・・・。」


千尋と夏菜は息をのんだ。


「どうしよう・・・・・・。」


ズコーッ!!とずっこける2人・・・。


「情けないわね!!貴方!!男ならシャキッとしなさいよ!!」


「ほんとだよ!!夏菜さんの言う通りだ!!」


2人に怒られてしまう笹山少年はどうしたらいいんだというばかりに

しょぼくれてしまう・・・。

段々哀れになってくる。


「僕は・・・生きてる価値もない・・・。」

突然鬱傾向になる笹山は落ち込んでしまい、

ぶつけられた空の鯖缶を両手で持ち、手から出血してしまう。


「鯖缶でケガしてるじゃない!!手当しなきゃ!!」

夏菜さんが気をきかせて別の場所に連れて行こうとする。


「優しいんですね・・・。」

涙目で下を向いたままの彼はもはや哀れすぎて気持ち悪さも消えていた。


「こら!!ちゃんと謝れ!!すずちゃん!!」

流石にこれは駄目だと思った千尋は鈴良に怒る。


「う・・・。すず、悪くないにゃー!!!」


鈴良は一目散に逃げて行った・・・。


「ごめんなさいね・・・。あの子悪気は・・・

多分ないのよ・・・。多分・・・。」

手に包帯を巻いてもらう彼・・・。


ずっと落ち込んで下を向いたままの笹山に何か

元気になるようなことを言わなければと思っていた

夏菜はあることを思い出した。


「そう!!確か!!貴方のことを「千尋に似てる」って

最初言ってたわよ!!よかったじゃない!!」


「え。そんなことを・・・?・・・・。」


嫌な顔をしてしまう千尋。


「あんたは黙ってて!!」


思わず邪魔をするなとばかりに怒る夏菜。


「好きな男に似てるって・・・・・・・・。

それ、本当ですか・・・?」


段々死んだ魚の様な目をしていた彼の目が生き生きとしてくる。


「そうそう!!だから元気を・・・」


「ふふふふふ!!!こんな男に似てるなんて腑に落ちんが

良かったぞーーーー!!!嫌われてないんだな!!!そうかそうか!!!」


急に立ち上がり「ありがとう!!夏菜さんとやら!!」


笹山くんは元の謎のテンションに戻っていた・・・。


「今度彼女に会うときはお前の様にして会うぞ!!では!!」


走って家に帰る彼は来た時以上にテンションが高かった・・・。


一方、鈴良は・・・。

「すずは千尋が好きなんだにゃん・・・・・。

ほかの誰も好きにならないにゃん・・・・・。」


廊下でぶつかった瞬間を思い出し・・・。

「でも、匂いが少し好きな匂いだにゃん・・・。」


何故だろうと悩む鈴良・・・。


家路についた笹山は家で飼っている猫8匹に

鰹節をあげていた・・・。


(多分、この独特のにおいの所為・・・・・。)


「すずらちゃんにも鰹節あげたら好きになってくれたらな・・・。」


「匂いは好きにゃん。匂いは。」

どこまでも残酷な猫又妖怪鈴良ちゃんなのであった・・・。

これでこのシリーズは終わりますが次回から

また笹かまくんが出てくるかどうか?まあ、くどくならない程度に

登場させます。新キャラもまた出てくるのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ