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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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2.可愛すぎるのも大変です(9)

 キタミと一緒にペンギンの私の映像を見ていたはずが、いつの間にかぐっすりと眠っていたらしい。

 気付いたら、朝だった。

 

「おはよう。佐保」

 

 目の前で私の顔を覗き込んでくる爽やかイケメンのアップ。

 が、叫ばなかったとも。

 私も学習しているのだよ。

 

 だが、寝起きのイケメンの笑顔は強烈だった。

 整った顔に乱れた髪が艶っぽくも危うくも見える。

 その物憂げにも見える表情が、こちらを向いてふっと緩む。

 途端に彼を包んでいた雰囲気が崩れる。

 放たれる、イケメンパワー強!

 

 それを目の前で展開されるのだ。

 私の口からは「きゃっ」も「おはよう」も出てこなかった。

 ただただ硬直しているのみ。

 

 こうした場合、どのタイミングでどう反応すべきかは、今後の課題である。

 

「佐保?」

「お、はよ」

 

 更にのぞき込まれて、何とか挨拶を返した。

 

「朝の佐保も撮っていいかな?」

 

 イケメン度がアップしようとも、キタミは、キタミだった。

 彼の頭の中は、それしかないのだろうか。

 ないかもな。

 

 

 ベッドで腹這いする(ペンギンの)私。

 ソファでくつろぐ(ペンギンの)私。

 ベランダから海を眺める……。

 等を一通り撮り終えて、私は同調を解除してもらった。

 

 人間の姿に戻ると途端に恥ずかしくなる。

 何せ、ホテルの部屋で彼と二人なのだ。

 ダブルベッドがどーんと置かれた部屋で意識するなという方がおかしいだろう。

 

 キタミは性別も不明な宇宙人だが。

 イケメン男子なのだ。

 その外見が与える印象は大きい。

 

「佐保の服も用意してあるよ」

「え?」

 

 彼はホテルのクローゼットを開けた。

 そこには白と黄色を基調としたデザインのブラウス、Tシャツ、スカート、ワンピースなどが並んでいた。

 下には靴、引き出しには下着や靴下などもある。

 

 昨日、黒沢に私のものは自分が用意すると言っていたのは、これだったのか。

 キタミ、絶対、女子に貢ぐよ。

 

「別に、着替えなくても……」

「気に入らなかった?」

「そうじゃないよ。でも、よく私の服のサイズがわかったね」

「見ればわかるだろ?」

 

 そうか、キタミは宇宙人だった。

 見ればわかるのだそうだ。

 頭のサイズから足のサイズ、各部位の重量からそれを形成する成分まで分析可能と。

 微妙すぎる。

 

 その話は聞き流すことにして、せっかく準備してもらったので、私はその中からワンピースに着替えることにした。

 こんな上等なお出かけ服を合わせたことはなかったから気分が浮き立つ。

 

 着替えて鏡で見ると、少しだけ大人になったような気がした。

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